猿岩石のヒッチハイク旅   アジアの西端、トルコへ。日本アカデミー賞女優、室井滋参戦。

猿岩石のヒッチハイク旅 アジアの西端、トルコへ。日本アカデミー賞女優、室井滋参戦。

アジアは、香港、中国、ベトナム、ラオス、タイ、ミャンマー、インド、ネパール、パキスタン、イラン、トルコ。ヨーロッパは、ブルガリア、ルーマニア、ハンガリー、オーストリア、ドイツ、フランス、そしてゴールの大英帝国、イギリスまで。野宿、絶食が当たり前の「香港-ロンドン ユーラシア大陸横断ヒッチハイク」旅。


1996年4月13日、若手お笑い芸人、猿岩石は
「だまされて」
目隠しとヘッドフォンをつけられて香港へ連れていかれた。
初海外という2人は、いきなり企画を聞かされ、ロンドンまで推定移動距離3万5000km、推定到達期間6ヵ月というユーラシア大陸横断ヒッチハイク旅をスタート。
ルールは

・旅のご予算は、10万円(番組から支給され、それ以外のお金は持っていけない)
・移動は徒歩かヒッチハイクのみ(お金を払って乗り物を利用するのは禁止)
・旅の道中、猿岩石の2人に1人のスタッフが同行し撮影するので3名で移動するが、スタッフは一切、手助けはしない。

2人は香港のタイムズスクエア前で、
「To LONDON」
と書いた紙を掲げ、そのまんま東に
「こんなモンで(車が)捕まるか」
とツッコまれながら、白いワンボックスカーをGET。
2人は押し込まれるように車に乗ったが、それはヒッチハイカーというより拉致される日本人観光客。
工事現場からの帰りというポールが運転する車は、香港島から海底トンネルを抜け、香港本土、つまりユーラシア大陸に突入。
しかしポールは
「ゴメン。
オフィスに行かなければならない」
といって、2人をタイムズスクエアからたった4㎞の地点で降ろした。

「ホテルは高い」
猿岩石は、海がみえる九龍公園を彷徨い、高さ数十cmの塀(段差)に囲まれた場所を発見。
寝袋など持っておらず、コンクリートの地面の上に寝転び、ジャケットを掛布団にして寝た。
この後、約半年間、基本的に野宿が続いたが、新しい場所に移動したら寝床の確保は最優先事項で、昼間のうちに野宿する場所を探すのは鉄則となり、
「野宿ポイント」
「野宿ポイント探し」
という言葉が用語化。
海外では公衆トイレが有料だったり、夜、閉まることもあり、
「野糞ポイント」
「野糞ポイント探し」
も同時に行われた。

2日目、ヒッチハイクを開始。
ロンドンまで行くためには、まず中国に入らなければならず、停まってくれた車にかけよって
「広州、広州、チャイナ」
と声をかけるが、乗せてくれる人はなかなかいない。
2時間後、ようやくGETした車に乗って約30㎞、国境にある中国出入国管理事務所に到着。
「いよいよ中国突入だ」
と思いきや、職員に
『Do You Have Chinese Visa(中国のビザはありますか)?』
といわれ、2人は初めて知った。
「国境を越えるためにはビザというやつが必要らしい」
そして乗せてきてもらった車でビザを申請する入境事務局がある九龍に逆戻りし、親切なドライバーにお礼をいってお別れ。
その足で入境事務局に行くも、日曜日のために休み。
仕方なくマクドナルドをテイクアウトして、九龍公園の小さな塀に囲まれた場所に戻って、野宿。

