猿岩石のヒッチハイク旅   アジアの西端、トルコへ。日本アカデミー賞女優、室井滋参戦。

猿岩石のヒッチハイク旅 アジアの西端、トルコへ。日本アカデミー賞女優、室井滋参戦。

アジアは、香港、中国、ベトナム、ラオス、タイ、ミャンマー、インド、ネパール、パキスタン、イラン、トルコ。ヨーロッパは、ブルガリア、ルーマニア、ハンガリー、オーストリア、ドイツ、フランス、そしてゴールの大英帝国、イギリスまで。野宿、絶食が当たり前の「香港-ロンドン ユーラシア大陸横断ヒッチハイク」旅。


一方、追跡5日目の室井は、エミコペンションを出て、追跡を再開。
エミコさんによると、国境を目指す人は、ヤロバからフェリーでイスタンブールへ行く可能性が高いという。
そこで室井は、ヒッチハイクで一気にヤロバに先回りすることにした。
宿泊代を払い、残金30円となり、書いてもらったメッセージボードを手にヒッチハイク開始。
まず歩いて交通量の多い道路に移動。
「どっちかな」
ヤロバがどっちかわからないので、道路のどっち側に立てばいいかもわからない。
道路脇の店で朝食をとっている男性たちのところに行って、
「ヤロバ、あっち?こっち?」
教えてもらったついで、
「1個ちょーだい、いい?」
とブドウを一房もらい
「やったー。
いってみるもんだー」
といって1日ぶりの食事。
道に戻ると、メッセージを掲げ、ヒッチハイクを開始。
ヤロバは、かなり遠方なため、停まってくれる車はなかなか現れなかった
1時間後、1台の車が停まって、ドライバーの男性が降りてきて話しかけてきた。
『英語話せますか?
私、新聞記者ですが、面白いので写真を1枚撮らせて下さい』
「お金くんないかな~少し」
室井はそういいながらも笑顔でポーズ。
撮影が終わるとメモを持った記者から取材を受けた。
『年齢は?』
「うーん・・・20歳」
「仕事は?
学生?」
「はい、学生です」
室井は元気よくウソをついたが、実はこの男性、トルコ最大の新聞社、GAZE TE EGEの記者で、翌日、カラー写真つきで掲載されてしまった。

3時間後、1台のワンボックスカーがが軽くクラクションを鳴らして通り過ぎた後、スローダウンして停車。
「ンッ」
あわててかけよると逃げるように発車。
思わせぶりな態度に室井は
「なんだよ、もう。
やだな、もう」
と泣きそうな声でいった。
次に普通車が停まってくれたが、後ろのトラックにクラクションを鳴らされるといってしまった。
こうしてやっと乗せてくれる車が現れたときは、大喜び。
「トラックじゃない 嬉しい
エアコンついてる。
エアコンだよー」
エアコンつきのステーションワゴンで10時間走って一気にヤロバへ。
到着したとき、すでに深夜0時を過ぎていて、降車すると
「ハァー寒い」
しかしこれで猿岩石を先回りできたはず。


徒歩で閉まっているフェリー乗り場に移動し、明日の便の時間を確認。
イスタンブール行きのフェリーの始発は、朝6:30。
現在2:00。
始発までの間、メッセージボードを下げて猿岩石の情報を収集。
「いないかな」
疲れた体で、公園で野宿していないか、歩き回って
「おーい、猿岩石」
「猿岩石」
と何度も呼びかけたが返事はなかった。
公園からマルマラ湾とその向こう側にあるイスタンブールの夜景がみえた。
「まだ来てないのかなー。
それとももうイスタンブールに行っちゃったのかなー。
わかんないなあ」
心の中に不安と迷いが生じたが、最終的に猿岩石が来ると信じ、夜通しフェリー乗り場で待つことを決めた。
フェリー乗り場の入り口の前の地面に体育座りして、膝の前にメッセージボードを置き、行き交う人々の好奇の目にさらされながら夜は更けていった。

