【史上最強の男】マイク・タイソン 頂点から転落、神話崩壊、そして伝説となる

【史上最強の男】マイク・タイソン 頂点から転落、神話崩壊、そして伝説となる

師:カス・ダマトは亡くなり、唯一タイソンを叱ることのできた兄弟子でありトレーナーだったケビン・ルーニーも、タイソンの生む利益にのみ関心のある者たちによって引き離され、全盛期といわれる1988年以降、マイク・タイソンの神話は崩壊していった。


vs EvanderHolyfield(イベンダー・ホリフィールド) 11RKO負け、再び無冠となる

イベンダー・ホリフィールドは
タイソンが出ることができなかったロサンゼルスオリンピックのライトヘビー級銅メダリスト
強打・大柄な相手にも真っ向勝負を挑み
決して諦めない姿勢から「TheRealDeal(リアルディール)」と呼ばれる
タイソンが東京でジェームス“バスター”ダグラスに敗れ
数ヶ月後、ホリフィールドがダグラスをマットに沈めた
その後、タイソンは階段を着実にのぼった
そして1991年11月8日にホリフィールドに挑むチャンスを掴んだ
誰もがタイソンとホリフィールドの対決をみたいと思った
しかしタイソンのケガで試合は延期となり
そしてその後、レイプ事件でタイソンは刑務所に収監された
あれから6年余りが経過し
ついにタイソンとホリフィールドが戦う時がやってきた
6年前と違うことといえばホリフィールドはスキンヘッド、タイソンは刺青をしていることだった
初対決となる2人
戦前の予想はタイソン有利
1R
ホリフィールドはタイソンを恐れずに打ち合った
ホリフィールドの勇気はやはり本物だった
両者のプライドは予想をはるかに上回るものだった
その闘いは濃密で観るものを興奮させた
結局、試合は大方の予想を覆し
ホリフィールドが長身を利用してタイソンの強力パンチを封じ込めTKO勝ちした
タイソンは前回、東京で負けた時以上に壮絶なKO負けで生涯2度目の敗北を喫した
タイソンがまともに負けた初めての試合といってもいいだろう

vs EvanderHolyfield(イベンダー・ホリフィールド) 3R失格負け 耳をかみちぎる 

世界中が注目した世紀のリターンマッチは
3R終了時
マイク・タイソンがイベンダー・ホリフィールドの右耳をかみちぎるというボクシング史上初の反則で3R終了失格負けした
裁定に逆上したタイソンはホリフィールド陣営に殴りかかった
ラスベガスの試合会場は大騒動となった
試合2日後
タイソンは当地のホテルで会見し
関係者に謝罪し
永久追放処分の猶予を嘆願した
『どうして耳を噛んだのですか?』
「ホリフィールドとは2度目の対戦だった
俺は何より頭にきてた奴をメチャクチャにしてやりたいと思った
それでキレちまったんだ」
『何に怒ってたんですか?』
「俺の人生のこと
(ホリフィールドとの)最初の対戦のこと
俺を悪く言った奴等のこと
そういうことを考えたら腹が立って仕方がなかった
例えば最初の対戦の時、
ホリフィールドは最初の2R、
わざとバッティングをしてきた
こっちが気を失いかけたほどだったんだぜ?
それを2度目も同じようにやられたんだ
またかと思ってプツンときちまった
ジョージ・フォアマンはホリフィールドはこれまでみたなかで一番ダーティーなファイターだって言ってたんだぜ
最初の対戦のときなんてあのおかげですっかり感覚が麻痺しちまって
パンチを貰ってるのもわからなくなってたほどだった
ああ、あのバッティングはわざとだったよ
絶対にな」
『つまり復讐するために噛み付いたってことですか?』
「殺してやりたかったんだよ
噛み付いてやりたかった
頭にきまくってたのさ」
『試合後はどう思いましたか?』
「どうしようもなくなっちまった
あんなことをやっちまった自分が腹立たしかったよ
それ以前は怒りを感じながら試合に臨んだことなんてなかった
一度もな
そうはみえなかったかもしれないが
あの試合まで俺は絶対に怒りを引きずったままリングに立ったことなんてなかったんだだから、
あんな事をやった自分が恥ずかしかった
ショックだったし怖かった
あんな事になるなら(普通に戦って)負けたほうが良かったさ」 
『2度のホリフィールド戦はあなたの経歴にどんな影響を与えたんでしょう』
「あんまりいい影響じゃないよな
俺には敵が多すぎる
そういう奴等が全てをコントロールしてるんだからな
奴等は俺の評判をできるだけ下げようとしてるのさ
クソッタレどものことなんてもうどうでもいい
俺は名誉の殿堂入りするチャンスを自分でダメにしちまった
そういう男になることをあれだけ夢みてたっていうのにな
だからもうどうでもいいんだ
評論家どもはホリフィールド戦のことを持ち出して俺を否定するだろう
でもアリだって負けたことはあるんだぜ?
もう本当にどうでもいいよ
俺の人生なんて、もう終わりさ
あとはただ生きていくだけだよ」
『終わり?』
「もちろんカネは稼げるだろうさ
タイトルだって獲れるかもしれない
だが俺の社会的地位ってやつは? 
ゼロさ」