3日目、入境事務局にいって必要事項を書き込んでビザを申請。
費用は2人合わせて1650香港ドル(2万1500円)。
女性スタッフに
『発行できるのは18日になります』
といわれ、発行が3日後と知った2人は、九龍公園の同じ場所に戻って、野宿。
4日目、5日目と昼間はボーッと過ごし、夜は野宿。
6日目、入境事務局にいき、
『This is Chinese Visa』
と女性スタッフからビザが貼られたパスポートを受け取った。
意気揚々と
「To CHINA」
と書いた紙を掲げて4日ぶりにヒッチハイクを再開。
1時間後、中国の親せきの家に行くという車をGET。
九龍から2度目の国境へ行き、ビザを持って中国出入国管理事務所に入ると30分ほどで審査完了。
2ヵ国目、中国へ突入した。

7日目に中国に入国し、ベトナム国境手前にたどり着いたのが16日目。
この間の移動は、数台のトラックを乗り継いで、荷台で過ごした。
旅を通じて座席に乗せてもらえることも稀にあったが、圧倒的にトラックの荷台が多く、そこで数時間過ごすわけだが、最長記録は21時間。
最初は尻が痛くて仕方なかったが、自然と鍛えられてなんともなくなった。
この時点で、番組から渡された10万円は、

食費 24000円
宿泊 38000円
ビザ 21500円
地図 2000円

と合計85500円を使い、残りは14500円になっていた。

21日目、ベトナムの首都、ハノイに到着。
さっそくラオス領事館にいって、
「アイ・ワン・トゥー・ビザ。
トゥー・ラオス」
とビザを申請し
『1人、36ドルです』
といわれ
「はい?」
と日本語で驚いた。
2人分のビザ代、7800円を支払い、残金は700円。
しかも
『今日は金曜日ですから、月曜日に取りに来てください』
とビザ発行は3日後といわれ、領事館を出た2人は歩きながら
「いよいよだな」
「どうしよう」
「水とるか、メシとるかだな」
「水だろう」
と相談。
結局、断食&野宿でビザの発行を待つことにして公園に移動。
1日中、身動きもせずジッと耐え、ひたすら寝て
「オバさんを襲うか、万引きするか」
といけないことも頭によぎらせながら断食&野宿3連泊。

こうして生まれてはじめて無一文と飲まず食わずを経験することになった2人だが、
「所詮はテレビの企画。
最悪、スタッフが助けてくれる」
と思っていた。
しかし同行スタッフが目の前で缶コーラをおいしそうに飲み、余りを捨てるのをみて覚悟を決めた。
旅の間、同行スタッフは、2人がどんなに貧乏になっても、飢餓状態になっても、バンバン肉や米を食べ、酒やジュースを飲み、余ると足で踏んで食べられないようにした。
そしてペットボトルの水を飲みながら、
『あんまり水(水道水)は飲むなよ』
とアドバイス。
有吉が
「じゃあ、くれよ、それっ」
というと
『ダメ。
買えよ、自分で』
「金ねぇんだよ!」

結局、水問題と下痢問題は、ロンドンまで続いた。
「水って結構大変だなって思って。
ヒッチハイクで海外に190日いたけど、100日以上下痢。
海外行って水飲んでないのに何で腹壊すんだよって思ったら、(現地の水で)食べ物サ洗うでしょ。
それだけで壊す。
その国の水が汚いとかじゃなくて、合わないんだよね、体に」
そして野宿が基本の2人は、自然と「野糞慣れ」もした。
出した後は、手で拭くことも多く、森脇は左手で拭いて右手で食べるようにしたが、有吉は、右手で拭いて右手で食べた。
ありとあらゆる場所でできるようになった2人だが、それでも森脇よりもお腹が弱い有吉は、よく下痢になって「寝てる間も起きてる間も」漏らすことがあった。
やがて「漏らし慣れ」までしてしまい、文字通り屁でもなくなったが、まったく食えないときもあったので
「ウンコが出るだけマシ」
と思っていた。

