「砂の城」?「有閑倶楽部」?一条ゆかりマンガで特に印象に残っているのは?・・・『デザイナー』

「砂の城」?「有閑倶楽部」?一条ゆかりマンガで特に印象に残っているのは?・・・『デザイナー』

「りぼん」という少女漫画誌に異色の彩を放つ存在で、少女というより大人の物語です。正直一度読めばもうそれきりのマンガがゴマンとある中、『デザイナー』はなぜかまた読みたくなってしまう。あんな悲惨な結末なのになぜ!?その不思議な魅力を検証していきたいと思います。


『デザイナー』

一条ゆかりマンガは子供のころは、正直ちょっと苦手だったかも。白目が妙に怖くて・・・(笑)
ショッキングなインパクトを感じ、それでも絵柄の美しさなどに魅了され、苦手だけど気になる存在でした。
でも「デザイナー」は白目がないので安心して読めたかな!?
とはいえ大矢ちき作画の「柾」(まさき)の目にぞっとしたものを感じたのは亜美だけではないんですね~。かくいう筆者もですw

大人になってこれはなんてすごいマンガだろう!読むたび違う感情が溢れかえるのです。
子供のころはたぶん絵柄の美しさから入り、ストーリーは後からついてきているのです。

そんな少女漫画誌のドロドロサスペンス「デザイナー」の魅力を筆者の独断と偏見で紹介していきます! 〈ネタバレ有り〉

『デザイナー』あらすじ

苗字・年齢・出生すべて謎に包まれ、誰にも心を開かず独自の雰囲気を持つトップモデルの亜美。
ある日、育ての親の墓参りの時に偶然当時のメイドと会い、自分の生みの親がファッション界のトップデザイナーで、仕事を共にしている鳳麗香だと知ってしまう。

デザイナー

そのショックで車の運転中に事故にあい、トップモデルとしての道を閉ざされた亜美は、結城コンツェルンの若きオーナー結城朱鷺(とき)に出会い、鳳麗香への復讐をそそのかされる。

  
わけもわからぬまま朱鷺に身を委ねるが、目的は一つ、あくまでも自分を捨てた鳳麗香をデザイナーのトップの座から引きずり下ろすためと決意。

彼女以上のデザイナーを目指して朱鷺が集めたその道の専門家たちに師事し、わずか一か月で朱鷺やその秘書柾(まさき)らの力で華々しくデザイナーとしてデビューする。

デザイナーとして出発した亜美は、ファッション雑誌の青石氏に心の安らぎを求め、はじめて人を愛するようになる。

カメラマンでプレイボーイの土屋明は亜美に特別な想いを寄せていた。青石氏を愛する亜美に、明は強引にも亜美を自分にひきつけようとするが、あっさりと躱されてしまう。

亜美の唯一の友人のアリサは明を愛していた。
明は傷心のままアリサの気持ちを受け入れる。しかしやがてそれは別の愛として成り立つ。

亜美は青石氏に自分の気持ちを告白するが、鳳麗香が母親だと知ると、青石氏はかつて麗香と結婚していたことがあり、自分が父親だと名乗り、亜美のもとを去って行く。

傷心の亜美は辛い現実からただ逃れたいがため睡眠薬を多量に取るが、窒死に至らず朱鷺の介抱で命を取りとめる。

そんな中でもデザイナーとして鳳麗香とのし烈な争いは行われ、亜美も朱鷺のサポートの中でどんどん腕を上げていく。

一方、亜美のデザイナーとしての快進撃に鳳麗香も日々不安にさい悩まされる。亜美と朱鷺、お互いの育ってきた環境の共通点からか次第に惹かれあうようになる。

亜美の中で日々朱鷺の存在が大きくなっていく。

そんな二人の様子に気づいた秘書の柾は、朱鷺に警告をする。
しかし朱鷺は聞き入れない。

そんなおり亜美と朱鷺
仕事を忘れ
ただの男と女として
たった2日間だけのアバンチュール

「あなたにそんな顔ができるとは思わなかった。

まるで少女の顔だ。」







<そういう朱鷺だって
まるで少年の笑顔だ💛>

鳳麗香との対決ファッションショーも両者とも大成功に終わる。

だが、麗香は自分の限界を感じ、もう一度勉強をするためにパリへ向かう。
亜美もデザイナーとしていくつかの経験から鳳麗香をデザイナーとして認める。
パリへ向かう空港のロビーで麗香にひと言。

