非暴力を貫いた、インド独立の父ガンジーの半生を描いた映画「ガンジー」を振り返ります。

非暴力を貫いた、インド独立の父ガンジーの半生を描いた映画「ガンジー」を振り返ります。

映画「ガンジー」は、78歳で暗殺されたガンジーの、青年期から暗殺されるまでが描かれています。イギリス統治下のインドで、戦いではなく、自らの行動で民衆を導いたインド独立の父ガンジー。その非暴力と不服従の半生を、映画と共に振り返ります。


映画「ガンジー」とは

構想20年、ガンジーを誰が演じるかにこだわり、当時無名の舞台俳優だったベン・キングズレーを抜擢したことで、この映画は完成することができたともいえます。

映画「ガンジー」のあらすじ

南アフリカでの弁護士時代

モーハンダース・カラムチャンド・ガンジーは、インドの恵まれた家に生まれ、ロンドン留学によって弁護士になりました。イギリス領南アフリカで弁護士として開業しますが、人種差別制作により、一等車への乗車を断られます。これに抵抗した若きガンジーは、荷物ごと列車から放り出されてしまいます。このような差別を経験したことから、イギリス領南アフリカでの人種差別政策への反対運動に参加するようになります。

インド時代は、差別されることなどなかったと思われるガンジーは、南アフリカで強烈な被差別体験をし、インド系移民の法的な権利を守る活動に参加することになります。

一等車への乗車を拒否される弁護士時代のガンジー

映画「ガンジー」|CINEview(シネビュー)映画紹介☆

アーシュラマ共同農園の創設

逮捕や投獄なども経験しますが、不正を追及して撤廃させるなどの成功もあり、南アフリカのダーバン近郊にアーシュラマ共同農園を創設します。禁欲、断食、清貧、純潔を実行した経験は、インドのイギリスからの独立運動にも生かされています。

身分証明のカードを焼き捨てる運動を提唱したガンジーは、非暴力による戦いを信条に、生涯禁欲の誓いを立てます。

人種差別政策の反対運動に参加するガンジー

409: ガンジー: さくらの映画スイッチ

インドへの帰国

ガンジーは、イギリスの服を捨て、インド製の綿製品を身につけるという、不買運動を提唱し、インドの糸車を常に持ち歩きました。
インドのボンベイに戻ったガンジーは、英雄として迎えられます。「マハトマ(偉大なる魂)」と呼ばれるようになり、インド国民の精神的な支柱となっていきます。

ガンジーの差別反対運動に、次第にインド人労働者たちも共鳴していくのでした。

インド綿を身につけ、インドの糸車で糸を紡ぐガンジー

409: ガンジー: さくらの映画スイッチ

非暴力と不服従運動

インドの指導者層は、イギリスからの独立を望んでいましたが、イギリスは言論、宗教、集会の自由を抑圧する法律をインドに適用します。インド国民のイギリスに対する不満が、暴動となって現れますが、ガンジーは断食をおこない、無言の説得をもって暴動を鎮静化させます。その後ガンジーは、イギリスに対する非協力で逮捕、投獄されますが、ガンジーに同情的な判事もいました。

幾度となく逮捕されたガンジーでしたが、法廷に立つ時にも、法廷内の人々が起立して迎えるなど、尊敬を集めていました。

法廷に立つガンジー

409: ガンジー: さくらの映画スイッチ

塩の行進と円卓会議、第二次世界大戦

その後も、イギリスが独占していた製塩事業に対抗して「塩の行進」を行い逮捕され、ロンドンの円卓会議にも出席しましたが、インドの独立はかないませんでした。
第二次世界大戦がはじまり、戦争に反対するガンジーは、アガーカーン宮殿に収容されます。そのガンジーの姿を「ライフ」の女性記者が撮りつづけていました。

西洋文明を否定し、戦争に反対するガンジーを、女性記者バーク・ホワイトは、撮りつづけました。

ガンジーを撮影する「ライフ」のバーク・ホワイト

映画の主人公となったカメラたち - ガンジー

インドの分裂とパキスタンとの対立

インドの独立を目前に、ヒンドゥー教徒と回教徒は分裂して、回教徒がパキスタンを建国したことで、国境近辺では対立が激化します。内戦状態になったことを悲しんだガンジーは、断食をおこない、民衆に武器を捨てさせることに成功します。

