シド・ヴィシャスとナンシー・スパンゲン
vintage everyday: A Collection of 26 Vintage Photographs of the Punk's Most Famous Couple - Sid Vicious and Nancy Spungen in the Late 1970s
映画「シド・アンド・ナンシー」の魅力を探る!
映画のあらすじ
1978年、セックス・ピストルズ解散後にシド・ヴィシャスは、恋人ナンシー・スパンゲン殺害の容疑で逮捕されました。刑事にナンシーとのなれそめを聞かれたシドが、2人の関係を回想していくという形でストーリーが進んでいきます。
実話に基づいた話なのですが、事件の解決を争点にするわけではなく、二人の破滅に向かう切ない恋愛映画という内容になっています。
ゲイリー・オールドマンとクロエ・ウェッブによる好演
「シド・アンド・ナンシー」では、シド・ヴィシャスをゲイリー・オールドマンが、ナンシー・スパンゲンをクロエ・ウェッブが演じています。
ゲイリーは撮影前にシドの実の母親に何度も会いに行ったり、徹底した減量を行うなど役作りにかなりの時間を費やしました。
その熱演のお陰で、ゲイリーはこれを機に個性派俳優としての地位を確固たるものとします。
一方クロエ・ウェッブも、1986年のアメリカ映画批評家協会主演女優賞を受賞しています。
シド・ヴィシャス(左)と、映画でシドを演じるゲイリー・オールドマン(右)
【レオン】ゲイリー・オールドマンの代表作まとめ【猿の惑星】 | LAUGHY [ラフィ]
その他にも豪華なキャストが!
アレックス・コックスが監督を務めた「シド・アンド・ナンシー」では、パンク・ロックの先駆者的存在であるイギー・ポップや、ニルヴァーナのカート・コバーンの妻であるコートニー・ラブ等も脇役で出演しています。
どこで彼らが出てくるのか注目してみるのもいいかもしれませんね。
映画でも、イギー・ポップが在籍していたザ・ストゥージズのアイ・ワナ・ビ-・ユア・ドッグ(The Stooges - I Wanna Be Your Dog)をゲイリー・オールドマンが歌っています。
そして本作の音楽を担当するのは偉大なるパンク・バンドである、クラッシュのジョー・ストラマー。彼もまた本作で主題歌のラブ・キルズ(Love Kills)や、ダム・ダム・クラブ(Dum Dum Club)等の楽曲を提供しています。
イギー・ポップ
Iggy Teaches England How to be Punks (July 15, 1972) | 20 Wildest Iggy Pop Moments | Rolling Stone
ジョー・ストラマー
心に残る名曲、「マイ・ウェイ」
「シド・アンド・ナンシー」では挿入曲として、シド・ヴィシャスのマイ・ウェイ(My Way)が使われています(映画ではゲーリー・オールドマンが熱唱!)。
原曲は1967年のクロード・フランソワの「Comme d'habitude」ですが、1969年にポール・アンカが英語の詞を書き、フランク・シナトラが歌って一躍有名になりました。
その後も数々のアーティストにカバーされ続け、マイ・ウェイは世界で一番カバーされた曲の2位となっています。
原曲では恋愛を、ポール・アンカの詞では人生の生き方を歌い上げられているマイ・ウェイですが、シドが歌うバージョンでは、脱退したジョニー・ロットンを馬鹿にする内容の歌詞が一部織り込まれています。
「これが俺のやり方だ、後悔はしてない」と歌い上げるシド。
でも実際はこの歌のレコーディングに気乗りがしなかったとも言われています。
ジョニー・ロットンとの確執、バンドの解散、加速化する薬への依存・・・自分を理解してくれる人も少なく孤立化していくシドの、心の叫びすら聞こえるようなマイ・ウェイ。
だからこそ人々の気持ちを惹きつけるのだと思います。
二人の悲しいラブ・ストーリー
「シド・アンド・ナンシー」を語る上で音楽は切っても切れないものなのですが、やはり本作の魅力は二人の恋愛の軌跡、これに尽きると思います。
史実に基づいて作られているのであらすじに関してはネタばれ感もあり、余り多くを語ってしまうのは本望ではないので控えておきますが、それを知った上で見てみてもこの映画の魅力が損なわれる事はありません。
ここでは実際に見られた方の声をいくつかご紹介させて頂きます。