『ツイスター』(Twister)
ユニバーサル映画とワーナー・ブラザースが手を組んで作った作品。
様々な役者が出演しているが、この映画の主役はズバリ『竜巻』です。
何度も迫力のある竜巻を見せることが、この作品にとって最も重要なのですが、それだけでは時間が持たないと思ったようで、恋愛話なども織り込まれています。
竜巻研究をリードしてきた日本人
この映画の主人公たちである竜巻ハンターにはモデルがいるらしいです。
それがオクラホマ大学の佐々木嘉和教授・藤田哲也教授の2人で、藤田教授は竜巻の強さの単位である藤田スケール(Fスケール)を決めた人物です。
藤田スケール - Wikipedia
受賞暦
第17回ゴールデン・ラズベリー賞
受賞:ジョー・エスターハス最低脚本賞受賞
第19回スティンカーズ最悪映画賞
受賞:【最悪の助演女優】部門[ジャミー・ガーツ]
受賞:【最悪な総収益1億ドル以上の作品の脚本】部門
ノミネート:【最悪の作品】部門
スタッフ
スティーヴン・スピルバーグ
原作はマイケル・クライトン、制作はスピルバーグ、そして監督はヤン・デ・ボンと豪華な布陣。出演はヘレン・ハント、ビル・パクストンと手堅く、肝心の映像面は、当時「ジュラシックパーク」によってコンピューターグラフィックが成熟した時期でもあり、不安は一切ありません。これは最強の映画がやってきたなと、世界が期待に包まれました。
ヤン・デ・ボン
監督 ヤン・デ・ボン
脚本 マイケル・クライトン/アン・マリー・マーティン
製作 キャスリーン・ケネディ/イアン・ブライス/マイケル・クライトン
製作総指揮 ローリー・マクドナルド/ジェラルド・R・モーレン
ウォルター・F・パークス/グレン・サロウム
スティーヴン・スピルバーグ
撮影 ジャック・N・グリーン
編集 マイケル・カーン
配給 ワーナー・ブラザーズ/ユニバーサル
公開 アメリカ合衆国 1996年5月10日/日本 1996年7月6日
上映時間 113分
製作国 アメリカ合衆国
製作費 $92,000,000
興行収入 $494,471,524
キャスト
■ジョー・ハーディング博士 ヘレン・ハント
■ビル・ハーディング ビル・パクストン
■メリッサ・リーブス博士 ジェイミー・ガーツ
主題歌
ヴァン・ヘイレン - 『Humans Being』
ツイスター・オリジナルサウンドトラック
Amazon.co.jp: サウンドトラック, レッド・ホット・チリ・ペッパーズ, グー・グー・ドールズ, シャナイア・トゥエイン, スティーヴィー・ニックス, ヴァン・ヘイレン, ラステッド・ルーツ, トーリ・エイモス, アリソン・クラウス, マーク・ノップラー, エドワード・ヴァン・ヘイレン : ツイスター(サントラ) - ミュージック
ストーリー
まれに見る不安定な気象状況に、多数の竜巻発生が予想された1969年、オクラホマ州。
なんと、「竜巻の当たり年」だといいます。そんな中、巨大な竜巻が少女の住む家を襲いました。少女は両親と共に地下室へ避難しますが、目の前で父親が竜巻に攫われてしまいます。
そして現在、少女だったジョー・ハーディングは大人へと成長し、「ストーム・チェイサー」として竜巻の観測に精力を傾けています。
ジョー&ビル
ビルは、ジョーとの離婚を成立させるため、フィアンセで精神科医のメリッサをともなってひさしぶりに竜巻追跡の現場へやってきます。ジョーのチームは、ビルの発案で開発された画期的観測装置「ドロシー」の運用実験に臨んでいました。
そこにはアイデアを盗んでまったく同じ仕様の装置を持ち出して来たライバル研究者、ジョーナスの姿も。気もそぞろにジョーたちの手伝いを始めるビル。資金力にものをいわせて竜巻を追うジョーナスたちに先んじて、なんとしても「ドロシー」を竜巻の直下に仕掛けなければいけません。
ビルの体の中で、何かがうごめき始めたその瞬間、夜の闇の奥から強力な大竜巻が現れ、平和な町を襲い破壊しつくしていきました。早く新しい竜巻予報システムを構築して被害を防がなければ!
そのためにはデータが必要です。危機に直面し、ついに目的と絆を取り戻したビルとジョーは風車の羽根をヒントにして「ドロシー」に改良を加え最後の追跡に挑みます。そして遂に、彼らの目の前に、最大級F5クラスの巨大竜巻が現れるのです。
圧巻の竜巻シーン
本作には6回の竜巻シーンがあります。どれも趣向を凝らした見事なものになっています。
2回目からの本格的な竜巻登場シーンは結構勿体ぶったところもあり、ハラハラさせてくれます。加えて、ドラマの面でもグッとくるストーリー展開、これはこれで素晴らしくこの辺りがカルト映画と呼ばれる原因のひとつになっています。
3回目の竜巻。これは湖に複数発生します。しかも1本から2本に分裂する竜巻で、自然界の異様な光景を見せてくれます。更に追い討ちをかけるように、目の前で何度も牛がモォォォと鳴きながらゆっくりと舞っていく姿が映されます。牛が飛ぶ。宙を舞う。
クライマックスの竜巻は特大級です。いかに観測装置を吸い上げさせるか、そしていかに逃げ延びるかが見せ場となります。ジョーにとっては幼い頃に父親を奪ったあの特大級の竜巻と再び対峙することになり、この後の究極の体験が最大の見せ場となります。
復讐と父親への未練を一気に解き放つかのような、まさに劇中でも語られる「神の領域」を垣間見るような感動的な場面です。しかしビルとジョーのふたりに、竜巻パワーは容赦なく襲いかかります。フェンスは軽々と舞い上がり、農機具やトラクターが宙を舞いながらギリギリ頭上をかすめていきます。まるで怪物が意志を持って襲い掛かるような自然の描き方に映画的な見せ場が凝縮されています。
竜巻については十分リサーチが行なわれ、自然の法則から大きく逸脱しないように細心の注意が払われたものと思います。そんな中でヤン・デ・ボン監督のアクション性の高い素晴らしい演出が隅々まで冴え渡っており、たくさんの見せ場が用意されています
関連書籍など
知れば知るほど奥が深い…。
そんな映画『ツイスター』。違った方向から眺めてみるのも悪くありません。