これじゃない感が凄い!幻のハリウッド実写版タイガーマスク『LONE tiger』

これじゃない感が凄い!幻のハリウッド実写版タイガーマスク『LONE tiger』

漫画やアニメで人気を博した梶原一騎の名作『タイガーマスク』 2013年にウエンツ瑛士の主演で実写化されたが、実は90年代にハリウッドで実写化された幻の作品が存在していた。 原作版タイガーマスクとの違いや、驚きのクオリティ、幻となってしまった理由についてご紹介。


闇に葬られた、幻のタイガーマスク実写版

漫画やアニメで長期にわたって熱烈なファンを獲得した、梶原一騎原作・辻なおき作画の『タイガーマスク』。
佐山聡など実在のプロレスラーが扮することで、さらなるファンを獲得し、その人気は現在も衰えを知らない。

2013年にはウエンツ瑛士の主演により初の実写化タイガーマスクとして映画が公開され、大きな話題となった。

だが、はるか以前1990年代に『幻』と言われるタイガーマスクの実写版がアメリカ・ハリウッドで制作されていたことを知るものは少ない。

幻の実写版タイガーマスク『LONE TIGER』

監督: ウォーレン・スティーヴンス 
制作:1994年
邦題:闇のファイター ビハインド・ザ・マスク

LONE TIGER

本作品では日本人、紅血勇児の役。
鍛えられた体を武器に数多くの作品に出演している肉体派俳優である。
代表作はロボコップ3(1993年)、HERO(2002年)など。

主演はブルース・ロック(Bruce Locke)

この『LONE TIGER』は当初、タイガーマスクとして制作されていた。
なぜ、タイガーマスクではなくなったのかは後述する。

これじゃない感が凄い!『LONE TIGER』の内容

タイトルが変更されたとはいえ、タイガーマスクをモチーフにした実写版となれば、ワクワクせずにいられない。
だが、その期待は映像が進むごとに驚きとため息に変わっていく…。

ガ━━(゚Д゚;)━━ン!
実在プロレスラー『タイガーマスク』のように目や口の部分が空いた覆面タイプではなく、着ぐるみタイプのマスクを着用。
リアリティある虎のマスクをかぶった漫画・アニメ版タイガーマスクに近いとは思うがマスクが大きすぎ…。
ブルース・ロックの引き締まった体も華奢に見えてしまう。
せめてプロレスラーのような屈強な体でないと。

着ぐるみタイプのタイガーマスク

(。・w・。 ) ププッ
プロレスラーという設定のはずだがなぜかヌンチャクや棍を使う。
マスクをかぶって使うとかなり滑稽な姿に映る。
一度見たらこの動きが頭から離れない…

なぜかヌンチャクを使う

(゚ρ゚*) ボー
レスラー養成ジムが「虎の穴」という設定。
アニメみたいに驚くほど過酷な訓練はなく、体を踏まれながら指立て伏せをやったり、バイクに引っ張られるのを踏ん張ったり、凄いといえば凄いが映像的にかなり地味な内容である。

虎の穴による地味な特訓

(;´ρ`) グッタリ
プロレス技は少なく、拳法をベースとした打撃が中心。
空中殺法など皆無である。
そして『首四の字固め』であっさり決着したりする。
闇のプロレスなのに、全然ハードな攻防は見られない。

技も地味である…

人気作品の実写化は難しいとはいえ、これは…。

海外の映画批評サイトにおいても評価が低く、タイガーマスク・ファンとしてはこの悲しく切ない気持ちを誰かと共有したくて、この記事を書いてみることにした。

どんな感じなのか、もうチョット見てみたい方に『LONE TIGER』予告編の映像をご案内。

『タイガーマスク』からタイトル変更になった理由…。

『LONE TIGER』の原作は『タイガーマスク・ザ・スター』。

この『タイガーマスク・ザ・スター』は、原作者・梶原一騎の没後の1993~1994年にスポーツ新聞『東京スポーツ』に連載されていた。
原作は梶原一騎の実弟である真樹日佐夫、作画は風忍。

この作品はタイガーマスクのリメイク的な内容となっており、「孤児院で育った青年・紅血勇児(くれない・ちゅうじ)が、謎のマスクマン「タイガーマスク・ザ・スター」としてアメリカの闇プロレス組織から抜け出し、表舞台のWWF(のちのWWE)に転進、やがて日本マット界へと舞台を移していく」という内容であった。