2人から
「悪魔の大王」
と恐れられた同行スタッフだが、ある意味、猿岩石よりもひっ迫していた。
もし襲わるなら、お金がない猿岩石より、ちゃんとした身なりをしてカメラを持っている自分。
ヒッチハイクで新しい車に乗る度に緊張し、走行中も、ちゃんと目的地に向かっているかなど常に警戒。
夜は、電気がとれる場所に泊まって充電し、その日撮った映像から、必要な部分を抜き出す編集作業。
編集した映像は、どこの町からでも送れるわけではなく、ある程度ためて大きな町から発送した。
それが日本に着くのには数日かかり、さらに編集されて放送されるのに数日かかった。
「進め!電波少年」の放送時間は、日曜 22時30分 ~22時55分。
毎週、25分の間に数本のVTRが放送され、「ユーラシア大陸横断ヒッチハイク」は、その中の1コーナーとして

5月24日、30日      
6月3日、6日、14日、24日、30日
7月3日、18日、19日、25日、31日
8月5日、7日、9日、15日、19日、22日、29日      
9月2日、10日、17日、25日  
10月1日、11日、18日  

と26回、放送。
最初は3~4分だったが、人気が出てくると10分、15分と増えていき、看板コーナーとなって番組の視聴率アップに貢献した。

25日目、4ヵ国目、ラオス入国
29日目、5ヵ国目、タイ入国
41日目、6ヵ国目、ミャンマー入国
46日目、7ヵ国目、インド入国
64日目、手違いで8ヵ国目、ネパール入国
69日目、インドに再入国
80日目、首都、デリーに到着
89日目、9ヵ国目、パキスタン入国
98日目、10ヵ国目、イラン入国

イラン入国直後、検問にあって警察署へ連れていかれ、撮影映像はすべて消去され、以後も撮影は禁止。
それでも一行は、一時拘留された国境から、ザヒダン、 ケルマン、フタンと1500㎞移動し、首都のテヘランに到着。
森脇は、テヘランに到着した3日後の8月1日、砂漠を歩きながら22才の誕生日を迎えた。

撮影ができず、映像が届かないので、日本では消息不明状態。
安否が気遣われる中、室井滋は、ドラマ収録の休憩中、広島の森脇の実家に電話した。
約40日前、インドのカーペット工場で働いていた猿岩石と電話で会話し、
「初めまして、室井と申します」
「あっ、初めまして」
「すいません、どうも。
あのぉーなんか送りますぅ?」
これを聞いた電波少年スタッフが新企画「日本アカデミー賞女優、室井滋 猿岩石を探して大追跡!」を始動させたのである。
森脇の母、みどりが電話に出ると
「私、東京の室井滋と申します。
あの女優をやっておる者なんですけれども・・・」
「あのテレビで前、約束してくださった・・・」
「そうです。
テレビで約束致しましたんで・・・」
「あのお、守ってもらえるんです?」
「ええ、約束は守らなくてはいけないですから」
「本当に」
「それに当たりましてですね、普段食べてらしたものを伺いたいなと思ってお電話したんですけれども」
とお袋の味を聞く室井。
次に有吉の母、きみにも電話。
「ご心配でしょ?」
「はい、心配してます」
「どうなさってるんですか、毎日?」
「あーもうねえ、心配で、毎日やっぱり夜、気になったり、夜ご飯食べるとき、気になったり・・・」
「今日は、あのちょっと有吉くんのですね、好物を」
お袋の味リサーチの結果、結果、

