映画「肉体の門」とは?

キャッチコピーは「うっかり抱くと危ないよ!」
肉体の門(1988)の映画レビュー(感想・評価)・あらすじ・キャスト | Filmarks
映画化は過去5回されています。
1948年、初の映像化はマキノ正博監督で主人公の浅田せんは轟夕起子。
1964年は鈴木清順監督、主演は河西都子。松尾嘉代や宍戸錠が出演。同年「女体」として恩地日出夫監督で映画化されました。
1977年は西村昭五郎監督、せん役は山口美也子が演じました。
今回振り返るのは、1988年公開の五社英雄監督の「肉体の門」。女優の裸や濡れ場が多い映画ですが、1990年以降の規制が入るまでは、ふつ~うに、「金曜ロードショー」などゴールデンタイムでテレビ放送されていました。今じゃ考えられませんよね!
☆ドラマ化もされました

2008年にテレビ朝日系列で年末のスペシャルドラマとして放送されました。
主演は観月ありさ。かたせ梨乃のせん役が頭に、目に焼きついてしまっていたので、どうもパンチが効いてないように感じました(当たり前のようにありさちゃんのヌードを期待したので拍子抜けしただけかも)。
挿入歌 八代亜紀の「星の流れに」
主な登場人物
☆関東一家☆
【関東一家の掟】
①稼ぎは平等に分けること。
②稼ぎの一割は、「パラダイス」の資金に回すこと。
③稼ぎにならない色恋沙汰はしないこと。
※掟を破った場合、ヤキ(リンチ)を入れてヤサ(棲家にしているビル)を追い出される。
せん(関東小政) かたせ梨乃

関東一家のリーダー。東京大空襲で家族を失い、焼け野原から立ち上がった強い女。左足の太ももに「関東小政と赤いバラ」の刺青がある。
けん
ボルネオマヤ 加納みゆき

兄がボルネオ島で戦死している。ボルネオにいたという新を身近に感じている。心根の優しい女。
けん
左から「ジープのみの」、「フーテンのろく」、町子、「きすぐれのみっち」「ベイビー」

☆せんが気を許す男☆
伊吹(コルトの新) 渡瀬恒彦

大怪我をして関東一家のアジトで倒れているところを発見され手当てしてもらう。袴田組長とは旧知の仲。
けん
留さん 芦田伸介

彫り師。せん達を温かい目で見守っている。せん達のアジトの前を流れる川の木造船に住んでいる。
けん
☆らくちょう一家☆
らくちょうのお澄 名取裕子

らくちょう一家のリーダー。洋装でキメていて進駐軍専門の娼婦。
けん
左:血桜お銀 松居一代 右:ビッグママお京 マッハ文朱

☆袴田組☆
袴田組・組長 根津甚八

「袴田組マーケット(闇市)」を取り仕切る。せん達のアジトのビル・稼ぎを狙って傘下に入れたがっている。
けん
ストーリー

解説・あらすじ - 肉体の門 - 作品 - Yahoo!映画

肉体の門 (1988年の映画) - Wikipedia
関東一家とその周辺
ヤクザの袴田組が「らくちょう一家」のように関東一家を自分達の傘下に入れたがっていたが、関東一家のアジトの中にはいつ爆発するかわからない巨大な不発弾「1トン爆弾」がぶら下がっているため、袴田たちも強引に話を進めることができないでいた。
せんは、「いつ爆発しても一瞬で死んだ家族の所に行ける。そう思えない奴は要らない」と言い関東一家の仲間達は同意し、その不発弾をアジトの守り本尊としていた。

関東一家のアジトにぶら下がる不発弾「1トン爆弾」を守り本尊として祀っている。
けん

ライバルの街娼グループ、らくちょう一家。袴田組にみかじめ料を払って商売している。自分達の縄張りで商売した、しないで揉め、タイマンで決着をつけるスタイル。
けん
せんとコルトの新の出会い
警察の街娼狩りが行われた夜、偶然出会い、一緒に逃げることになった町子が関東一家の一員となった。「元、陸軍中尉の妻」と最初こそおとなしくしていた町子だが、フーテンのろくやみっちは彼女の発言や行動から不審なものを感じ取り嫌っていた。
そんな頃、関東一家のアジトに大怪我をした男が転がり込んでくる。情が深いマヤは手当てをしてやろうと言い、せんはマヤの気持ちに折れるかたちで面倒をみることにした。意識を取り戻したその男は、せんが空襲で食べる物もなくフラフラの時に飯盒の飯を分けてくれ、自分はそのお返しにと処女を捧げた。それ以来ずっと想い続けていた男だった。

