「サン サン サンバード♪長崎屋~のサンバード♪♪」なんて、歌、憶えている方も多いのでは。
かつては衣料品に強みを持っていたスーパー、長崎屋の店内で流れていたテーマソングですね。
現在では、その多くの店舗がドン・キホーテに様変わりした、スーパー長崎屋についてのまとめです。
サンバード長崎屋の開業
サンバード長崎屋
1946年、創業者の岩田孝八が神奈川県平塚市の平塚駅近くに「おあしす」というかき氷店を開いたのが始まりとされています。
1948年、株式会社長崎屋布団店を設立して布団と洋品売場を併設した長崎屋布団店を開店しました。
長崎屋 - Wikipedia
モノ不足だった戦後の統制下に、豊富な品揃えと実用的な衣料雑貨を低価格で販売
平塚の長崎屋跡地
1967年には東証一部への上場を果たし、流通業界準大手に成長。
優れた衣料品バイヤーの活躍が特徴で、スーパーが「安物売り」と見下されていた1960~70年代でも、デパート百貨店としか取引しないような老舗メーカーや問屋と取引していました。
1969年には、プライベートブランド(PB)「サンバード」の肌着を発売
実際、私たちの世代では母親に連れられて長崎屋に肌着や普段着を買いに行った記憶を持っている人が多いかもしれません。
衣料品に圧倒的な強みを持つスーパーとして認知される一方では、食料品販売を不得手とする特徴があり、食料品販売は長年地元の地場スーパーにテナントとして出店してもらう形式を取り、長崎屋自身では運営を行わない方針を取っていました。
そして、後にスーパーに求められ始めた「ワンストップショッピング」への対応は後手に回ることとなります。
ここまでの長崎屋の歩み
1946年 平塚駅近くにかき氷店「おあしす」を開店。
1948年 「おあしす」を本店として株式会社長崎屋布団店設立。
1950年 町田店を開店。(チェーン1号店)
1952年 株式会社長崎屋に商号変更。
1961年 長崎屋チェーン10店舗達成(平塚東・平塚西・鎌倉・町田・清水・川越・八王子・横浜・青梅・立川)。
1963年 東北地方(仙台市)に進出。長崎屋チェーン、20店舖達成。東証二部上場。
1964年 京都に出店。関東地盤のスーパーとして初めて関西に進出。
1967年 東証一部上場。北海道地区(札幌市)に初出店。
1969年 CIロゴマーク変更(サンバードのロゴが誕生)
東光ストア(現在の東急ストア)と提携。
肌着・靴下・ランジェリー・セーターなどのプライベートブランド「サンバード」発売。
出店攻勢&業務提携で攻めた1970年代、風向きが変わり始めた1980年代
かつて衣料品バイヤーが強みだった長崎屋でしたが、その多くが定年すると後任の担当者の育成が順調にいかなかったことや、「バイヤー頼み」になっていたことが裏目となってイトーヨーカ堂などの同業他社に比べて情報システムを整備して販売情報などから商品の売上を予測するPOSシステム化への取組みが遅れることになりました。
結果、衣料品の仕入れにおける強みは徐々に喪失していくことになったのです。
また、食品分野への出遅れを挽回するために全国各地のスーパーと合弁で地区毎にサンドールという名称の食品スーパーを設立して対応したり、テナントとして東急ストアやカスミ、いなげや、京成ストアなどを導入するなど食品スーパーとの提携戦略を展開していきました。
サンドール