森脇 は、 うどん入りお好み焼き、ソースは「おたふくソース」
有吉は、 チャーハン、ご飯は固めに炊く

が好きだということがわかった。

116日目、8月6日、イランで撮影ができなかった猿岩石一行は、一気に11ヵ国目、アジアとヨーロッパの境に位置するトルコ、しかもその首都、アンカラへ。
(放送時は明かされなかったが、猿岩石が帰国後、トルコの国境地域でクルド人武装勢力が活動していたため危険と判断し、テヘラン(イラン) - アンカラ(トルコ)間を飛行機に乗って移動したことが発表された)
正式国名、「トルコ共和国」
首都は、アンカラ(Ankara)
オスマントルコ時代に首都だったイスタンブール(Istanbul)も、依然として経済・文化・観光の中心で、バルカン半島で最大の人口を有している。
首都は、アンカラ(Ankara)
オスマントルコ時代に首都だったイスタンブール(Istanbul)も、依然として経済・文化・観光の中心で、バルカン半島で最大の人口を有している。
国土面積は、日本の2倍( 78万km²)
トルコの国旗は、赤地に白の三日月と五芒星を配した「新月旗」
日本の国旗は、白地に赤色の太陽を配した「日の丸」
トルコ国旗は「夜」、日本国旗は「朝」をイメージさせ、共に赤と白の2色のみ。
アジアの西端にあるトルコ、東端にある日本は、11000kmも離れているが友好国である。

最初のきっかけは、日本の皇族(小松宮彰仁親王)が、オスマン帝国の首都、イスタンブールの皇帝を表敬訪問したこと。
オスマン帝国は、これに応える形で使節団と乗組員、合計656名を全長76mの軍艦エルトゥールル号に乗せて送り出した。
11ヵ月かけて横浜に入港し、明治天皇に謁見した後、帰路に着いたが、和歌山県沖で台風に巻きこまれ、22時半頃に沈没。
数名の乗組員名が岸まで泳ぎ、ガケを登って灯台へ。
灯台守から報せを受けた大島村(現:串本町)の住民は、救助を開始。
生存者を、灯台、寺、学校に運び入れ、手当てした。
それから95年後、イラン・イラク戦争は5年を経て互いの都市を無差別攻撃し合う事態に発展。
イランは日本にとってサウジアラビアやアラブ首長国連邦に次ぐ原油輸入先で、500人以上の日本人が首都、テヘランに滞在していたが、イラク軍の空爆が開始。
イラクは、イラン領空全域を戦闘地域とし民間機を含めたすべての飛行機が攻撃対象となると宣言。
日本政府は、取り残された日本人を脱出させるためにイラン・イラク両国と折衝し、特別派遣機の安全の保障を依頼したが、イラクから明確な解答が得られず、結局、待機していたジャンボ機が離陸できなかった。
するとトルコのトルグト・オザル首相が、トルコ航空の飛行機を派遣し、取り残されていた215人の日本人を救出した。

トルコ料理は、フランス料理、中華料理と並ぶ世界3大料理。
「ドネル・ケバブ」は、ブロック肉を回転させて焼き、薄切りにして食べる。
肉の種類は、イスラム教では豚肉を食べてはいけないので、主に羊肉が使われるが、牛肉や鶏肉のケバブもある。
「シシ・ケバブ」の「シシ」は「串」という意味で、ケバブを串に刺したもので、味つけは日本の焼き鳥同様、塩コショウのみが王道。
「イスケンデル・ケバブ」は、パンの上に野菜とケバブを乗せ、ヨーグルト、バター、トマトソースなどをかけて食べるが、ヨーグルトはマスト。
また日本で「トルコアイス」と呼ばれる「ドンドゥルマ」は、トルコの山岳部で採れるサーレップというラン科の植物の球根を乾燥、粉末化したものを入れることで粘り気を出した「伸びるアイス」
サーレップは、標高1000~1500mの自然の中に育ち、人工栽培はされておらず非常に希少で、日本で販売される「トルコアイス」を謡った商品は、粘り気を出すために他の粘着剤を使ったものが多い。

