スティングってどんなアーティスト?
それではスティングとはどのようなアーティストなのでしょう?簡単に説明します。
デビューはポリスというバンド
ポリスとは1977年~1984年まで活躍したイギリスの3ピースロックバンドです。このバンドでボーカルとベースを担当していたのがスティングでした。5枚のアルバムをリリースし、6つのグラミー賞を受賞するくらいの人気でした。
様々な代表曲がありますが「Every Breath You Take(見つめていたい)」は誰でも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?
しかし、人気絶頂にありながらポリスは解散してしまいます。
ソロ活動を開始
1985年よりソロの活動を開始します。ポリス時代からロックの要素の中にレゲエなどを組み込んだ楽曲を発表してきましたが、ソロになりより自由になったようです。
1stアルバムである「The Dream of Blue Turtles(ブルータートルの夢)」もヒットしました。アルバムの1曲目である「If You Love Somebody Set Them Free(セット・ゼム・フリー)」は楽曲も映像も傑作と言われています。
2ndアルバム「...Nothing Like The Sun(ナッシング・ライク・ザ・サン)」
1stアルバムから2年後の1987年に名盤として語り継がれる「...Nothing Like The Sun(ナッシング・ライク・ザ・サン)」が発表されます。
1stとはまた違う味わいのアルバムになっていますが、その背景にはアルバムが発表される前年の1986年に母親を癌で亡くしたことも影響を与えているようです。タイトルの「...Nothing Like The Sun」とはシェイクスピアの戯曲の一説であり「太陽でさえも及びつかないほど(美しい)」という意味ですあり、アルバムのあとがきにも「ママとママを愛した全ての人にこのアルバムを捧げる」とクレジットされています。
一流ミュージシャンを起用することは引き継いだようで、このアルバムでは、ギル・エヴァンスをオーケストラの指揮に、エリック・クラプトンをギターに起用しています。豪華です。
エリック・クラプトン
「アルバムの出来が良いのはギル・エヴァンスがアルバムに参加しているから」とスティング自ら話すほどの影響が大きかったようです。
前作同様にジャズの影響が大きい1曲。耳なじみのミドルエッジも多いのではないでしょうか?ハードロックが流行していた時期のこの大人のサウンドにぐっと来たものです。そして、プロモーションビデオのスティングもすごく素敵です。お洒落でスタイリッシュであり、当時、中学生だった私、一生懸命耳で歌詞を拾おうとした記憶があります。
スティングの代表曲と言っても過言ではない「Englishman In New York(イングリッシュマン・イン・ニューヨーク)」
スティングを知らずともこの曲を聴いたことのある、ミドルエッジは多いのではないでしょうか?
「Englishman In New York(イングリッシュマン・イン・ニューヨーク)」は当時ハードロックが流行していた時代にジャズの影響を色濃い個性ある1曲としてヒットした記憶があります。
ピアノやソプラノサックスなどクラシカルな楽器のなかに、打ち込みのサウンドが入っていて、当時中学生だった私は「お洒落すぎる!」と目がハートだった記憶がございます。プロモーションビデオもモノクロで大人のスティングにドキドキしたものです。
またこの楽曲は様々なアーティストにカバーされています。
「勝手にしゃがれ」というバンドのボーカリストでもある武藤昭平によるカバーです。ハスキーボイスがスティングとはまた違う魅力です。
某「遊べる本屋」で限定デビューしたデュエット「羊毛とおはな」のカバーはとてもしっとりしています。秋の夜長に合いそうです。
こんなダンスリミックスされたバージョンもあります。
福原美穂のカバーはしっとりと歌唱力も生かされたバージョンになっています。
変り種のカバーです。三味線のインスト、斬新です。
山崎まさよしもカバーしています。カバーアルバムの1曲目です。
また替え歌として、シャインヘッドが「ジャマイカン・イン・ニューヨーク」、種浦マサオが「関西人 in Tokyo」がリリースされていて、楽曲がとてもポピュラーなことがうかがえます。
こちらの替え歌バージョンは当時良く耳にしました。こちらの曲からスティングを知ったという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
Sister Monn(シスタームーン)
「ナッシング・ライク・ザ・サン」というアルバムのタイトルが歌詞の一説にも使われている楽曲です。こちらもジャズの影響が色濃い作品です。
内戦の犠牲者たちの影響が色濃い「Fragile(フラジャイル)」「They Dance Alone(孤独なダンス)」
ツアー先の南米での内戦での犠牲者の影響が色濃く反映されている楽曲が多いのも、このアルバムの特徴の一つです。
ポリスの時はベーシストだったスティングですがアコースティックギターがとても悲しげです。ハスキーな声で歌い上げる「Fragile(フラジャイル)」を名曲とするファンも多いのではないでしょうか?
当時中学生だった私は、先にこのプロモーションビデオで曲を知ったのですが、歌詞の内容は分からずともとても不本意で悲しい曲なのだろうと想像したものです。
「They Dance Alone(孤独なダンス)」では当時のチリ軍部独裁政権大統領であったアウグスト・ピノチェトを名指しで批判する歌詞があります。
カバー曲である「Little Wing(リトルウイング)」
ザ・ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスのヒット曲でもある「Little Wing(リトルウイング)」をアルバムでカバーしています。
アルバムのほとんどの曲がとても有名であるこのアルバムの売り上げは200万枚を超え、ベストセラーになります。そして、今聞いても、全く古臭くなくスティングのハスキーボイスが良質なサウンドと共に楽しめる1枚になっています。
今でも第一線で活躍するアーティスト
STING | スティング - UNIVERSAL MUSIC JAPAN
現在スティングは還暦を越え64歳となりましたが、まだまだ現役で活躍しています。今年には待望のニューアルバムが発売されるようです。タイトルは「ニューヨーク9番街57丁目」です。最新作は「...Nothing Like The Sun(ナッシング・ライク・ザ・サン)」とはまた一味違うロックアルバムになっているようです。なんでも、ポリスに近いアルバムだとか...。
表現したい音楽を時代に流されることなく発表し続けているスティングからまだまだ目が離せません。