壮絶! 大西秀明 生まれながらのお笑いモンスター

壮絶! 大西秀明 生まれながらのお笑いモンスター

優しすぎて純粋すぎて、そして面白すぎるジミー大西。そのケタハズレのエピソードと天然ボケにはどんな芸人もかなわない。人々に爆笑と癒しを与える最強のお笑い芸人である。


「もしウチに入ったら誰に弟子入りしたい?」
「でし?・・・・早見優!」
「な、なんて?」
「早見優ちゃん」
「ま、かわいいわな・・・・」
アイドルでは早見優と石田ひかりが好きだった大西は、うれしそうにクリームソーダを飲んだ。
こうして高校在学中から吉本で働き出した大西は、NSC1期生であるダウンタウン、ハイヒール、トミーズらより数ヶ月先輩である。
仕事は、なんば花月でセットを組んだり、進行係や掃除、雑用をした。
漫才の最中に緞帳のスイッチを入れたり、突然ベルを鳴らしたり、失敗を連発。
あるとき幕を上げたり下げたりする係だった大西は、マジックの舞台でマジシャンが箱から出てくるオチなのに出てくる前に幕を下ろしてしまった。
箱から出てきてマジシャンは
「どうなってんねん」
と怒った。
そして舞台袖に出番待ちの若い女優が来る度に、なぜかトイレに駆け込み、やけにスッキリした顔をして出てきた。
ちなみに大西は性欲が強く
「1人でやるやつは最高は1日13回」
といっている。

「西の郷ひろみ」といわれ、アイドル的人気を誇った明石家さんまが出演する日、なんば花月はプレゼントを抱えてつめかけた女性ファンでごった返した。
花月の楽屋で芸人の世話をするお茶子の狭間トクは、さんまが楽屋入りする時間になると
「はいはい、どいてんか。
かかるで~」
と表にいって水をまいて
「水かけババア」
と恐れられた。
そして車が停まってさんまが登場すると歓声が起こる。
さんまは四方八方からプレゼントをもらいながら
「ありがとう」
と1人1人に対応し、好みの女性がいると話しかける。
「君どこや?」
「長崎です」
「おう、長崎のどこや」
「佐世保」
「オレにも佐世保」
至近距離で下ネタを放たれた女性はうれしがった。
人ゴミにもみくちゃにされながらを楽屋口へ。
「お疲れさんです」
迎えに出て来た村上ショージが挨拶。
「お帰り」
楽屋へ続く廊下をプレゼントを抱えて歩くさんまに、芸人たちが声をかけた。


こうして劇場入りしたさんまは、出番まで楽屋で過ごし、ステージを終わると再び楽屋でくつろいだ。
「あーあー果てしない♪
あーあー♪」
誰かが大都会を歌い出せば
「お前はターザンか」
と村上ショージがツッコむ。
「さすがショージ兄さん」
「なっ、この良さがプロデューサーにはわからへんねん」
「兄さんのギャグが高級すぎるんちゃいますか?」
「高級、サンキュー、オレの手取り8300円」
「兄さん、キレがある。
勉強になります。」
「キレがあるのに笑いがない。
誰がや!
ドゥーン!」
村上ショージ得意の3段オチと後輩にヨイショが飛び交う中、やがてさんまは立ち上がる。
本来、花月から出るにはロビーを通って正面から出るか、裏の楽屋口から出るか2つに1つ。
しかしさんまは第3の道を行く。
出待ちのファンをかわすため、風呂場の窓から脱出し、建物の横の細い道に出た。
狭間トクは一緒に風呂場から出ようとする村上ショージに怒鳴った。
「お前は堂々と表から出え。
誰も追いかけてくるか」
「エエやんか。
今から兄さんとメシを食いに行くねん」
「お前は10年早い。
表からや」

ある日、大西は進行係をしていた。
「すいません、師匠、出番5分前です。
お願いします」
といいにいくのが仕事だったが、横山やすし・西川きよしの出番なのに中田カウス・ボタンを呼びにいってしまった。
「すいません。
出番 お願いします」
「何や、どういうことや?
これトリとちゃうやろ」
といわれ、大西はハッとなった。
「お前 反省しとけ!」
「はい」
大西は、
(大変なことしてもうた)
と素直に反省。
トイレットペーパーをちぎって、片方を自分のチンチンに、もう片方を階段の手すりにくくりつけた。
(これ切らん、切りません)
いつもように楽屋で楽しんでいたさんまは
「キャーッ」
女性の叫び声がしたので向かうと廊下から2階へ続く階段の途中で、下半身裸の男が立っていた。
これが大西と明石家さんまのファーストコンタクト。
「お前 なんちゅうねん?」
「大西です」
「何やってんねん?」
「ボタン師匠の出番 トチりまして反省してます」
大西は髪の毛をかきむしり、体を反転させた。
「こっち向けるな」

師匠が下した罰ならば勝手に解くことができない。
さんまは、中田ボタンの楽屋に事情を聞きにいき、再び現場に戻ってきた。
「ボタン師匠な、知らんいうてはったで。
ミスしたんやったら反省を態度で示せとしかいうてへんて。
なんでこうなんねん」
「チンチンくくったら反省やと思うて」
「なんでチンチンなんや」
「1番大事なところですから」
「ほかにも大事なもんあるやろ」
大西は首を捻ったが思い浮かばない。
「お前にとってチンチンが1番なんや」
大西は笑顔で大きくうなずいた。
「お前、子供と同じレベルやな。
大人がいきなりチンチンみせてもビックリするだけやで。
単なる変態やんか。
第一、フリがないしな」
「フ、フリて?」
「そうか、まだフリ知らんか。
笑いはフリとオチ、緊張と緩和や」
「金魚とカンチョウ?」
「金魚に寛腸しても入らんやんか。
動くし」
「ハッハッハッ」
大西は豪快に笑った。