国民のほとんどがイスラム教徒というトルコだが、歴史的に初期キリスト教の布教の地でもあり、自然が創り上げた岩層を彫り削り、岩くつ教会や住居をつくった「カッパドキア」、ノアの箱船が漂着したという「アララット山」、聖母マリアが晩年を過ごしたと伝わる修道院跡、東ローマ帝国時代、キリスト教の大聖堂として建築され、後世、イスラム教の尖塔が増築されてモスクとなった「アヤ・ソフィア」などキリスト教ゆかりの地も数多く残っている。
イスラムの国になってもキリスト教の遺産を保護しようとうするところにも寛容な国民性を感じることができる。
ヨーロッパ、アジア、中東、アフリカ、すべてに近い位置にあるトルコは、他国の価値観や文化を受け入れている。
本来、イスラム教徒は食生活など日常から厳しい戒律があり、例えばムスリム女性は夫以外の男性に肌をみせないようにするためにスカーフで頭や顔を覆わなければならないが、トルコでは政教分離の精神に則って、大学や公の場でそれを着用することは禁止。
飲酒もイスラム教では禁じられているが比較的自由に売買されている。

アンカラに到着した猿岩石は、まず次なる国、ブルガリアのビザを申請するためにブルガリア大使館に向かい、
『1人、550万トルコリラ(7300円)です』
といわれ、無一文の2人は何もできずに撤退。
「50万!
どんな額だよ!」
(森脇)
「とんでもないよ」
(有吉)
その頃、日本では松本明子が3度目の救援物資を準備するために奔走していた。
狙ったのは、「ウェーブハンド」というスポンジ製の大きな手。
いわゆる応援グッズだが、木村拓哉が
「これっ、コンサートに持ってきて」
といったものの、後ろの人の迷惑になることがわかって発言撤回。
急遽、使用禁止になり、5万個の発注がキャンセルになったウェーブハンドの在庫があふれているという情報をキャッチした松本明子は、
「少しくらいならタダでもらえるかもしれない」
と直接、東京都中央区日本橋の(株)丸惣を訪ねていった。
2500万円といわれる損害を被った社長だったが
「150?
いいですよ」
と快諾。
松本明子は、150枚(定価1380円×150枚=207,000円相当)を無料でもらい、救援物資の確保に成功した。
そして「進め!電波少年」の収録中、猿岩石と電話でつながると
「救援物資、第3弾送っといたから・・・
どこに送ったらいいかわかんなかったんで、一応、トルコのイスタンブールに送ったから・・」
松本明子と電話で話をしていた森脇が、
「救援物資、トルコに送ったと・・・」
と教えると、有吉はうれしさのあまり電話ボックスの壁にすがりつき、
「やったー」
と蚊の鳴くような声でいった。

2人は松本明子が送ってくれた救援物資で金を稼いでビザ代にすることにした。
しかし届くのは1週間後。
首都、アンカラは、トルコのほぼ中央。
イスタンブールは西端付近にあり、直線距離で370km。
有吉が、
「届くまでゆっくり名所を回ろう」
と提案すると、
「海!」
(有吉)
「海!?」
(森脇)
と2人の意見は一致。
トルコの国土の南側に地中海、西側はエーゲ海があり、とりあえず南の地中海を目指してヒッチハイクすることを決めた。

117日目、8月7日、2人は、
「Beautiful Sea」
と書いた紙を持ってヒッチハイク開始。
1時間後に停まってくれたトラックの荷台で揺られて6時間、海がみえてきた。
アンカラから南西に400km、地中海に面した街、アンタルヤだった。
海際の道でトラックから降ろしてもらうと、早速ビーチへ。
「うわあ、これはいいなあ」
「こんな海、初めてだった。
透き通っててずっと向こうまでみえるようだった」
あまりの美しさに感動した2人は、パンツ1丁で澄みわたる海に入り、10日ぶりの入浴。
「気持ちイイッ!」
そして
「巨乳率80%」
というビーチで波にのまれたフリして
「サササって」
痴漢した。

