大器の片鱗
エアグルーヴのデビュー戦は2着だったが、そこから順調に勝ち進み、特に2勝目をあげたいちょうステークスはもしかしたら、これがエアグルーヴの一番強いレースでは?と思えるぐらい、絶望的な位置からの差し切り勝ちだった。この勝利でさらに評価を上げたエアグルーヴだったが、暮れの2歳女王決定戦では、ビワハイジに敗れ2着と女王の座を逃してしまう。
3歳の女王へ
エアグルーヴは年明け初戦を桜花賞のトライアル、チューリップ賞とし、このレースで
今度はビワハイジに5馬身差をつけて勝利。桜花賞の大本命に推されるが、熱発で桜花賞を回避、仕切り直しのオークスでは桜花賞馬ファイトガリバーを退け、勝利。母ダイナカールとともに母娘2代のオークス制覇を成し遂げたのであった。
挫折と復活
秋になり、エアグルーヴは秋華賞にぶっつけ本番で挑む、圧倒的一番人気に支持されるも10着と惨敗。敗因はパドックでのフラッシュ撮影攻撃だという噂も立つが、骨折をしていたことが判明。休養に入ることになる。
復帰は翌年の夏になり、牝馬限定のマーメイドステークス、牡馬を交えての札幌記念を連勝する。そして、牝馬同士の戦いではなく、牡馬を相手とする天皇賞秋に挑むこととなる。
牡馬を交えたチャンピオンへ
天皇賞秋でエアグルーヴはバブルガムフェローに続く2番人気に支持される
メンバー的にも強敵は昨年の覇者のバブルガムフェローのみ
エアグルーヴは最後の直線でバブルガムフェローに馬体を併せ
見事に競り落とし、牝馬にして17年ぶりの天皇賞制覇を成し遂げたのであった。
年度代表馬に選出
エアグルーヴは続くジャパンカップも世界の強豪相手に2着、有馬記念も3着とし
秋のG1レースを牡馬と互角以上にわたりあった。この実績が認められ、年度代表馬に
選出される。牝馬の選出はトウメイ以来、26年ぶりの受賞となった。
牡馬との戦いは続く
翌1998年も現役続行のエアグルーヴは、産経大阪杯を順調に勝ち上がる。
しかし、続く鳴尾記念は格下のサンライズフラッグの2着に敗れてしまい、宝塚記念も3着、
春シーズンはサイレンススズカの登場もあってか、少し影を潜めた形となってしまった。
引退へ
エアグルーヴは連覇をかけた札幌記念は勝利するものの、牝馬同士のエリザベス女王杯では3着、ジャパンカップではエルコンドルパサーの2着、引退レースの有馬記念は落鉄の影響もあり5着、結果、この年はG1レースを勝つことができず、前年に比べるとやや物足りない印象であった。
伝説の第二幕
現役を引退したエアグルーヴは繁殖牝馬となり、ここから彼女の本当の意味での凄さを知ることになる。初年度産駒のアドマイヤグルーヴがエリザベス女王杯連覇を果たすと、ルーラーシップは香港でのG1制覇、フォゲッタブルは菊花賞2着、その他にもグルヴェイグが重賞勝ち、成績以外にも、4.9億円馬、ザサンデーフサイチ。エリザベス女王杯で落馬をしたポルトフィーノなど、産駒はかがやかしい成績と話題をおさめている。ウオッカやダイワスカーレットに目立った産駒がまだいないことを考えると、改めてエアグルーヴの偉大さを感じる。
初産駒でG1を制したアドマイヤグルーヴ
2004年優勝馬 アドマイヤグルーヴ : 【秋のG1レース予想】エリザベス女王杯(京都 外芝2200m)を勝つ馬は?【データ・コース分析】 - NAVER まとめ
海外のG1制覇以外にも秋のG1をすべて3着という珍記録を持つ、ルーラーシップ
エアグルーヴ - Google 検索
この馬もエアグルーヴの血を引いている
2015年の二冠馬ドゥラメンテの母はアドマイヤグルーヴ、その母はエアグルーヴなので、エアグルーヴ産駒は孫世代にも一流馬を出している。
ルックス
エアグルーヴはとにかくルックスが良い馬だ。ジャパンカップでピルサドスキーが
エアグルーヴを見て馬っ気を出していたのは有名な話である。強く美しい、母としても
優秀、エアグルーヴが歴史的名牝という評価はこの先も揺るがないことは間違いないだろう。