清原の通算ホームラン数は歴代5位!
まずは、通算ホームラン数の歴代トップ10(2024年5月12日現在)を見てみましょう。
順位 | 選手名 | ホームラン数 | タイトル獲得回数 |
---|---|---|---|
1 | 王貞治 | 868本 | 15回 |
2 | 野村克也 | 657本 | 9回 |
3 | 門田博光 | 567本 | 3回 |
4 | 山本浩二 | 536本 | 4回 |
5 | 清原和博 | 525本 | 0回 |
6 | 落合博満 | 510本 | 5回 |
7 | 張本勲 | 504本 | 0回 |
7 | 衣笠祥雄 | 504本 | 0回 |
9 | 大杉勝男 | 486本 | 2回 |
10 | 金本知憲 | 476本 | 0回 |
10 | 中村剛也 | 476本 | 6回 |
こうしてトップ10に名を連ねる選手を見ると、意外にホームラン王のタイトルを一度も獲得していない選手が多いことがわかります。そして、その中で最も多くのホームランを打ったのが、清原和博選手。"無冠の帝王" の異名を取る清原ですが、これは言い換えれば、安定してホームランを打ち続けた証。あまり知られていませんが、実は、清原は以下の日本記録を持っています。
・プロ入りから21年連続2桁ホームラン
・プロ入りから13年連続20ホームラン以上
"プロ入りから" というのがポイント。あの王貞治選手は、21年連続2桁ホームラン、19年連続30ホームラン以上を記録していますが、ルーキーイヤーはわずか7本でした。
清原のルーキーイヤーの記録は驚異的!
では、清原のルーキーイヤーの活躍ぶりを数字で見てみましょう。
試合 | 打数 | 安打 | 本塁打 | 打点 | 得点 |
---|---|---|---|---|---|
126 | 404 | 123 | 31 | 78 | 66 |
四球 | 死球 | 打率 | 出塁率 | 長打率 | OPS |
49 | 11 | .304 | .392 | .584 | .976 |
新人でいきなり3割30本!あの松井秀喜でも、一年目はホームラン11本、打率は2割そこそこでした。
この年、清原は新人王を獲得。ルーキーイヤーでここまでの活躍は、あの長嶋茂雄選手以来かもしれません。二人のルーキーイヤーの記録も比較してみます。
選手 | 試合 | 打数 | 安打 | 本塁打 | 打点 | 四死球 | 打率 | OPS |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
長嶋 | 130 | 502 | 153 | 29 | 92 | 41 | .305 | .931 |
清原 | 126 | 404 | 123 | 31 | 78 | 60 | .304 | .976 |
こうして比較すると、打率やホームランは同等で、ヒット数や打点は長嶋が上、四死球やOPSは清原が上で、時代の違いはあるでしょうが、両者甲乙付け難い記録だったことがわかります。ただ、長嶋は大卒で、清原は高卒。あらためて、ルーキー清原の凄まじさを認識させられます。
因みに、長嶋はこの記録で、新人王はもちろんのこと、ホームラン王、打点王のタイトルまで獲得しています。
清原のキャリアハイの年は!?
安定して活躍し続けた清原ですが、彼のキャリアハイの年はいつなのでしょうか?
これは、ホームラン、打率ともに自己最高を記録した1990年と見る人が多いようです。
1990年の記録
試合 | 打数 | 安打 | 本塁打 | 打点 | 得点 |
---|---|---|---|---|---|
129 | 436 | 134 | 37 | 94 | 99 |
四球 | 死球 | 打率 | 出塁率 | 長打率 | OPS |
105 | 15 | .307 | .454 | .615 | 1.068 |
ホームラン、打点、打率のすべてがトップ10に入る好成績で、しかも出塁率、長打率、OPS、さらに、四球、死球はリーグ最多です。これらすべて、ルーキーイヤーの数字をも超えています。
清原の活躍のおかげで、西武ライオンズは12ゲームという圧倒的な差をつけてリーグ優勝。日本シリーズでも、読売ジャイアンツを4タテしています。
リーグ優勝に最も貢献した清原でしたが、パ・リーグMVPは清原ではなく、近鉄バファローズの野茂英雄投手。タイミングが悪かったとしか言いようがありません。
清原が惜しくもホームラン王を逃した年は!?
ホームラン数歴代5位の記録を持つ清原が、一度もホームラン王のタイトルを獲得していないと言われても、にわかには信じがたいものがあります。
そこで、清原が惜しくもホームラン王を逃した年を調べ、どの程度の僅差で逃したのかを見てみます。トップと5本差以内だった年を見てみましょう。
年 | ホームラン王の選手 | ホームラン王の本数 | 清原の本数 | 差 |
---|---|---|---|---|
1990 | デストラーデ(西武) | 42本 | 37本 | 5本 |
1992 | デストラーデ(西武) | 41本 | 36本 | 5本 |
1995 | 小久保裕紀(ダイエー) | 28本 | 25本 | 3本 |
1996 | ニール(オリックス) | 32本 | 31本 | 1本 |
特に惜しかったのが、ニールと1本差だった1996年。前半戦は清原がリード、後半戦はニールがリードする熾烈なホームラン王争いを繰り広げるも、惜しくも1本差でタイトルを逃しました。特に、9月に入ってから最終戦までの怒涛の追い込みは、初のホームラン王を期待させる活躍ぶりでした。
1996年のホームラン王争い
終了時点 | 清原の本数 | ニールの本数 |
---|---|---|
4月末 | 5本 | 3本 |
5月末 | 12本 | 9本 |
6月末 | 15本 | 15本 |
7月末 | 19本 | 21本 |
8月末 | 23本 | 28本 |
最終戦 | 31本 | 32本 |
次に清原を超えるのは!?
2024年時点の現役選手で清原を超える可能性があるのが、埼玉西武ライオンズの中村剛也選手。2024年5月12日現在、金本知憲選手と並ぶ476本で、清原の525本まで50本を切っています。それに続くのが、中田翔選手の306本で、その下は200本台がぞろぞろ。清原の偉大さを再認識するとともに、中村が記録を伸ばせば、また清原の記録が注目されることでしょう。