「Uに捧げた青春! 悪性リンパ腫と戦うレスラー 垣原 賢人」

「Uに捧げた青春! 悪性リンパ腫と戦うレスラー 垣原 賢人」

1980年代後半から1990年代初頭にかけて、日本のプロレス界・格闘技界を華麗に席巻した伝説の団体「UWF(ユニバーサル・レスリング連盟)」 そんなUWF所属選手たちの強烈な個性から芽吹いた若き天才レスラー「垣原 賢人」。 華々しくスポットを浴びた栄光と影が入り混じる格闘人生を振り返る。


第二次UWF時代

リングデビュー

垣原 賢人(かきはら まさひと)(本名同じ)は1989年、冨宅祐輔・長井弘和らとともに、第二次UWFのオーディションに合格。翌1990年に同期の冨宅祐輔戦で格闘家デビューを果たした。
この冨宅祐輔とのデビュー戦は若い2人のUWFに賭ける熱い気持ちと気持ちがぶつかり合う激しい戦いとなり、後に名勝負としてマニアの間で語り継がれるまでになる。

身長180cmとレスラーとしては、けして大柄な部類ではなく、当時はまだ体の線も細かった垣原。
相手に何度打たれても、けっして怯まず前に出るその勇猛果敢なファイトスタイルは、勝っても負けても盛り上がり、垣原の試合はファンの脳裏に強烈なインパクトを残した。
特に1年先輩の田村潔司とはUWFインターナショナル時代を含め数々の熱い戦いを繰り広げた。

第二次UWF崩壊

数々のビッグマッチを成功させ、格闘技界の中心としてその地位を確立しつつあったUWFだが、フロントと幹部選手たちとの不協和音を発端に大事件へと発展し、1991年初頭に多くのファンに惜しまれつつも団体は崩壊する。
垣原のUWFデビューから僅か1年半後の出来事であった。

UWFインターナショナル時代

UWF系3団体の旗揚げ

第二次UWFの崩壊後、所属選手たちは各々複雑な胸中の中、3つに分裂する。
高田延彦をエースに大半の選手たちが所属した「UWFインターナショナル」。
藤原嘉明を慕う船木誠勝、鈴木みのるらを中心とした「プロフェッショナルレスリング藤原組」。
そしてたった1人取り残された前田日明が旗揚げした「リングス」。
いずれの団体も、所属選手たちの「UWFへの愛」が籠った魅力的な団体だ。
垣原は高田延彦率いるUWFインターナショナルに所属する事を選択する。
ちなみに「プロフェッショナルレスリング藤原組」は91年の3月4日に旗揚げ戦を開催。当時勢いのあった「メガネスーパー」がメインスポンサーとなった。
前田日明の「リングス」はクリス・ドールマンの人脈による外国人選手を中心に地固めし、「WOWOW」をスポンサーにつけての船出となった。
大手スポンサーがつき順風満帆の船出となった2団体に対し、UWFインターナショナルは厳しい状況ながらも、奇抜なアイディアと攻撃的な団体のスタイルで、後に一時代を築くまでに成長する。

余談だが・・・このUWFインターナショナル旗揚げの際、実はコラム著者はUWFインターの営業マン募集の面接を受けている。
小田急線の和泉多摩川駅にあった事務所に面接に行ったのだが、結果は募集1名の狭き門に屈し不合格でした。

新日本プロレスとの対抗戦

垣原を語るうえで忘れられないのが新日本プロレスとUWFインターナショナルとの対抗戦であろう。
この対抗戦は東京ドームを6万7千人超満員札止めとするなど、両団体のファンのみならず全国の格闘技ファン・プロレスファンが熱狂した。
この興行で、垣原は当時新日本プロレスで人気絶頂だった佐々木健介から見事に勝利をおさめ、一躍全国区のトップ選手の仲間入りを果たす。

Uインター解散 激動そして流浪のレスラー人生

当時、飛ぶ鳥を落とす勢いで急成長したUWFインターナショナルだったが、度重なる金銭問題・主力選手の離脱などにより、1996年12月の後楽園ホール大会をもって解散してしまう。

再び所属団体が消滅してしまった垣原だったが、主だった選手たちとともに格闘技団体「キングダム」を設立し1997年5月に旗揚げ戦を開催。

しかし、高田延彦のような絶対エースが不在のこの団体では激動の格闘技界の荒波を乗りきることは出来ず、わずか9か月後の1998年2月に事務所と道場を閉鎖する。

所属選手たちは各々別々の道を歩むこととなるが、垣原は高山善廣とともに全日本プロレスに参戦し、TOP(トライアングル・オブ・パワー)として活躍する。

しかし全日本プロレス分裂騒動で三沢光晴に追随し、新団体「プロレスリング・ノア」へ移籍する。

引退・・・そしてミヤマ仮面誕生!

現役時代、度重なる怪我に見舞われた垣原だが2006年、頚椎損傷という大怪我により現役引退を余儀なくされる。

レスラー引退後は、家族との時間を大切にしつつ、森と昆虫を愛するヒーロー「ミヤマ仮面」として、クワレスを全国に普及すべく活動。

クワガタを通じて自然や森林の保護活動に精力を注ぐ。

ちなみに垣原の実の娘は「バクステ外神田一丁目」というアイドルグループのメンバーである。

ミヤマ仮面

ミヤマ仮面とは

悪性リンパ腫との戦い

2014年12月、垣原はFacebookで自らが悪性リンパ腫に犯されていることを公表した。

この衝撃的なニュースは格闘技界に激震が走った。

そして仲間たちの熱い思いが形に

家族、親しい友人知人、ともに戦ったプロレスラーたち、そして青春時代をともに過ごした「U」の仲間・・・、垣原を取り巻く応援の渦は形となった。

2015年8月、垣原を応援すべく仲間たちの手によって「Moving On〜カッキーエイド〜」が開催された。

「Moving On〜カッキーエイド〜」には垣原ゆかりのメンバーが勢揃い!
中野、佐野、金原、高山、藤原組長も老体に鞭打って出場した。
メインは船木&鈴木みのる組VS冨宅&長井組。合い間には垣原の娘の所属するバクステのミニライブも行われた。

前田日明、山崎一夫、桜庭和志らも応援に駆けつけた。
当日来られなかった高田延彦、安生洋二、小橋建太らからは応援メッセージが届く。

Moving On〜カッキーエイド〜

2016年、垣原は今もなお、悪性リンパ種という敵と戦い続けている。

がんばれカッキー!!

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