すきっ腹で彷徨っていたところを助けてくれた。
けん

何も返すことができないと、自らを捧げるせん。
けん

それ以来会うこともなく名も知らぬまま別れた2人。せんは再会まで想い続けていた。
けん
町子の裏切り
ある日、町子が関東一家の稼ぎを博奕につぎ込んだことが発覚する。その金は彼女たちの夢である「ダンスホール・パラダイス」を作るための資金だった。怒るせんたちにリンチにかけられるが、戻ってきた新がそれを止めるのだった。町子はその日を境に袴田組につき、組長の女になる。

吊るされ荒縄で叩かれる町子。「私はね~15の時から男で商売してんだ!」と本性を剥き出しにする町子。
けん

「上も下も丸坊主にしてやるよ~♪」顔は笑っているが、裏切られ金を盗まれ怒り狂っているせん。
けん
せんとお澄み
関東一家のリーダー・せん、らくちょう一家のリーダー・お澄み。
2人の出会いは、マヤがらくちょう一家のテリーにヤキを入れたことで「ケジメをつけろ」とお澄みたちのアジトに呼び出された時だった。

この時のマヤのタイマン相手はビッグママお京。激しいバトルを繰り広げたが、騒ぎを聞きつけた警官やMPが現れ中断。
けん

せんとお澄みのタイマン。片腕にロープを巻き、真ん中のナイフを取り合う。お澄みがドブ川に落ち、せんが勝利した。
けん
クリスマスの近いある夜。米軍のクラブで米兵数人に犯されそうになるところをお澄みに助けられた。今まで敵対していた2人は、そのまま屋台で一杯やりながら急速に親しくなっていった。
お澄みはせんに心を開き、自分の過去を語り始めた。元郵便局に勤めていた事、自分の住んでいた地域は焼けずに残ったが、母と妹がやっていた床屋に進駐軍がやってきて、2人共犯され殺された。犯人はロバートという米兵。そいつを殺すために進駐軍専門の街娼になったと言う。

クラブで犯されそうになるせん。
けん

せんを助け、一緒に下着姿で踊るお澄み。
けん

昨日の敵は今日の友。お澄みは哀しい過去を語りだす。
asocoのブログ: 2012年7月

「犯され撃ち殺された妹と母の復讐!犯人を捜すために街娼になった。自分に何かあったら、らくちょう一家を頼む」
けん
ロバートを見つけ、ホテルまで行ったお澄みだったが急所を撃ち損じ、せんのアジトへ逃げてきた。
「私は肝心なときに意気地がないんだ!」と泣き言を言うお澄みを励ますせん。「何度だってやり直せる!何度だって!」
そこへ拡声器を通して、お澄みへ投降するようにと進駐軍とロバートが怒鳴りつけていた。もう銃には弾がない。お澄みは留さんから脇差しをもらい、投降したフリをしてロバートの心臓を突き刺した。直後、彼女の身体は蜂の巣にされ絶命した。

「泣き言言うんじゃないよ!やり直せる!何度だって!」
けん

「せん、パラダイス作っといてよね」そう言い残して戦友は復讐を見事に遂げた。
けん
私的、見どころ!
プロレスラー時代のマッハ文朱しか知らなかった私には衝撃でした!こんなキレイな人だったんだ~♡と。
しかし、マヤとのタイマンではレスラーっぽい動きしてましたが(笑)

マッハ文朱のビックママお京
けん

プロレスラー時代のマッハ文朱
時事ドットコム
☆せんが初めて新に素直になった時
新が不発弾の信管を抜こうとしたが抜けず力尽きます。「ちょっと待ってて、すぐ戻るから」純白のドレスを着て「見て!パラダイスができたら着ようと思ってたの!ウエディングドレスにもなるのよ!」女性らしい話し方でドレスの裾をひるがえし踊るせん。新の目にはもう何も映っていないんですが、好きな男に最期に素直になるせんに涙しました。

純白のドレスで不発弾の下で踊るせん
けん
☆爆風で凄いことになる西川峰子

ラストシーン、1トン爆弾が爆発し、町子とマヤの所にも爆風が!
HAGGYの台所
「肉体の門」は吉原炎上の脚本・構成を担当した笠原和夫、監督も五社英雄。キャスティングもかたせ梨乃、名取裕子、西川峰子、根津甚八と軽いデジャヴを感じモヤッとしますが、そのモヤッをこの西川峰子の演技(?)が1トン爆弾の如く吹き飛ばしてくれます!