「あなたは一流のデザイナーだわ。」

二人は結婚を誓い合っていた。

ショーの成功、愛する人との結婚と、亜美もようやく幸せになれるかと思っていたその時ー

幸せの絶頂の亜美にある記者から二人の事実を告げられる・・・!

朱鷺は有能な経営者になるべく、感情を廃除されて育てられてきた。亜美に近づいたのも初めはゲーム感覚のはずだった。亜美に近づいた理由はもうひとつ。亜美と同様、鳳麗香への復讐・・・!亜美と朱鷺はともに鳳麗香の子で、双子であるという事実だったのだ!

この秘密を記者にタレこんだのは朱鷺を愛している柾だった。

嵐の夜、
亜美は今度こそ言いようのない絶望感の中
自ら作ったウェディングドレスに身を包み、はさみを握りしめ・・・

朱鷺が亜美のもとに駆け付けたときはすでにそのはさみは亜美の胸をを貫いていた・・・!

ファンの声

登場人物

トップモデルからデザイナーへ転身
母親への復讐を誓う美貌の少女

亜美(あみ)

亜美をバックアップする18歳の大財閥のオーナー
過去は謎に包まれている

結城朱鷺(ゆうきとき)

Iriza

ファッションデザイン界の女王
実は亜美の母親

鳳麗香(おおとりれいか)

Iriza

プレイボーイのカメラマン
亜美に想いを寄せている

土屋明(つちやあきら)

Iriza

ファッション誌「イフ」の編集長
実は亜美の父親

青石氏(あおいしし)

Iriza

亜美のモデル仲間で唯一の親友
明に想いを寄せている

葉山アリサ(はやまありさ)

Iriza

朱鷺の秘書
朱鷺を愛している

柾(まさき)

Iriza

亜美の成長

とにかく勝気でプライドが高く、自分が常にトップでないと気が済まない女王様。

亜美は車好きのスピード狂
その腕前もレーサーなみなのだが・・・

「私のそばにいたければ」




大した自信・・・

そうはいっても亜美の幼少時代はとにかく凄まじいものでした。
麗香に捨てられ、育ての親たちは交通事故で亡くなった後はほとんどひとりで生きてきたといいます。
万引き、かっぱらい、凍死しかかったり・・・そんな彼女がどこでどうやってモデルの世界に飛び込んだのかは不明ですが、このような悲惨な経験が否定的な性格になりざるを得なかったのでは・・・。

そんな彼女にも人に感謝する気持ちは依然としてあったと、育ての親への墓参りから覗えます。

モデル時代は人を思いやるなんてまずなかったと思います。

デザイナーになってからはいつのまにかスタッフにも気遣う亜美がいます。読んでいて微妙に人間的に成長していく亜美を感じる。その過程がまたいいね~。

皮肉にも朱鷺と出会い、恋愛することにより人としての感情、本来の自分が見えてきたのでしょうか。

ドラマの『デザイナー』では鳳麗香役だった国生さゆりさんが、こちらのシーンがお気に入りだと某TV局の番組で紹介していました。

鳳麗香の名セリフ

「私は女である前にデザイナーですわ」

煮詰まった麗香は、街角でかつての夫青石氏と偶然会い、
このとき、青石氏から亜美が自分たちとのあいだにできた子供だと告げられてしまいます。

あえて
「私は女である前にデザイナーですわ」
と言い切っています。

実の母娘どうしで醜い争いをしていることを知ってあえてそう言ったのです。

サッチャーではないが、ある意味彼女も鉄の女に等しいかも。
見事な捨て台詞!