ネールの「ガンジー老は死にかけている」の呼びかけに、民衆は武器を捨てることを選びます。

暴力行為が収まったと、ガンジーに報告に来た初代インド宰相ネール

映画の主人公となったカメラたち - ガンジー

ガンジーの暗殺

78歳のガンジーは、デリーで夕べの祈りをしているところを、ヒンドゥー教徒に銃で撃たれ、暗殺されます。撃たれたと悟った瞬間、ガンジーは自分の額に手を当て、ヒンドゥー教の「あなたを許す」という意味の動作をして亡くなります。
インドでは国葬が行われ、遺灰はヤムナー川とガンジス川、そして南アフリカの海に撒かれました。

インド国民に愛され、尊敬されたガンジーは、金融資産も不動産も、一切所有していませんでした。

民衆に手を振るガンジー

フォトギャラリー - ガンジー - 作品 - Yahoo!映画

映画「ガンジー」の予告動画

映画「ガンジー」の主な登場人物

ガンジー:ベン・キングズレー

イギリス人のベン・キングズレーがガンジーを演じることで、多くの反発がありましたが、父がインド人ということで解決しました。他の出演作品は「シンドラーのリスト」、「アンネ・フランク」、「ナイトミュージアム」他

ガンジーを演じるベン・キングズレー

マーガレット・バーク・ホワイト:キャンディス・バーゲン

アメリカ人女優のキャンディス・バーゲンは、スイス留学の経験もあり、フランス語も流暢に話すことができます。「ガンジー」、「パリのめぐり逢い」などの映画のほか、テレビシリーズの「TVキャスター マーフィー・ブラウン」などにも出演しています。

バーク・ホワイトを演じるキャンディス・バーゲン

映画の主人公となったカメラたち - ガンジー

イギリス人牧師アンドリュー:イアン・チャールソン

南アフリカで、ガンジーに好意的だったアンドリュー牧師を演じています。他の出演作品に「炎のランナー」、「グレイストーク-類人猿の王者-ターザンの伝説」などがあります。

アンドリュー牧師を演じるイアン・チャールソン

ガンジー 偉い人の映画 - (中二のための)映画の見方

ニューヨークタイムズの記者ウォーカー:マーティー・シーン

マーティー・シーンは「地獄の黙示録」が有名ですが、「ガンジー」でも新聞記者の役で登場しています。

ウォーカーを演じるマーティー・シーン

ガンジー|kazzpの音楽&映画

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映画「ガンジー」のスタッフ

監督:リチャード・アッテンボロー

「大脱走」や「ジュラシック・パーク」にも出演している俳優でもあり、「遠すぎた橋」、「コーラスライン」なども監督として制作しています。
20年の間「ガンジー」の構想をあたため、当時無名のベン・キングズレーを抜擢しました。ガンジーを、神格化するのではなく一人の人間として描いています。

リチャード・アッテンボロー

リチャード・アッテンボロー - Wikipedia

音楽:ラヴィ・シャンカール

インドのシタール奏者のラヴィ・シャンカール作曲のシタールが、作品を通して流れています。

ラヴィ・シャンカール

ラヴィ・シャンカル - Wikipedia

映画「ガンジー」撮影のエピソード

ガンジーが生き返った!

ガンジーを演じたベン・キングズレーは、身長もガンジーと同じで、体重も減量で同じにしました。顔かたちだけでなく、体つき、しぐさなどもそっくりにしたため、周辺の住民は「ガンジーが生き返った!」として、参拝する人が後を絶たなかったようです。

ガンジーをよく知っているはずのインド人までもが、あまりにも似ていることに驚いた、ベン・キングズレーの演技でした。

ガンジーのしぐさまでもそっくりに演じたベン・キングズレー

ガンジー ( 映画レビュー ) - 趣味風呂路具 - Yahoo!ブログ

映画「ガンジー」のギネス記録

葬儀の場面などを含めたエキストラの数は、30万人を超え、1つの映画作品でのエキストラ動員の最多記録として世界記録に認定されました。

インドに戻ったガンジーを迎えるシーン、ガンジーが民衆の前で話をするシーン、そしてガンジーの葬儀のシーンなど、世界記録もうなずけます。

ガンジーの葬儀の場面

映画「ガンジー」弁護士時代の動画

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