猿岩石のヒッチハイク旅   アジアの西端、トルコへ。日本アカデミー賞女優、室井滋参戦。

猿岩石のヒッチハイク旅 アジアの西端、トルコへ。日本アカデミー賞女優、室井滋参戦。

アジアは、香港、中国、ベトナム、ラオス、タイ、ミャンマー、インド、ネパール、パキスタン、イラン、トルコ。ヨーロッパは、ブルガリア、ルーマニア、ハンガリー、オーストリア、ドイツ、フランス、そしてゴールの大英帝国、イギリスまで。野宿、絶食が当たり前の「香港-ロンドン ユーラシア大陸横断ヒッチハイク」旅。


同日、日本では室井滋がトルコに向けて出発しようとしていた。
空港に向かう前、大きな荷物を持って現れた室井に、スタッフが、
『何が入ってるんですか?』
と質問すると
「米入っちゃってるからね」
中身をチェックすると、

調理器具一式
新潟産コシヒカリ
うどん
小麦粉
おたふくソース


など合計20kgが入っていた。
スタッフが2人の家族から送られてきた段ボール、2箱を渡すと、室井は
「開けていいの?」
と聞いてから中身をチェック。
有吉家の段ボールには

・柿の種とビーフジャーキー(「食べるもののないとき、かみしめる」というメモつき)
・お守り(「これはお母さんの大切なお守りなのでリュックの中に入れておいてください」という手紙つき)

などが、森脇家の段ボールには

・妹からの手作りのぬいぐるみ人形(「お兄ちゃんへ 病気しないように」というメモつき)

などが入っていて、室井はそれらを
「ああ、もうなんか泣けてきちゃう」
と涙をチョチョぎらせながら収納し、バッグはさらに巨大になった。

次に番組スタッフは
『マネージャー同行はなしです』
と告げた。
室井は、荷物を持っている女性マネージャーにキツめに
「アンタもついてくるんでしょ?」
『いや、マネージャーの方は・・・』
「あのバッグ、アレ・・・
行かないの?
なんで黙ってんのよ」
女性マネージャーは、苦笑いするだけだった。
さらにスタッフは、
『お金はお持ちですか、今日?』
「お金は、3、4万持ってきたけど・・・
回収ですか、コレ?」
『じゃ、ちょっと出していただければ・・・』
室井がパスポートと一緒にクリアケースに入れていたお金を取り出すと、スタッフはそれを受け取り、
『これは日本に置いておくということで』
「うそぉーどうしてぇー。
本当に置いてくの?」

『旅費はすべてこちらの方ですべて!
あちらのほうに・・』
スタッフは、そういって室井を「旅費決定ダーツゲーム」コーナーに案内。
ルールは

・投げるのは1投のみ
・500円~100万円までダーツが当たった場所の金額が旅費となる

円形の的の中は、5千円、1万円、3万円、5万円、10万円、100万円と円グラフのように分かれていて金額が大きいほど面積は小さく100万円のゾーンは数%ほどの大きさ。
そして円形の的の外では、大きな500円、800円のゾーンが待っていた。
室井がダーツを持つと円形の的はルーレットのように回転。
放ったダーツは、見事、円の中に刺さり、室井は拍手。
「刺さった、刺さった!
何万?」
回転を止まると
「ダメだ、5千円だ !」
といってしゃがみこんだ。
旅費が5千円に決定。
渡されたのし袋を開封すると折った紙を入れて厚みを持たせてあった。
「何だコレ、上げ底じゃん。
最低」
室井はブーたれたが、この紙が後で役に立つことになる。

続いてスタッフは、猿岩石追跡アイテムとして

・トルコの地図
・メッセージボード(猿岩石の顔写真とトルコ語で「この人を知りませんか?この人を探してます」というメッセージ入り)
・電波少年のホームページアドレス「 http://www.ntv.co.jp」と接続方法を書いたメモ(これによって猿岩石の最新情報がわかる)

を渡した。
後は自分の力のみだったが、室井滋は、置いてあった巨大な荷物を担いで、ヨロけてコケた。
そして猿岩石がイランからトルコの首都に入ったとの情報を受け、アンカラへ向けて旅立った。


日本から直行便はなく、室井がトルコのアンカラ国際空港に着いたとき、時間はすでに22時。
すぐに空港で、のし袋から5千円を取り出して両替。
すると出てきたのは、385万トルコリラ。
巨大な数字に驚き、両替してくれた人に
「コーヒー1杯いくら?」
と質問。
その人はカウンターから出てきて、室井が持つお札の中から1枚を抜いて、
『コーヒー』
といった。
さらに
『バス』
といって抜きとったのは50万トルコリラのお札。
「50万でバスに乗るのぉ~」
あきれながら室井がアンカラ市内へ行くバスの乗り方を聞くと、この時間はタクシーしかないという。
「タクシー?
どの(いくら)くらいかなあ」
料金の心配をしながらタクシー乗り場に歩いていくと、客引きが群がってきた。
室井は寄ってきた男たちに
「すごく安いホテル知ってる?
ドーユーノゥ、チープホテル?
ベリーべりーチープ」
「すごくもう、ぜんぜんお金ない。
アイ ハブ ノーマネー」