1日目、アンカラのホテル
2日目、アフィヨン村のお母さんの家
3日目、トルコ風呂のスタッフルーム
4日目、エミコペンション

と何とか屋根と壁のある場所で寝てきた室井だったが、追跡5日目にして初の野宿を経験することになった。

追跡6日目、野宿までして張り込んだ室井だったが、2人は来ないまま、始発のフェリーが出発。
その後、疲れて道路に倒れ込んで眠り、目が覚めると男性がなにかいいたげそうにこちらをみていた。
やがて近づいてきて、何もいわずに室井に何かを渡し、うなずき、去っていった。
苦笑いするしかない室井は、そのまま猿岩石を待った。
数時間後、立ち上がった室井は、近くにあったゴミ捨て場からイスを持ってきて、長期戦の構え。
近寄ってきた女性に
『女の子なのにかわいそうに』
といわれても
(それよりオバチャン、パンでもくれりゃいいのに)
と思いながら無言で待った。
そして男性が現れ、
『見たよ』
といった。
ついてきてとジェスチャーする男性に室井は荷物も置いたまま、
『忘れ物、忘れ物』
という通りがかりの人を無視して後をついていった。
そして連れて来られたのはフェリーの観光案内所。
『この人達ボドルムから来たらしいよ』
と男性がいうと、案内所の女性は
『ボドルムからわざわざ友達を探しに来たの?
見つかるといいわねぇ』
といっただけで何の手がかりも得られなかった。
「なんだよ、もう。
おせっかいなんだからあ。
どうしていろんなこといってくんだよおー。
見てないんだったら来んなよ、本当にもう」
キレながら戻った室井は、椅子に座るとイラ立ちを抑えるために「メリーさんの羊」をハーモニカを吹き始めた。

「あー、お腹空いたよー」
「会いたいよ、もう」
「行っちゃったのかな」
ブツブツいいながら座り続け、日が高くなると日差しを避けるために近くの壁、近くの木陰へと避難しつつ、なおも待った。
疲れで居眠りしてしまい、起きて地べたで座っていると4人の少年が遠巻きに立っていて、やがて意を決した1人が話しかけてきた。
『見たよ、あっちで』
「えっ?!」
室井は懸命に立ち上がり、少年に連れられて海の方へ向かう。
するとイスタンブールに行く船をヒッチハイクしようとしている猿岩石がいた。
「あー、いたー!!
猿岩石ー」
思わず叫んだ室井は、2人に走り寄ると地面に泣き崩れた。
そして少年たちに
「ありがとう」
とお礼をいい、猿岩石とハグ。
「サンキュー、ありがとう」
再度、お礼をいいながら少年たちもハグ。
「約束守ってくれたんですね」
と驚く猿岩石。
「お母さんたちからいろいろ預かってきたの」
「そうなんですか」
「そうなのよ。
約束破ったらさ、アンタん家のお母さんに・・・」
といって森脇の肩を叩く室井。
「ハハハハ」
笑いあった3人は、とりあえず芝生の木陰に移動した。

ついに日本から持ってきた物資を渡すときが来た。
まず森脇には、広島護国神社のお守り。
有吉には、弟からのアントニオ猪木の写真。
「アッタマに来るよ」
有吉は笑いながらいった。
ちなみに、この弟、 隆浩は、有吉が帰国後、広島の番組で広島から東京までヒッチハイクした。
室井は、続いて母親からの手紙を渡した。

「少し遅くなったけど、お誕生日おめでとう。
プレゼントのない誕生日は今まで1度もなかったので、少し寂しい気がします。
でもすごい体験がプレゼントされて、苦しいけれど弘行にとって忘れることのできない22才の年になりそうね。
オリンピックも100回記念の年ですごく盛り上がっていたけど、有吉家では弘行のヒッチハイクの旅がオリンピックなので、まだまだ続きます。
ロンドンへ金メダル目指してがんばってね。
人間は食べることと寝ることが大切だけど、寝ることはお金が無くてもできることだから時間があれば寝るように。
病気とケガには注意して、元気で2人で仲良く、1日でも早くロンドンへゴールできるよう祈っています。
それからお母さんのお願い聞いてくれますか?
髪の色は金・銀、どれでもいいけれど、もみあげとヒゲはそって欲しいわ。

