「緋の稜線(ひのりょうせん)」昭和激動時代を生き抜いた女性の物語

「緋の稜線(ひのりょうせん)」昭和激動時代を生き抜いた女性の物語

1998年にTVドラマ化された「緋の稜線」は昭和元年に生まれた瞳子(とうこ)とその家族たちの激動の物語です。戦前・戦中・戦後に生きた女性たちの強さと弱さが余すところなく描かれています。登場人物たちのセリフには、読み手が「ハッ」とさせられる深い言葉がたくさん出てきます。人生の半ばを迎えたミドルエッジにぜひ読んでほしい作品なので、ご紹介したいと思います。


瞳子の心の奥底にずっとあった愛人の子である望恵への溝を埋められないまま、望恵は交通事故で生死を彷徨うことになります。その時になってやっと芙美香(ふみか)との心の中での決着を付け心の底から望恵の母親でありたいと願う瞳子の祈りが通じたのか、望恵は奇跡的に一命を取りとめました。そしてその後、15年間行方不明だった昇吾の乗った飛行機が森林で見つかるのでした。

それから数年後、各務家の人々が集まるその日に昭和という時代が終わります。健吾、昇平、望恵にもそれぞれ子供が生まれていて、瞳子は空港に望恵を迎えに行く車窓を眺めながら、昭和の終わりを実感していくというラストでした。

「緋の稜線(ひのりょうせん)」最大の魅力

「緋の稜線(ひのりょうせん)」最大の魅力は、登場人物ひとりひとりの苦悩とその乗り越える心の過程が、時間の経過とともに詳しく描かれていることだと思います。

あまりにも登場人物が多いので、一人一人については詳しく書きませんが、たとえば主人公の瞳子は夫の愛人である芙美香の赤ちゃんを、自分が妊婦のフリをしてまで自分の子であるように見せかけて育てます。深い愛情を持って育てていきますが、けれど年を重ねるごとに芙美香に似てくる望恵をだんだん直視できなくなってきます。

そもそも芙美香が瞳子に似ていたので、周りから見れば自分にそっくりなのですが瞳子の心の中では違っていました。そしてその自分の心の闇に望恵を失いそうになって初めてきちんと向き合い、女として母として芙美香に負けていたと悟った上で望恵を自分の子供と出来たことに「これ以上のものはない」と涙するシーンがあるのですが、同じ女性として母としてすごく考えさせられる場面でした。

血のつながりより大切なもの

「緋の稜線(ひのりょうせん)」では血が繋がっていない子供たちが多数登場します。瞳子のところでは長男の健吾は父の昇吾と血のつながりはありませんが、誰よりも昇吾に似ていると言われます。

二男の昇平は唯一瞳子と昇吾の子供ですが、あまりに2人に似ていないので幼少時代は自分が貰われっ子だと疑っていました。成人してから父の昇吾に似てきます。

望恵は瞳子と血の繋がりはありませんが、実母の芙美香が瞳子の若い頃にそっくりだったので周囲から見れば見た目もそっくりと言われますが、一番似ているのは瞳子の人を惹きつけるところだと菱屋百貨店で言われています。

また瞳子の姉の寿々子は戦争孤児を引き取って養子にしているのですが、全く血の繋がりのない市子(いちこ)は誰よりも寿々子に似ていて、同じ新聞社に勤め、後に小説家になっています。

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