そして無一文の猿岩石は、岩場に移動。
海に潜って獲物を探し、フジツボとカニを数匹ずつGET。
有吉が
「やったーカニだー」
とはしゃいでいるとき、森脇は風向きなどを考えてカマをつくり、燃料となる新聞紙や木を拾い集め、火をおこした。
鉄板の代わりに空き缶を切って、その上でフジツボを焼くことにした。
有吉は、焼き上がったフジツボを食べた。
「食ってるよ、オイ」
騒ぐ地元の子供は無視し、アワビかサザエか疑うようなおいしさに目をむいて
「おいしい!」
カニも
「うわあ、うめえ」
と叫んだ。
結局、2人はフジツボとカニを完食。
久々の豪華シーフード料理の味には大満足だったが、量は足らず、腹が満たされることはなかった。

夜はビーチ備えつけのパラソルつきデッキチェアベンチで眠った。
「ココ、最高でしょ!
今までのに塾ポイントの中で。
波の音聞きながら・・・・」
そういう森脇は朝起きると、お尻を押さえながら海の家のドアをガチャガチャやっている有吉を発見。
面白いので寝たフリをしてみていると、朝なのでドアは開いておらず、有吉は違う海の家に移動し、またドアをガチャガチャ。
やがて汗をかきながら戻ってきた有吉は、突然服を脱ぎ出し、陸上選手のように走り、水泳選手のように飛び込んで平泳ぎ。
少し泳いで停止し、体勢に入った。
放出後、自分の周りに浮いてくることを防ぐために右手でちぎって投げ、
「ウンコって水に沈む」
ということを知った。
その後、シュノーケルをつけて海の石を拾っている人が近づいてきたので海から上がって、何食わぬ顔で日光浴。
「『キレイだ』とかやってるんです。
もう少しで僕のも」

同日、日本では室井滋がトルコに向けて出発しようとしていた。
空港に向かう前、大きな荷物を持って現れた室井に、スタッフが、
『何が入ってるんですか?』
と質問すると
「米入っちゃってるからね」
中身をチェックすると、

調理器具一式
新潟産コシヒカリ
うどん
小麦粉
おたふくソース


など合計20kgが入っていた。
スタッフが2人の家族から送られてきた段ボール、2箱を渡すと、室井は
「開けていいの?」
と聞いてから中身をチェック。
有吉家の段ボールには

・柿の種とビーフジャーキー(「食べるもののないとき、かみしめる」というメモつき)
・お守り(「これはお母さんの大切なお守りなのでリュックの中に入れておいてください」という手紙つき)

などが、森脇家の段ボールには

・妹からの手作りのぬいぐるみ人形(「お兄ちゃんへ 病気しないように」というメモつき)

などが入っていて、室井はそれらを
「ああ、もうなんか泣けてきちゃう」
と涙をチョチョぎらせながら収納し、バッグはさらに巨大になった。

次に番組スタッフは
『マネージャー同行はなしです』
と告げた。
室井は、荷物を持っている女性マネージャーにキツめに
「アンタもついてくるんでしょ?」
『いや、マネージャーの方は・・・』
「あのバッグ、アレ・・・
行かないの?
なんで黙ってんのよ」
女性マネージャーは、苦笑いするだけだった。
さらにスタッフは、
『お金はお持ちですか、今日?』
「お金は、3、4万持ってきたけど・・・
回収ですか、コレ?」
『じゃ、ちょっと出していただければ・・・』
室井がパスポートと一緒にクリアケースに入れていたお金を取り出すと、スタッフはそれを受け取り、
『これは日本に置いておくということで』
「うそぉーどうしてぇー。
本当に置いてくの?」

