あの頃洋楽が熱かった~全米トップ40あの年、あの月のベスト10曲(1978年8月)

あの頃洋楽が熱かった~全米トップ40あの年、あの月のベスト10曲(1978年8月)

あの時代、テレビと共にラジオにも夢中だった。テレビでは毎日歌謡番組が放送され、知らないうちに歌が身体に沁みこんでいった頃、ラジオでは洋楽専門の番組が各局に増えていた。その中でひと際洋楽ファンを虜にした番組が「全米トップ40」だ。ここでは、70~80年代のランダムにピックアップした月のチャートのトップ10曲をまとめました。


全米トップ40 American Top40 とは?

全米トップ40と言えば、まずラジオ関東で土曜日の午後10時から3時間の生放送で放送していた時代が特に印象深いです。その後、日曜日午前0時からに時間変更したりしましたが熱狂的なファンの支持が強く研究会まで作られ、70~80年代の日本におけるポピュラーミュージック最盛期とも言える時代と共に幅広いリスナーに聞かれていました。毎回、あの年、あの月のトップ10曲を振り返ったまとめです。今回は1978年8月ある週のチャートから。

1978年8月のある週のトップ10

1978年は空前のディスコブーム、巷では「フィーバー」が流行語になりました。映画ではサタデー・ナイト・フィーバー、スター・ウォーズが公開され、日本アカデミー賞もこの年に始まりました。成田に新東京国際空港が開港したのも1978年。イギリスでは試験管ベビー、ルイーズちゃんが誕生したこの年に、アメリカのヒットチャートはどんな曲がヒットしていたのでしょうか?1978年(昭和53年)8月のある週のトップ10をまとめました。

第10位 ドナ・サマー/ラスト・ダンス

ドナ自身が「一番好きな曲」と挙げているのが、このナンバー。彼女も出ている映画「イッツ・フライデー」Thanks God It's Fridayで歌われ、見事にアカデミー賞歌曲賞、グラミー賞を受賞しました。

Donna Summer:Last Dance

カサブランカ・レコードがモータウンと組んで制作した映画の場面を。これだけで映画のクライマックスとも言える存在感。映画には、コモドアーズやダイアナ・ロスなども出ています。

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Thanks God It's Friday

第9位 アンディ・ギブ/永遠(とわ)の愛

ビー・ジーズ、ギブ兄弟の末っ子アンディ・ギブの通算5枚目のシングル。前3作が全てNo.1ヒットとなり快進撃を続けていた彼でしたが、この曲は最高位5位に終わっています。末っ子のくせに1980年、僅か30歳の若さで親よりも、兄たちよりも先に亡くなってしまいました。ビー・ジーズに加入する計画もあったのに、それは幻と消えたのが残念です。

Andy Gibb:An Everlasting Love

第8位 ウォルター・イーガン/マグネットアンドスティール

日本ではからっきし売れませんでした。アメリカでもこの1曲のみのチャートインですが、特筆すべきはフリートウッド・マックのリンジー・バッキンガムとスティーヴィー・ニックスがプロデュース、参加していることでしょう。リンジーのギターや、スティーヴィーのコーラスが聴けます。どうも、ウォルターさんは、本気でスティーヴィーにお熱だったようですよ。

Walter Egan:Magnet And Steel

スティーヴィー、ウォルター、リンジー。期待されていたんだろうけど、続きませんでした。

第7位 オリビア・ニュートン・ジョン/愛すれど悲し

R・スティグウッド制作のジョン・トラボルタ主演映画、第2作目「グリース」でのオリビアがしっとり歌い上げるナンバー。この曲もオスカーにノミネートされましたが、前出のドナ・サマーの「ラストダンス」に屈しております。しかし清純派(ブリブリっ子)オリビアの本領発揮の、切ないバラードは映画のシーンと共にグッときます。

Olivia Newton John:Hopless Devoted To You

映画の一場面からどうぞ。ビニール・プールの中にトラボルタの笑顔には、当時も現在もついこちらも違う意味で笑ってしまいます。

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第6位 パブロ・クルーズ/恋の水平線

1973年に結成されたパブロ・クルーズ、’78年のアルバム「ワールズ・アウェイ」(Worlds Away)からのシングルヒット。アルバム、シングル共、最高位6位を記録しました。当時はサーフ・ロックとも言われていましたね。日本でもカラパナ、セシリオ&カポノなどとサーファーたちの御用達バンドでした。

Pablo Cruise:Love Will Find A Way ジャケットも「海」を感じさせますね。

第5位 フォリナー/ホット・ブラッディッド

現役バンドですが、現在のオリジナル・メンバーはミック・ジョーンズのみ。Foreignerというバンド名は、英、米国人メンバー混在の編成だからという当初のコンセプトは完全崩壊して、商業ロックと揶揄されるようになってしまいました。この曲はまだそんな事になるとは思えなかった、オリジナルメンバーでのセカンドアルバム「ダブル・ヴィジョン」からの第2弾シングルです。

