不滅の記録保持者『フローレンス・グリフィス=ジョイナー』
フローレンス・グリフィス=ジョイナー(Florence Griffith Joyner)
奇抜と言われたネイルとファッション
地味な印象をもたれる陸上競技の概念を、華やかに一変させたそのスタイルは、主宰者から咎められ、爪を切るようにとの指導をされたこともあった。
だが、フローレンスはそれを断固として拒否した。
「ランナーである以前に、私はレディーでありたい」と。
独創的なネイルデザイン
こんなに長い時も…。
片足だけのレオタード(スパッツ)
引き締まった褐色の筋肉美
割れた腹筋と発達した腕と足の筋肉
五輪前の全米選手権で100メートル10秒49の世界新。
陸上競技における女子100m(10秒49)、200m(21秒34)の世界記録を2017年現在も保持している。
ソウル五輪で圧倒的な強さを発揮
金3つ、銀1つのメダルを獲得。
ジョイナーのドーピング疑惑
ソウル・オリンピック陸上男子100mに出場していたカナダのベン・ジョンソンのドーピングが発覚。
疑惑の目は、ジョイナーにも向けられた。
ジョイナーは疑惑を否定し、ドーピング検査の結果も「白」だったが、周囲からの疑惑の声が止むことはなかった。
そしてソウル・オリンピックから、わずか5ヶ月。
1989年2月25日。疑惑の渦中にあったジョイナーは突然、会見を開き、引退を表明した。
ジョイナーの世界記録が消される?
年々、進化するシューズや科学的に分析されるフォーム、徹底した健康管理。
一部の記録は以前と比べて飛躍的に向上している。
それに伴い、「現在も破られていない記録なんてドーピングによる記録ではないのか?」という疑問が沸き上がっている。
2017年5月、欧州陸連は陸上記録の信頼性を取り戻すために、検体(血と尿)の保存がされておらず再検査が不可能な2004年以前の記録は無効にすべきではないかと提言した。
もし、この提言が承認されることになれば、フローレンス・グリフィス=ジョイナーの世界記録は取り消されることになる。
夫であったアル・ジョイナーは「家族の名誉が汚されてしまう。死ぬ気で闘うし、あらゆる法的手段を見つけ出すつもりだ。五輪の金メダルへ向けた練習のように闘う。」と徹底抗戦を宣言している。
記録と記憶に残る疑惑のスーパーウーマン
ドーピング行為を示す証拠がないにもかかわらず、「限りなく黒に近い灰色の世界記録保持者」と言われているフローレンス・ジョイナー。
仮に公式世界記録から除外されたとしても、その圧倒的なスピードと奇抜なファッション。
他者をまったく寄せ付けなかった余裕のゴール。
五輪史上もっとも強く美しいスプリンターと語り継がれて行くでしょう。
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