『旅費はすべてこちらの方ですべて!
あちらのほうに・・』
スタッフは、そういって室井を「旅費決定ダーツゲーム」コーナーに案内。
ルールは

・投げるのは1投のみ
・500円~100万円までダーツが当たった場所の金額が旅費となる

円形の的の中は、5千円、1万円、3万円、5万円、10万円、100万円と円グラフのように分かれていて金額が大きいほど面積は小さく100万円のゾーンは数%ほどの大きさ。
そして円形の的の外では、大きな500円、800円のゾーンが待っていた。
室井がダーツを持つと円形の的はルーレットのように回転。
放ったダーツは、見事、円の中に刺さり、室井は拍手。
「刺さった、刺さった!
何万?」
回転を止まると
「ダメだ、5千円だ !」
といってしゃがみこんだ。
旅費が5千円に決定。
渡されたのし袋を開封すると折った紙を入れて厚みを持たせてあった。
「何だコレ、上げ底じゃん。
最低」
室井はブーたれたが、この紙が後で役に立つことになる。

続いてスタッフは、猿岩石追跡アイテムとして

・トルコの地図
・メッセージボード(猿岩石の顔写真とトルコ語で「この人を知りませんか?この人を探してます」というメッセージ入り)
・電波少年のホームページアドレス「 http://www.ntv.co.jp」と接続方法を書いたメモ(これによって猿岩石の最新情報がわかる)

を渡した。
後は自分の力のみだったが、室井滋は、置いてあった巨大な荷物を担いで、ヨロけてコケた。
そして猿岩石がイランからトルコの首都に入ったとの情報を受け、アンカラへ向けて旅立った。


日本から直行便はなく、室井がトルコのアンカラ国際空港に着いたとき、時間はすでに22時。
すぐに空港で、のし袋から5千円を取り出して両替。
すると出てきたのは、385万トルコリラ。
巨大な数字に驚き、両替してくれた人に
「コーヒー1杯いくら?」
と質問。
その人はカウンターから出てきて、室井が持つお札の中から1枚を抜いて、
『コーヒー』
といった。
さらに
『バス』
といって抜きとったのは50万トルコリラのお札。
「50万でバスに乗るのぉ~」
あきれながら室井がアンカラ市内へ行くバスの乗り方を聞くと、この時間はタクシーしかないという。
「タクシー?
どの(いくら)くらいかなあ」
料金の心配をしながらタクシー乗り場に歩いていくと、客引きが群がってきた。
室井は寄ってきた男たちに
「すごく安いホテル知ってる?
ドーユーノゥ、チープホテル?
ベリーべりーチープ」
「すごくもう、ぜんぜんお金ない。
アイ ハブ ノーマネー」

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俳優、演出家、シンガーとして活躍する錦織一清が、2025年5月に迎えた還暦イヤーの締めくくりとして、人生初となるソロ写真集&カレンダー『言魂 -10カラットの呟きと共に-』を2026年5月29日に発売。本人プロデュースによる日常の風景や自ら吐露した10の呟きなど、現在の彼の魅力を凝縮した一冊となっている。


世界的ヒット作「テトリス」がボードゲームに!リアルなブロックを“手で積む”新感覚の対戦が熱い

世界的ヒット作「テトリス」がボードゲームに!リアルなブロックを“手で積む”新感覚の対戦が熱い

デジタルゲームの金字塔『テトリス』が、実際にブロックを手に取って積み上げる『テトリスボードゲーム』として2026年4月下旬に発売決定!2〜4人での同時対戦が可能で、カードによる駆け引きや「オジャマミノ」による妨害要素も。デジタルとは一味違う、空間認識力と戦略性が試されるアナログならではの魅力を紹介。


昭和100年の節目に楽しむ「昭和レトロWEEK!」TBSラジオ『ジェーン・スー 生活は踊る』で開催

昭和100年の節目に楽しむ「昭和レトロWEEK!」TBSラジオ『ジェーン・スー 生活は踊る』で開催

TBSラジオの人気番組『ジェーン・スー 生活は踊る』にて、4月20日から「昭和レトロWEEK!」がスタート。昭和100年を迎える今年、家具や漫画、音楽など多彩な視点で昭和の魅力を再発見します。タイガー魔法瓶のレトロ柄製品が当たる豪華プレゼント企画も実施。懐かしくも新しい昭和の世界をラジオで堪能しましょう。