Foreigner:Hot Blooded

第4位 テイスト・オブ・ハニー/今夜はブギ・ウギ・ウギ

最初は男女4人組だったけど、ギターのヘイゼル、ベースのジャニスの女性二人のインパクトが強かった。単なるディスコブームにポッと即席に作られたグループではない、確かさを感じたものです。ダウンタウンブギウギバンドと笠置シズ子の「東京ブギウギ」位しか思いつかなかった「ブギウギ」ですが、更に1つ加わったって感じです。後に坂本九の「スキヤキ」をカヴァーヒットさせましたね。

A Taste Of Honey:Boogie Oogie Oogie

温故知新!ロック&ソウル Music is The Doctor

第3位 ザ・ローリング・ストーンズ/ミス・ユー

アルバム「女たち」(Some Girls)からのシングルカット。アメリカにおいて、「悲しみのアンジー」(Angie)以来5年ぶりのNo.1ヒット曲となります。

The Rolling Stones:Miss You

第2位 コモドアーズ/永遠の人へ捧げる歌

ライオネル・リッチーがメインヴォーカルにいるグループ、と言った方が日本では分かってもらえる確率が高いコモドアーズ、邦題に付けられるベスト10ワードに入るであろう“永遠”が付けられています。アルバム「ナチュラル・ハイ」(Natural High)より最初のシングルカット。勿論、最高位1位。

Commodores:Three Times A Lady

第1位 フランキー・ヴァリ/グリース

グリース強し!トップ10に2曲も同名映画のサウンド・トラックからランクインしています。他にもジョン・トラボルタとオリビア・ニュートン・ジョンとの「愛のデュエット」も大ヒットしましたね。映画「ジャージー・ボーイズ」で再注目された、ザ・フォーシーズンズのリード・ヴォーカルであるフランキー・ヴァリに歌ってもらうオファーをしたのが、作者のビー・ジーズ、バリー・ギブ。この時代はビー・ジーズ旋風真っ盛りで、彼らの曲が席巻していました。

Frankie Valli:Grease

今こそ明かす(?)―監督が語る映画『グリース』の秘密 - Bee Gees Days

ディスコ・ブームのフィーバーぶりは、本当に嵐のように沢山のアーティストに影響を与え、路線変更する人も多く見受けられました。そんな中今では当たり前になった、映画と音楽が特にリンクしまくっていた時代でもありました。

日本では・・・1978年8月の歌謡曲ベスト10

シェゲナベイベー妻でありマルチな才能の持ち主の希林さんが、歌は決して上手くないというコトが証明されました。

モンスター/ピンク・レディー:まだまだ連続1位記録更新中。タモリがパロって「サンスター」って歌を自身のアルバムに入れていました(蛇足)。

Mr.サマータイム/サーカス:姉弟従妹の4人組、フランスのM・フュガンの「愛の歴史」(’72)のカヴァー

林檎殺人事件/郷ひろみ・樹木希林:TBS水曜劇場「ムー一族」の劇中歌。前作「ムー」では「お化けのロック」がヒット。その第2弾に位置する。

銃爪/ツイスト:ポプコン出身のバンド。女子学生に絶大な人気があった。この曲から“世良公則&”を取り、ツイスト名義に。

ヤマトより愛をこめて/沢田研二:映画「さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち」のエンディングテーマ

飛んでイスタンブール/庄野真代:筒美京平サウンドがココにも。当初、野口五郎に提供する予定だった。

ジョニーの子守唄/アリス:売れない、売れたいと深夜放送で言っていたのに「冬の稲妻」からいきなりベスト10常連に。

夏のお嬢さん/榊原郁恵:50代半ばを過ぎても未だに「お嬢さん」と歌っています。唯一のランクイン曲

シンデレラ・ハネムーン/岩崎宏美:またもや筒美サウンド。王者阿久悠作詞。コロッケの代表曲でも。

かもめが翔んだ日/渡辺真知子:デビュー曲「迷い道」に続く第2弾も大ヒット。彼女の代名詞的楽曲。

あの「ザ・ベストテン」が放送開始したのが、1978年だった。

まだまだ歌謡曲は健在!と言いたいけど、このランキングを見るとニュー・ミュージックと称され分類されたアーティストが増えてきています。所謂、自分たちで作って自分たちで歌うというスタイルが歌謡界に侵食している岐路とも言える年だったのではないでしょうか。以前のようにテレビ出演をしないのではなく、むしろ積極的ともいえるアーティストが増えていきました。てなコトで、純然たる歌謡曲としてこの曲を。

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