Meet the beatles
エンド・オブ・ザ・センチュリー
End of the Century
今でも賛否分かれる問題作ですが、発表当時は評論家やコアなファンからは酷評の嵐でした。
原因はプロデュースを手掛けたフィル・スペクターにあります。
「ウォール・オブ・サウンド」と称される独自の音作りをするフィル・スペクターによって、それまでのラモーンズからは考えられないサウンドとなっています。
レコーディング当時はメンバーも戸惑いそうとう揉めたようですよ。
しかし、楽曲の出来自体はどの曲も素晴らしく、なるほどオーバープロデュースと感じる曲もありますが、いやいやとても素晴らしい仕上がりとなっています。
ラモーンズの代表曲のひとつである1曲目の「 リメンバー・ロックンロール・レイディオ?」にフィル・スペクターの特徴がよく出ています。
【エンド・オブ・ザ・センチュリー 収録曲】
1. リメンバー・ロックンロール・レイディオ?
2. アイム・アフェクテッド
3. ダニー・セイズ
4. チャイニーズ・ロック
5. ジャッキー・アンド・ジュディー
6. レッツ・ゴー
7. ベイビー・アイ・ラヴ・ユー
8. アイ・キャント・メイク・イット・オン・タイム
9. ディス・エイント・ハヴァナ
10. ロックンロール・ハイ・スクール
11. オール・ザ・ウェイ
12. ハイ・リスク・インシュランス
そして映画で使われた「ロックンロール・ハイ・スクール」ですが、映画はED STASIUMがプロデュースしています。
聞き比べてみると、フィル・スペクター・バージョンの方は作りこまれていることが分かります。
ベースのDee Dee Ramoneが作った「チャイニーズ・ロック」は、作った当初は他のメンバーからラモーンズにふさわしくないということで没になりJohnny Thunders & The Heartbreakersに提供されていたいわくつきの曲です。
ラモーンズ・バージョンも良いですが、この曲はやはりJohnny Thundersの方がしっくりきます。
End of the Century
「「End of the Century」」というアルバム・タイトルはフィル・スペクターが付けたとされており、その後ラモーンズのドキュメント映画のタイトルにもなっています。
Phillip Spector
パンクの創始者ラモーンズと伝説的なプロデューサーであるフィル・スペクター。
いかにもミスマッチなこの組み合わせが生み出したマジックがここにあります。
そういえば、フィル・スペクターはビートルズのプロデュースもしていたんでした。
ラモーンズって本当にビートルズ好きなんですね。だからこそパンクにしてポップスとしても成り立っているのでしょう。
それにしても、プロデューサーが誰であろうとラモーンズ自体はちっとも変っていないところが素晴らしいです。
フィル・スペクターは、現在のところこれが最後のプロデュースとなっています。