そうはいってもこのシーンから彼女がこんな態度に出たのも何となくわかるような気がするのは筆者だけでしょうか。

ほんの一瞬だけど麗香の母親としての表情がよぎったのではないかと。

もう笑うしかない、取りつくろうのに精いっぱいの、こうするしかない哀しさが・・・

青石氏はそんな麗香の気持ちなどわかる筈もなく・・・

実にうまい構成の心理描写だと思います。

幻の「トヨタ2000GT」

「デザイナー」をカッコよく引き立ててくれるアイテム。それはクルマでしょう。

クルマの描写もタッチがスゴイなと思うのだけれど、これは一条先生ご本人が!?

モデル時代、亜美が乗り回していた愛車といえば、マニアが泣いて喜ぶトヨタ2000GT!
現在このクルマは希少性から超プレミアムマシンなのは周知のとおり!

亜美ならどんな手を使っても手に入れそう(笑)

まぁ、クルマ専門誌ではないので詳しいことは申しませんが、これだけクルマの描写をちゃんと書いてくれるのは一条先生ご本人のタッチなのでしょうか!?

亜美の愛車 トヨタ2000GT

Iriza

こんなクラッシックカーも・・・

Iriza

こんなオーディオ機器も・・・

Iriza

ドラマ・『デザイナー』

関連する投稿


『りぼん』おとめチックの金字塔!陸奥A子・田渕由美子・太刀掛秀子の画業を辿る決定版書籍が発売

『りぼん』おとめチックの金字塔!陸奥A子・田渕由美子・太刀掛秀子の画業を辿る決定版書籍が発売

1970年代後半に『りぼん』で巻き起こった「おとめチック」ブーム。その中心的存在である陸奥A子、田渕由美子、太刀掛秀子の3作家を特集した決定版書籍が2026年1月23日に発売されます。カラーイラスト250点以上に加え、池野恋、水沢めぐみの特別寄稿や豪華対談も収録。乙女たちの憧れが詰まったファン待望の一冊です。


【話かわるけどさあ】岡田あ~みん『ルナティック雑技団』を振り返らないか?

【話かわるけどさあ】岡田あ~みん『ルナティック雑技団』を振り返らないか?

80~90年代の「りぼん」読者に強烈なインパクトを残したオンリーワンの変態マンガ家、岡田あ~みん。今回は彼女が送り出した三作目の連載マンガ『ルナティック雑技団』を振り返っていきましょう。いけいけ天湖森夜、ドンマイドンマイ天湖森夜!


蘇るFM STATION感!鈴木英人のラベル・ウイスキー発売!夏らしいデザインに!!

蘇るFM STATION感!鈴木英人のラベル・ウイスキー発売!夏らしいデザインに!!

「鈴木英人「SANTA MONICA」ラベル・ウイスキー/シークレットアイラ2017」の抽選申し込み受付が開始されています。期間は2023年8月13日(日)23:59まで。


『∀ガンダム』や『スター・トレック』で知られる工業デザインの巨匠シド・ミード氏!精細複製画した「クロノアート」シリーズ40アイテムが販売中!!

『∀ガンダム』や『スター・トレック』で知られる工業デザインの巨匠シド・ミード氏!精細複製画した「クロノアート」シリーズ40アイテムが販売中!!

アニメ『∀ガンダム』や、映画『スター・トレック』『トロン』『ブレードランナー』などで知られる工業デザイナーの巨匠シド・ミード氏。高精細複製画した「クロノアート」シリーズ40アイテムが、イープラスショップ内「シド・ミード展ショップ」にてキャンペーン販売中です。


坂本冬美、中森明菜ゆかりの衣装も展示!甲賀真理子氏のデザイナー歴50周年を記念した企画展「Mariko Kohga展」開催!!