そしてやむなく乗ったタクシーでアンカラ市内の安いホテル街があるウルス地区へ。
それらしき場所に着くと
「ここ?
ヒア?
早く、早くメーター切ってちょうだい。
メーター切ってちょうだい!」
カットメーター、プリーズ!」
とドライバーを急かせた。
それでもタクシー代で2,000円を使い、残りは3,000円。
「すごくいかがわしそうだな」
といいつつ怪しげなホテル街をとにかく安いホテルを探して歩いた。
「ハーイ、エクスキューズ・ミー。
ワンナイト・ハウマッチ」
といって入った1軒目のホテルでは、1泊70万トルコリラ(900円)といわれ
(安い!)
と思ったが
「また後で、レイター。
ジャスト・モーメント、ちょっと待ってて」
といって出て、もっと安いホテル探し。
3軒目で
「もうちょっとチープ」
と交渉の末、40万トルコリラ(520円)にしてもらった。
それを支払うと所持金は2500円になり、部屋まで荷物を運んでくれた若いホテル従業員に
「ボク、お金ないからさ、ボク、ガムあげるよ」
といってチップとしてガムを1枚あげた。
部屋に荷物を置くとホテル周辺を捜索。
猿岩石の顔写真とトルコ語のメッセージ入りボードを首に下げて
「知らない?」
「知ってます?」
と聞いて回ったが収穫はゼロ。
「こりゃ大変だよね、捜すのね。
まいったなー」
とミッションの大変さを痛感。
「あ~疲れた。
明日に備えようと」
といって寝た。

118日目、8月8日、地中海で一晩を過ごした猿岩石は
「ついでにエーゲ海も・・・」
と目的地をエーゲ海に面したリゾート地、ボドルムに設定。
「BODRUM」
と書いた紙を掲げ、ヒッチハイク開始すると2時間後、小型のジープが停まってくれた。
「ノー・マネー、OK?
ヒッチハイク」
『お金なんかいらないよ』
気のいい運転手は、そういってドアを開けてくれた。
「気持ちいいなあ、これ」
2人はホロをかぶった後部座席に座って、窓から入ってくる風を感じながら、5時間後、ボドルムに到着。
エーゲ海でも有数のリゾート地に到着したとき、すでにあたりは夕暮れ。
海の近くで降ろしてもらった2人は、お礼をいった後、空手着を脱いで寝床探しを開始し、結局、堤防で野宿。

一方、追跡2日目の室井は、アンカラ市内の猿岩石が野宿していそうな公園「CEMRE PARKL」を捜索することにした。
さわやかな朝、腹を空かして歩いていると目に入ってきたのはパン屋。
「うまそー。
コレ、うまそう。」
といって20万トルコリラでクロワッサンを購入。
さらにカバンからタバコ1箱取り出し、ジュースを指さし
「あのさあ。
ジャパニーズ、タバコ。
チェンジ、チェンジ」
と交渉し、物々交換に成功。
40円+タバコを支払い、道端で立ったまま、トルコで初めての食事をとった。
そして
「ドー・ユー・ノゥ?」
と歩きながら情報収集するも手がかりなし。
途中、警官に出会い、CEMRE PARKLにいく道を聞いた。
警官が
『チョウザ、チョウザ(すごく遠い)』
というで、室井は
「これに乗せていって欲しいんだけど・・」
とパトカーに乗せてくれと頼んだ。
『タクシーに乗りな』
「ノーマネー」
『ここを真っ直ぐいって、右に曲がって、そのままいって』
パトカー乗車を拒否し、改めて道順を説明する警官に、室井は『ありがとう』というタイミングで
「ケチ!」
と日本語でいって去った。

ホテルから8km、2時間歩いて公園に到着すると、早速、聞き込み&捜索を開始。
「ドー・ユー・ノゥ?」
しかし手がかりは得られず
「いないよなー」
公園からの帰り道、
「だけどさあ、インターネットでさー、
アンカラに来てるかどうか、ちょっと捜した方がいいんじゃないかな、まずは。
インターネットの店、インターネットカフェとかあるのかな?」
とインターネットができるパソコンショップや日本企業などを探すことに。
「Is there パソコンショップ Here?」
通りすがりのいかにも知っていそうな人に聞いて回ったが、なかなか情報は得られない。
そこで交番へいった。
『ショッピングセンターだったらあるよね。
タクシーでいけるよ』
「ノー、ノー」
『歩いて?」
「イエス」
『歩いては行けない。
すごく遠い』

12km、4時間歩いて、ヘトヘトになりながらショッピングセンターに到着。
そしてやっとパソコンショップを発見。
室井は、
「ハロー。
ルッキング・フォア・マイフレンド。
プリーズ・インターネット・サービス」
といって
「友達を捜してるんですが、インターネットサービスをみせて下さい」
と伝えようとし、女性店員もキチンと応対してくれるが伝わらない。
するとたまたま居合わせた女性客が
『May I Help You?』
といってくれた。
「ドー・ユー・ハブ・インターネットサービス?」
『Are you Japanese?』
「イエス、イエス」
室井がいうと女性客は
『それでは日本語で』
と日本語でしゃべった。
室井は大喜びで
「ありがとう。
地獄に仏。
知ってます?
ジゴクにホトケ」
女性客がインターネットの接続ができないか聞くと、女性店員は、
『ここでは無理です』
すると女性客は、店の電話を借りてホテルにいる夫に電話。
『日本の女の人が困ってるんだけど、そっちに連れてっていい?』
ご主人の返事はOK。
『ホテルで待ってます』
「あっいいんですか?」
『はい』
「ホテルに行って?」
『はい』
「一緒に行ってもいいんですか?」
『はい』
「ありがとう、すいませんね。
申し訳ないです。
イヤ、うれしい。
なんていい人なんだろう。
よかったー。
この人に会えなかったら」
そういって口を押さえる室井は涙目だった。

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