お母さん」
(有吉の母親きみさんからの手紙)
 
「お母さん達は、想像もつかない本当に大変なチャレンジ。
でも和成なら必ずロンドンまでゴールインするでしょう。
つらいときは、広島時代を思い出してがんばれ。
9才の時の不明熱、髄膜炎、40日の入院生活。
中学時代は勉強よりも野球クラブ、県大会に行きましたね。
お父さん、お母さん、みゆき、友人、誰も何もしてあげられないけど、毎日、応援を送っています。
これからも厳しく、つらい旅が続くでしょうが、体に十分気をつけて、がんばってください。

お母さんより」
(森脇の母親みどりさんからの手紙)

手紙の朗読を泣きながら聞いた室井はしみじみと
「あきらめないでよかった」
そして涙を拭いて
「OK、じゃあ、ご飯にしよう」
といって疲れ切っているはずなのに走り出し、近くの店からガスコンロを2つを借りてきた。
「なんか食べた今日?」
「何にも食べてないです」
「一緒だね」
そこで室井が取り出したのは、
「おたふくソースだ!」
(森脇)
「梅干しも食べる?」
「あー」
(有吉)
室井は、お母さんに代わって料理を何皿もつくった。
そして広島風お好み焼きに、旅の最中に誕生日を迎えた2人のためにロウソクを立て、ハーモニカで「ハッピーバースデートゥーユー」を演奏。
それを正座で聴く猿岩石が、火を吹き消すと宴が開始。
チャーハンを食べて
「あーおいしい」
(有吉)
「うまい」
(森脇)
室井も食べて、満足。
「私が喜んでどうするのよね」

猿岩石は、すべての料理を残さず食べ切った後、森脇の妹みゆきの手作りの人形、友人達が2人に書いた寄せ書きのノートなど室井が預かってきた大切な品々をリュックに詰め、いよいよ出発。
「よし、じゃあ行こう。
どうする、船で行く?」
という室井に
「はい」
そして港に移動し、ヒッチハイク開始。
船に人がいると
「イスタンブール」
と声をかけ続けた。
しかし返ってくるのは
『ダメ』
『ブンカプールしか行かないよ』
と否定的なものばかりで船はなかなか見つからない。
すると室井が船に乗り込んで、何もいわずに男性に何かを握らせた。
そして
「いい、いい、大丈夫、大丈夫」
といいながら船を降り、猿岩石に乗るよう、肩を押した。
みると男性も笑顔で手招きしている。
「ありがとうございました」
港を離れていく船の中で頭を下げる猿岩石に、文字通り助け舟を出した室井は
「頑張ってね」
といって手を振った。
室井滋の6日間の旅は、すべて2人の笑顔をみるためのものだった。

トルコでの総移動距離、約2,300km。
徒歩での移動距離、約70km
アルバイト収入、180万トルコリラ
体を洗った男性の数、22人

室井の助けによって出港した猿岩石は、2時間後、ついにイスタンブールが見えてきて、4時間後、18時に着岸。
「サンキュー」
船長にお礼をいって別れると野宿ポイントを探し、海沿いの公園で野宿した。
「室井さんからいっぱい服をいただいたんですよ。
服も汚いから、私の服全部あげるからつって・・・
でもそれを着てたら、(同行スタッフに)つながりがわかんなくなるから服没収っていわれて・・・・」
(有吉)
「でも靴下とか見えない部分のは、そのままもらってたよね」
(森脇)
「靴下なんて限界でしたから・・・
ロウソクみたいに固めたみたいに、アカで・・・」
(有吉)
「脱いでも足の形のままで・・・」
(森脇)

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