坂本冬美、中森明菜ゆかりの衣装も展示!甲賀真理子氏のデザイナー歴50周年を記念した企画展「Mariko Kohga展」開催!!

甲賀真理子氏のデザイナー歴50周年を記念し、そのセンスとデザインを体感する企画展「Mariko Kohga展」が開催中です。1980年代後半から2000年代のブランドカタログをはじめ、コレクションドレスにコスチュームジュエリーをスタイリングした特別仕様で展示されています。


最新の投稿


『頭文字D』の世界が千葉に!名車モチーフの雑貨が揃うポップアップストアが期間限定オープン

『頭文字D』の世界が千葉に!名車モチーフの雑貨が揃うポップアップストアが期間限定オープン

人気漫画『頭文字D』のポップアップストアが、グランサックス イオンモール千葉ニュータウン店に登場。伝説のハチロク(AE86)を再現したウェットティッシュケースや、RX-7型の無線マウス、366日分のバースデーキーチェーンなど、ファン垂涎の公式ライセンスグッズが勢ぞろい。日常を彩る名車アイテムの魅力を紹介します。


昭和の大横綱「千代の富士」の肉体がスーツから甦る。NY発OVERCOATが挑む究極のパターンメイキング

昭和の大横綱「千代の富士」の肉体がスーツから甦る。NY発OVERCOATが挑む究極のパターンメイキング

ニューヨーク発のブランド「OVERCOAT」が、昭和の名横綱・千代の富士との異色のコラボレーションを発表。生前愛用したテーラードスーツから身体寸法を逆算し、伝説の肉体をパターン(型紙)として再現。特別展示や限定アイテムの販売を行うポップアップイベントを、2026年3月より東京・ニューヨークで順次開催します。


伝説の「プロレスリング・マスター」武藤敬司、その足跡を網羅。『Gスピリッツ選集』第3巻が待望の発売!

伝説の「プロレスリング・マスター」武藤敬司、その足跡を網羅。『Gスピリッツ選集』第3巻が待望の発売!

辰巳出版は2026年3月6日、プロレス専門誌『Gスピリッツ』の証言集第3弾『Gスピリッツ選集 第三巻 武藤敬司篇』を発売しました。平成の新日本プロレス黄金期を支え、日米を股にかけて活躍した武藤敬司のキャリアを、本人や関係者の貴重なインタビューで振り返る一冊。新録インタビューも追加された、全プロレスファン必携の保存版アンソロジーです。


没後30年、俳優・渥美清の軌跡を辿る。神保町シアターで「寅さん」から知られざる名作まで12本を特集上映

没後30年、俳優・渥美清の軌跡を辿る。神保町シアターで「寅さん」から知られざる名作まで12本を特集上映

東京・神保町の名画座「神保町シアター」にて、2026年3月14日より特集上映『没後30年 俳優・渥美清』が開催されます。国民的映画『男はつらいよ』シリーズの人気作をはじめ、主演を務めた貴重なラブコメディや社会派人間ドラマなど、全12作品をフィルムで上映。日本映画界に多大な足跡を残した稀代の名優、渥美清の多才な魅力を再発見する貴重な機会です。


『ドラゴンボール』亀仙人の「カメハウス」が超精巧フィギュア化!内装まで再現した豪華セットが登場

『ドラゴンボール』亀仙人の「カメハウス」が超精巧フィギュア化!内装まで再現した豪華セットが登場

バンダイスピリッツより、ドラゴンボールの聖地「カメハウス」を立体化した『ワールドコレクタブルフィギュア PREMIUM-カメハウスセット-』が登場。全高約22cmのハウス本体は室内まで作り込まれ、悟空や亀仙人など7体のフィギュアが付属。日常シーンから名場面まで自由に再現可能なファン垂涎のアイテムです。