「孤児院出身」、「実在レスラーが登場」、「闇レスラー」など共通点は多いが、掲載紙がスポーツ新聞だったこともあり内容はややアダルト向けであり、アメリカが舞台であることなども異なる。

単行本は2巻まで出て、いよいよ日本を舞台にして日本人レスラーと絡んでいくところまで進展していたが、いくら原作者の弟とはいえ、勝手にリメイクしちゃまずかった。
元の漫画『タイガーマスク』作画担当である辻なおきが「自分に無断ではじめた連載」と連載差止めを要求し訴訟にまで発展。
東京地裁により差止が認められ、未完の状態で『タイガーマスク・ザ・スター』は中止された。

この影響で、漫画と同時にハリウッドで進行していた実写化作品『タイガーマスク THE STAR』もタイトル変更を余儀なくされ、『LONE TIGER』となった。

また、コナミでは『タイガーマスク・ザ・スター』のスーパーファミコン用ゲームソフト化も進行しており、東京ゲームショウで配布されたコナミ社の製品カタログにも新製品としてタイトルやプラットフォームといった概要が発表されていたが、こちらも販売中止となった。

【漫画】タイガーマスク・ザ・スター

『タイガーマスク・ザ・スター』を実写版(LONE TIGER)は、日本ではオリジナルビデオ(VHS)として、『闇のファイター/ビハインド・ザ・マスク』のタイトルで2まで発売された。
DVD化はされていない。

闇のファイター / ビハインド・ザ・マスク1

闇のファイター / ビハインド・ザ・マスク2

差し替え前の「タイガーマスク THE STAR」パッケージも存在していた。

『タイガーマスク☆ザ・スター復讐の紋章』
きっちりと「タイガーマスク THE STAR」というタイトルと、「あのタイガーマスクが甦る」のキャッチコピーが記載されている。

変更前のパッケージ

『LONE TIGER』の教訓を生かした?2013年公開の実写版『タイガーマスク』

『LONE TIGER』での厳しい仕上がりや批評から来る教訓を生かして、2013年公開の実写版『タイガーマスク』では、着ぐるみタイプのマスクを止め、体つきをごまかせるボディースーツ着用にしたのであろうか?

タイガーマスクが実写化されることや、ウエンツ瑛士が主演を務めることから当初は話題にはなったが、「こんなのタイガーマスクじゃない!」との意見が大勢を占め、公開後1~2週間で打ち切りになってしまうほど不人気であった。

この失敗は、ウエンツにとって大きな心の傷となっており、2016年5月29日放送の『ワイドナショー』で松本人志から「タイガーマスク2はないの?」と聞かれ、「やらないよっ!」と強く言い放っていた。
もう当面は『タイガーマスク』が実写化されることはなさそうだ。

いつかまた、実写化企画が持ち上がった際には、このウエンツ版のタイガーマスクと共に、幻のタイガーマスク『LONE TIGER』も教訓にして、多くのタイガーマスク・ファンが満足できるような作品にしてもらいたい。

関連する投稿


桜庭和志  初代タイガーマスク、新日本プロレス、UWFに魅せられ、「プロレスこそ最強」のUWFインターナショナルに入団

桜庭和志 初代タイガーマスク、新日本プロレス、UWFに魅せられ、「プロレスこそ最強」のUWFインターナショナルに入団

かつてサムライの国がブラジルの柔術にガチの勝負で負けて「日本最弱」といわれた時代、舞い降りた救世主は、180cm、85kg、面白い上に恐ろしく強いプロレスラーだった。


【訃報】漫画家・原田久仁信さん死去。「プロレススーパースター列伝」など

【訃報】漫画家・原田久仁信さん死去。「プロレススーパースター列伝」など

「プロレススーパースター列伝」などの代表作がある漫画家・原田久仁信(はらだ くにちか)さんが7日、心筋梗塞のため亡くなっていたことが、2024年11月22日に刊行された『「プロレススーパースター列伝」秘録』の出版社・文藝春秋より発表されました。73歳でした。