以後、大西は、さんまがなんば花月にやて来るたびに追いかけ回した。
そして
「何か役に立ちたい」
というひたむきな気持ちを空回りさせ続けた。
ある日、さんまがなんば花月のステージから拍手を受けながら袖に引っ込むと、コーヒー、ジュース、炭酸飲料、栄養ドリンク、10本近い飲み物を抱えた大西が待っていた。
「ど、ど、どうぞ」
「いらんて」
さんまは無視して横をすり抜けると大西は胸で抱えていたドリンクを落とした。
「アッ」
転がるドリンクを追いかけ、ステージの真ん中へ。
ステージ上の芸人もネタを中断し、拾い集め、スタッフが舞台袖から走り、大西を引っ張り出した。
さんまはその様子をあっけにとられながらみていた。
さんまが楽屋に戻ってみんなをしゃべっていると、すぐに大西がやってきて輪に入ってきた。
「なんや空か」
さんまがタバコの箱を潰すのをみると大西はすぐに反応。
さんまは後ろから肩をたたかれ、みると大西が満面の笑みでタバコを差し出した。
しかしそれはすでに封が切られている上、銘柄が違った。
「そんなんイランて」
大西はシュンとなって下がった。
その後、出番を終えて帰ってきた芸人が
「ワシのタバコ知らんか?」
といって探し始めた。
「ワシのやないか!」
「わ、渡そうと思ったんです」
「あっ?」
凄まれた大西は
「あげます」
といって逃げ出した。

公演が終了し、人がいなくなったなんば花月のロビーを掃除していた。
舞台進行係ではミスを連発させるが、掃除をすればダントツで1位。
誰よりもピカピカにきれいにする大西は、この日もモップを持って、床を隅から隅まで力をこめて丁寧に磨き、時々、床に頭を寄せてペロッとナメた。
「わっ、なんやお前」
という声がしたので見上げると村上ショージがいた。
「美味んか?」
「わりと大味です」
「そうか、出汁が足らんか・・・ていうてる場合か!
何してんねん」
「オバちゃんにナメてエエくらいキレイにせいいわれまして・・・」
「ああ、それで!
いやいや、ほんまにナメんでええやろ」
大西は、先輩のノリツッコミに頭をかきながら笑った


さんまは自分の野球チームを持っていた。
チーム名は「スティング」
由来は、1973年に大ヒットした、ポール・ニューマン、ロバート・レッドフォード主演の犯罪コメディ映画。
「野球の試合は仕事より最優先や」
というさんまは、そのときも野球のことを話していた。
「明日のメンバーそろったんか?」
(明石家さんま)
「あと1人足らんのですわ」
(村上ショージ)
「明日はナシやな。
なんか食うて寝よ」
(Mr.オクレ)
「アカン、アカン」
(明石家さんま)
それを話を聞いた大西は、息を荒くしながら寄っていった。
「んっ?」
気配に気づいたさんまが振り返ると、犬のような息をしながら自分を指差す大西がいた。
そして翌日、大西は、第1打席でホームランを放った。
悠々とベースを回る大西に、さんまやショージも大喜び。
「大西くーん、すごーい」
さんまの隣に座る女性も立ち上がって手を振った。
ミニスカートにノースリーブというファッションの女性に大西は小さく手を振り返した。
そしてますます奮起し、打席でも守備でもファインプレーを連発。


スティングが1点リードされたまま最終回に突入
9回裏2アウト満塁、バッターボックスは大西。
1発逆転の期待を背負って打席に立った大西だったが
「アンタ!
もし打たれたら別れんで
やめてや!
そしたらこの子、父(てて)なし子や」
という声がして観客席をみると日傘をさした妊婦がいた。
いかにも大阪らしいヤジに笑いが起こったが、大西は顔を引きつらせた。
そして泣き出しそうな顔のまま見送り三振。
トボトボとベンチに戻ると
「すんません、すんません」
と何度も頭を下げた。
「なんで打たんかった?」
「野次が・・・」
「野次って父なし子かいな」
「ボクが打ったら・・・父なし子はちょっと」
「アホか。
あんなん冗談に決まってるやんけ」
「冗談ですか!」
大西は怒られながら笑顔になった。


「メシいくで、メシ」
さんまの一言でスティングは移動開始。
大西は、ついていいのかわからず立ち尽くしていると、ミニスカートの女性が振り返って微笑みながら手招きしてくれたので喜んで駆け出した。
スティングはさんまのマンションの部屋に入り、ホットプレートで焼肉が始まった。
「てっなんでお前おんねん」
肉を3枚まとめて口に放り込む大西に村上ショージがツッコんだ。
「大西君、がんばったやんか」
ミニスカートの女性がフォロー。
「姐さん、なんで連れてきたん?
まだコイツ、正体もわからへんのに」
「わかる。
悪い人やない」
「お前がエエいうならエエ」
さんまがいうことで反対派は沈黙。
「かっこいい。
大好き」
さんまに抱きつくミニスカートの女性。
大西の目は、その脚に釘付けになった。
「あの、ちょ、ちょっと便所、いいですか?」
大西は股間を押さえながら立ち上がり、トイレに向かった。

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