【追悼】ピーコさんの思い出:ファッション評論家としての軌跡と名言

【追悼】ピーコさんの思い出:ファッション評論家としての軌跡と名言

2024年9月、この世を去った「おすぎとピーコ」の兄であり、ファッション評論家としても知られるピーコさん(本名:杉浦克昭)。双子のオカマタレントとしてブレイクしたその軌跡。彼が遺した名言や、人々の心に深く刻まれた言葉を、ピーコさんの思い出とともに振り返る。


同性愛者として生まれ、オカマタレントへ

ピーコ(本名:杉浦克昭)は、1945年(昭和20年)1月18日、弟のおすぎ(杉浦孝昭)とともに生まれた一卵性双生児で、横浜市出身である。高校卒業後、横浜トヨペットに入社したが、その後転職して、1964年(昭和39年)にサンヨーレインコートに入社。商品管理や営業の仕事を担当した。

24歳の時、サンヨーレインコートを退職し、文化服装学院デザイン科に入学。研究専門部を卒業後、衣装デザイナーになった。弟のおすぎは阿佐ヶ谷美術専門学校を卒業後、映画評論家となった。

「おすぎとピーコ」1979年

おすぎとピーコの軌跡

1975年、兄弟が30歳の時、「おすぎとピーコ」として双子のコンビを結成し、タレント活動を開始。ラジオ番組への出演をきっかけに芸能界デビューを果たした。

兄弟ともに同性愛者であることを公言しており、当時、ピーコは「一卵性双生児の双子で兄弟ともにゲイである」と語っていた。性的嗜好には遺伝的な要因がある程度影響するとされ、いくつかの双子に関する研究から、遺伝率は30~50%と推定されている。なお、二卵性双生児では、兄が異性愛者(ストレート)、弟が同性愛者(ゲイ)というケースもあるが、一卵性双生児では両者が同じ性的嗜好を持つ例が多いとされている。

オネエタレントの先駆者としての活躍

ピーコはオネエタレントの先駆けとして、「おかまである」と自称し、辛口トークで大人気を博した。二人と親交が深かった映画評論家の淀川長治は、テレビで同性愛者であることを公言できる時代が到来したことを歓迎していた。一方、同性愛への差別と戦ってきた歌手の美輪明宏は、当時「オカマ」という差別的な表現をキャッチフレーズにしていることに苦々しい思いを抱いていた。現在では「オネエ」という表現が一般的になっている。

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LGBTQの中で、「オカマ」は、男色や女性らしい仕草を持つ男性を指すイメージが強い。一方、「ゲイ」は主に男性同性愛者を指す言葉である。「おすぎとピーコ」はゲイであり、恋愛対象は異性愛者(ストレート)の男性だった。

「オシャレは我慢」辛口ピーコのファッションチェック

ピーコは、テレビのバラエティ番組やワイドショーのコメンテーターとして活躍していた。特に1990年代、『3時にあいましょう』内のコーナー「辛口ピーコのファッションチェック」で街を歩く人々の服装を辛口に評価し、そのコメントが注目を集めた。この活動を通じて人気者となり、「オシャレは我慢」という名言も残している。

コルセットを着用する女性と、それを手伝う女性の図

日付	1899年
原典	不明
作者	T. W. Ingersoll

究極の「オシャレは我慢」コルセット

ファッションの歴史を振り返ると、9~13世紀頃には細さを強調するための「コルセット」が登場した。メイドが力ずくでウエストを締め上げ着用するという過激なもので、肋骨が変形してしまうことさえあったという。このように、かつてのファッションには命がけの「我慢」が必要だった。

例えば、ハイヒールは足に負担をかけ、歩きにくいが、オシャレするためには我慢する。また、ズボンのシワを防ぐために電車で座らない男性もいるが、これも「オシャレは我慢」の一例だろう。

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10cmのハイヒール

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一方、現代では「我慢しないオシャレ」が主流となりつつある。その流れの中で、日本発祥のブランド「ユニクロ」が世界的に大ブレイクした。快適さとスタイルを両立させたユニクロの成功は、現代のファッションの新たな潮流を象徴している。

ピーコの試練と心に残る名言

1989年、ピーコは44歳の時に悪性黒色腫と診断され、左目を摘出する手術を受けた。その後、義眼を入れ、以降はメガネを使用している。

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コメンテーターとしても活躍していたピーコは、多くの心に残る名言を残している。
2000年7月2日に亡くなった歌手・青江三奈について語った言葉もその一つだ。青江は死去の約2か月前、病床でかつてのパートナーである作曲家の花礼二を呼び、婚姻届に署名して結婚した。しかし、青江の兄弟と花の間で相続をめぐる訴訟が発生し、この出来事がワイドショーで取り上げられた。

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