場外乱闘

1998年、
アメリカのプロレス団体WWEのRAWの会場に現れストーン・コールド・スティーブ・オースティンと舌戦を繰り広げた
そしてWrestleManiaで
ショーン・マイケルズ対ストーン・コールド・スティーブ・オースティン戦のスペシャルレフェリーを務めた
同年8月8月
暴行容疑で逮捕された

vs FrancoisBotha(フランソワ-ズ・ボタ)

フランソワ・ボタは
187cm116kg
ニックネームはThe White Buffaro(ザ・ホワイト・バッファロー)
終了間際にボタとタイソンが乱闘になり
リング上は両軍のセコンドが入り乱れての大混乱となった
5Rタイソンがボタを捕まえ右一発でKOした
この一発でボタは首の骨がズレるほどの重症を負い担架で運ばれた

vs Julius Francis(ジュリアス・フランシス)

2000年1月29日、
ジュリアス・フランシスに2RTKO勝ち

vs LouSavarese(ルー・サリバーゼ)

ルー・サリバーゼに1RTKO勝ち

vs AndrewGolota(アンドリュー・ゴロタ)  2RTKO勝ちするも 試合後、マリファナの陽性反応が出たため ノーコンテスト

マイク・タイソンは
再び王座を取り戻すべく世界ランカー相手の戦いを続けていく
ゴロタは
ポーランドの「鉄の男」
193cm108kg
世界ランク9位
1R、
タイソンは強烈な右フックでダウンを奪った
ゴロタはダウンからの立ち直り頑張ったが
2Rのインターバル中にセコンドと激しく言い争い
3R開始のゴングに応じず試合が終了した
「タイソンを恐れたわけではない
ダウンしたパンチを受ける直前に左眼にバッティングを受け
激しい痛みと視界のぼやけに襲われた
レフリーがタイソンに何も注意しなかったので混乱し
その直後のパンチだったのでガードもしっかりしていなかった
ダウンは効いたというよりはバランスを崩したものだ
だからすぐに立ち上がることができた
ラウンド間に目と頭痛はさらに激しくなったが、
試合続行を決意した
しかし2Rに再びバッティングを受け混乱し危機を迎えた
何がどうなったのか自分でもわからなかった
本能と15年のキャリアで凌いだ
7週間最も厳しいトレーニングを行なった
私は棄権野郎ではない!
金のために逃げる道を探したのではない
もう一つ
タイソン戦ではクリーンファイターにならなければという強いプレッシャーがあった
だからヘッドバットに対してもルールを守った
私は野蛮でないボクシングを望んでいた
多分、多分だが、以前の悪の私だったらタイソンに勝っていただろう」
(ゴロタ)
当初はタイソンの2RTKO勝ちとなったが
試合終了直後に行われたドーピングテスト(尿検査)で
タイソンにマリファナの陽性反応が出たため
ノーコンテストに改められた
またゴロタはタイソンの右を浴びて眼窩底骨折の重傷を負い
精密検査で脳内出血の痕跡も発見されたことから、
2R終了後のインターバル中、セコンドと激しく言い争った挙句試合を放棄したことについて
「試合の継続を強要しようとしたセコンドの判断ミス
あのまま続けていたらゴロタは無事な姿でリングを降りることができなかったかも」
と非難の嵐から一転、擁護される立場に変わった

Lennox Lewis(レノックス・ルイス)と乱闘

2002年1月、
WBC、IBF世界ヘビー級王者:レノックス・ルイスに
同級元統一王者マイク・タイソンが挑戦することが発表された
記者会見の場所はニューヨーク市内のホテル
全身黒ずくめのいでたちで壇上に現れたタイソンが先に入場
後に登場したルイスに突然詰め寄り
それがきっかけとなり両陣営20人強入り乱れての大乱闘に発展し会見は中止となった
会見場は一瞬にして修羅場となった
立会人だったWBC会長のスライマンまでその乱闘に巻き込まれて失神
病院送りになってしまった
仕掛けたのはタイソン
壇上に上がってきたルイスに急接近
ルイスのボディーガードがそれに即反応
タイソンとルイスの間に割って入るかたちでタイソンを押し戻そうとした
それにタイソンがキレて20人ほどの大乱闘が勃発
タイソンのフックは空を切り
ルイスの右がタイソンの額をかすめタイソンは流血した
タイソンは乱闘のドサクサでルイスの脚に噛みつき歯形を残した
騒動が終わった後、額に傷を負ったタイソンは呆然としていた
「オマエは何しに来たんだ!」
そんなタイソンに観客から野次が飛んだ
タイソンは再びキレた
「何しに来ただと?
オレはただ偉大な王者ルイスに挨拶したかっただけだ!」
タイソンは放送禁止用語で激しく罵った
乱闘後、
タイソン側はルイスに接近したのは殴るためではなく
「言われた通りにやった」
と演出だったことを主張
事前に言われた通り壇上でルイスと顔をつきあさせてポーズをとる為に接近したところ
過剰反応したルイスのボディーガードがタイソンを突いたことにタイソンは腹を立てたという
1月29日、
ネバダ州アスレティック・コミッションの公聴会が開かれた
ネバダ州のコミッションはイベンダー・ホーリフィールドとの試合中タイソンが相手の耳の一部を食いちぎった件で
実質1年間の無期限出場停止処分をタイソンに下したことがある
今回も5人のコミッショナーによって審議され
聴聞会が開かれタイソン本人も召集された
タイソンの精神鑑定も必要との声もあがった

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