獣神サンダーライガー  山田恵一がライガーのマスクをかぶるまで

獣神サンダーライガー 山田恵一がライガーのマスクをかぶるまで

獣神サンダーライガーの中身は山田さんは、超一途、超根アカ、超ピュア、超ポジティブなナイスガイ。


【訃報】“虎ハンター”の異名を持つプロレスラー、小林邦昭さん死去。初代タイガーマスクとの抗争で人気に

【訃報】“虎ハンター”の異名を持つプロレスラー、小林邦昭さん死去。初代タイガーマスクとの抗争で人気に

初代タイガーマスクの日本人ライバルとして人気を博したプロレスラー、小林邦昭(こばやし くにあき)さんが9日、がんのため亡くなっていたことが明らかとなりました。68歳でした。


桂正和の代表作「ウイングマン」実写ドラマ化!主演・藤岡真威人、ヒロイン・加藤小夏に決定!!

桂正和の代表作「ウイングマン」実写ドラマ化!主演・藤岡真威人、ヒロイン・加藤小夏に決定!!

合同会社DMM.comが運営するDMMの総合動画配信サービス「DMM TV」にて、ドラマチューズ!「ウイングマン」の配信が決定しました。10月22日より、毎週火曜深夜24時30分〜の放送を予定。


最新の投稿


昭和100年を祝う夜!グランドプリンスホテル広島でTEPPANの歌謡ライブ&打ち上げ花火が開催決定

昭和100年を祝う夜!グランドプリンスホテル広島でTEPPANの歌謡ライブ&打ち上げ花火が開催決定

2026年5月5日、グランドプリンスホテル広島にて「昭和100年」を記念したスペシャルイベントが開催される。広島発の4人組ボーカルグループ「TEPPAN」による昭和歌謡ライブに加え、夜空を彩る打ち上げ花火も予定。ライブ観覧は無料。さらにホテル上層階のレストランではCD付きの特別ディナープランも登場する。


樋屋奇応丸の倉庫から幻の音源発見!デューク・エイセスが歌う昭和のCMソングが高音質で蘇る

樋屋奇応丸の倉庫から幻の音源発見!デューク・エイセスが歌う昭和のCMソングが高音質で蘇る

「ひや・きおーがん」のフレーズで親しまれる樋屋製薬の社内倉庫から、長らく歌唱者不明だった過去のCMソング音源が発見された。調査の結果、昭和を代表するコーラスグループ「デューク・エイセス」による歌唱と判明。当時のクリアな歌声を再現した「高音質版」が公開され、昭和歌謡ファンを中心に大きな話題を呼んでいる。


福岡の食のテーマパーク「直方がんだ びっくり市」が50周年!大盛況で幕を閉じた「半世紀祭」をレポ

福岡の食のテーマパーク「直方がんだ びっくり市」が50周年!大盛況で幕を閉じた「半世紀祭」をレポ

1976年の創業から50周年を迎えた福岡県直方市の「直方がんだ びっくり市」にて、2026年4月17日から19日までアニバーサリーイベント「半世紀祭」が開催された。銘柄牛が50%OFFになる「肉袋」や名物セールの復活、地元ヒーローの参戦など、半世紀の感謝を込めた熱気あふれる3日間の模様を振り返る。


『メタルスラッグ』シリーズ30周年記念プロジェクト始動!新作開発や特設サイト、記念映像が一挙公開

『メタルスラッグ』シリーズ30周年記念プロジェクト始動!新作開発や特設サイト、記念映像が一挙公開

アクションゲームの金字塔『メタルスラッグ』が2026年4月19日に誕生30周年を迎えた。株式会社SNKはこれを記念し、シリーズの再燃・リブートを掲げた記念プロジェクトを始動。新作ゲームの開発を含む多彩な企画の推進や、歴史を振り返る記念映像の公開、特設サイトの開設など、世界中のファンへ向けた展開が始まる。


山下達郎ソロ・デビュー50周年記念!JOURNAL STANDARDとコラボした限定Tシャツが発売

山下達郎ソロ・デビュー50周年記念!JOURNAL STANDARDとコラボした限定Tシャツが発売

ソロ・デビュー50周年を迎えた音楽界のレジェンド・山下達郎とJOURNAL STANDARDが特別なコラボレーションを実現。1stアルバム『CIRCUS TOWN』収録の名曲「WINDY LADY」をテーマにしたTEEがリリースされる。音楽史に刻まれた名盤の空気感を纏える、ファン垂涎の記念アイテムが登場だ。