ジミー大西  お笑いモンスターの覚醒  明石家さんまと岡本太郎に見出された天才芸人&画伯

ジミー大西  お笑いモンスターの覚醒  明石家さんまと岡本太郎に見出された天才芸人&画伯

絶対に期待を裏切らないお笑い芸人。明石家さんまに見出され「ジミー大西」となり、岡本太郎に「はみ出せ」といわれ、爆発的な笑いと癒しを与えてくれる唯一無二の存在になった。


ジミー大西は、常に絵のセットを持ち歩き、何を描いたらいいのか悩み続けた。
喫茶店でイーゼグとキャンパスを立てているところに、村上ショージたちが入ってきた。
「どしたん?
真っ白のままやんか」
「僕は一体何をしたいんですか?」
「知らんがな」
その後、仕事の迎えにきた真由美にも
「なに描こう?」
と相談。
「なんでもええんとちがいますか」
「なんでもええちゅうのが困るねん」
「オレの似顔絵なんてどう?」
Mr.オクレがいうと
「葬式の写真みたいになる」
とショージがツッコんだ。
「紳助兄さんの番組のヤツやろ。
そもそもお前、絵得意やったか?」
「全然」
「得意やないのになんでまた頼まれてん?」
「オチやからです。
何人か絵がうまい人の後に僕のヘタな絵をみせてウケたいんですって」
「ほな悩むことないやん。
ショージの顔でも描いたらええねん」
オクレはいったが、結局、その日もキャンパスは真っ白のまま。
ジミー大西はいった。
「落ち着いて描ける場所あったらなあ・・・」

そして警察犬との対決の日が訪れた。
対決といっても嗅覚で人間が犬に勝てるわけがない。
まして相手はどんな匂いでも嗅ぎ分けるように訓練された警察犬。
視聴者の笑いをとりつつ、警察犬の優秀さをアピールするという企画で、撮影には警察署長来ていて吉本の上司と話していた。
しかし目隠しをされたジミー大西は、嗅がされた匂いのするほうに真っ直ぐ這い進み、ウロウロしている警察犬より先に正解を探し当てた。
真由美は大笑いしたが、署長が激怒し、映像はお蔵入り。
上司もカンカンで真由美にいった。
「お前の責任じゃ」


真由美は毎日、1日の仕事が終わると、スケジュールを覚えないジミー大西のために明日の予定を書いた紙を渡していた。
そしてこの日、いつものように予定表を不満そうにみるジミー大西についにキレた。
「明日のことは新しいマネージャーにでも聞いてください。
今日でクビやいわれているのにやる気のない人の明日の心配するのバカバカしくなってきたわ」
「なんで真由美さんがクビなん?」
「タレントの失敗はマネージャーの責任らしいです」
「僕のせい?」
「当たり前でしょ。
でもあなたは今稼いでるからクビにすることはできない。
私が諸々をちゃんとチェックしていなかったのも悪いんです。
ミスしたらクビともいわれていましたし、ホンマ約束通りの立派な会社やわ。
よかったやん。
私のこと嫌いやったでしょ?」
「あ、あの・・・」
「ええ勉強になったわ。
今度はほんまに動物園の飼育員でもなったろうかしら。
檻の中に入ってくれてるだけアンタよりマシやわ」
「はあ?なんやそれ」
「前の倍、仕事とってきたのに文句ばっかりいって」
「そっちが勝手に入れたんやろが」
「ハッ?勝手に?
イヤなら断ってよ。
紳助さんの絵だって断ろうてお聞きしましたよね。
なんで引き受けたの?
アンタは何を考えて仕事してるの?
これからの方向性は?
目標は?
なんで下手な絵1枚描くのに何日かかってんの。
あなたは一体なにがしたいの?」
「ぼ、僕・・」
「もうええわ。
もう関わることもない。
じゃあ、さようなら」
真由美は立ち上がった。

話を聞いた明石家さんまは、ジミー大西を連れて仲裁に入った。
しかし真由美はさんまにも怒りをブツけた。
「ジミー大西ってのを芸人にしたのはさんまさんらしいですね。
やってる、やってるっていうギャグまでつくって・・・・」
「やってるやってるぅ」
真由美は、手を動かすジミー大西を睨んで黙らせた。
「さんまさんのいうことならなんでも従うようですから、もっと教育してあげてください」
「あの椎本さん・・・」
「とにかくこれ以上面倒見切れません。
お笑いなんて大嫌いです。
ジミー大西なんて大嫌いです。
それを見つけてここまで育てたさんまさんはもっと嫌いです」
真由美は最後に
「大嫌いや。
あんたはさんまが死ねいうたら死ぬ人間や」
といってジミー大西を睨みつけ、去った。
ジミー大西は、その背中をみながら
「キツッ」
とつぶやき、さんまはそれを横目でみながら
「死ね」
といった。
「よーし、わかった。
死んだらええねんな」
そして2人は笑った。
結局、さんまがクビを撤回するよう会社にかけ合い、真由美は吉本に残った。

ある日、さんまと大竹しのぶは、絵本を読んで娘のイマルと寝かせようとした。
大竹しのぶはステージで歌うように読み聞かせたが
「うるさーい」
と娘にいわれ、さんまにも
「感情込め過ぎ」
とダメ出しされた。
続いてさんまが気合を入れて面白おかしく話すと、イマルが興奮し始め、
「ダァーっ」
と叫んだ。
「オーバ過ぎ、寝ないでしょ」
と大竹しのぶにダメ出しされたさんまは、家に遊びに来ていたジミー大西を呼んだ。
ジミー大西の顔をみた途端、ベッドの中のイマルはケタケタと笑った。
「いくで」
といってジミー大西は絵本を読み始めた。
大竹しのぶやさんまに比べ、たどたどしい読み方だったが、どこかユラユラと揺れるゴンドラのような優しいリズムがあり、みるみるイマルの目はトロトロになり、気づけば寝息を立てていた。
「イマルちゃん、寝てもうた」
ジミー大西がベッドの向かい側をみると、さんまと大竹しのぶも伏せるように眠っていた。

1991年4月、吉本の会長、林正之助の葬式で
「なにかを真剣にしている人を笑ってしまう」
というジミー大西は、真剣な顔をした明石家さんまや、、真剣な顔で焼香する芸人たちをみて笑ってしまい、大ひんしゅくを買った。
また別の葬式では、焼香しようとしたが正座で脚がシビれてしまい四つんばいで移動。
徐々にズボンがズレていき、肛門丸出しでご焼香をした。


ある日の収録終わり、高速道路でジミー大西が
「お腹が痛い」
といい出した。
すぐに下道に降りたがトイレがみつからない。
顔に脂汗をうかべながら
「空き地でする」
というジミー大西を、真由美は仕方なく近くにあった自分の家に連れて行った。
「助かったわ。
ありがとう」
スッキリしたジミー大西はお礼をいった。
そして2部屋しかない真由美のアパートを見回し、奥の部屋にズカズカ入っていった。
真由美はあわててベッドルームに干してあった下着を回収し、かけ布団の下にしまった。
「なにしてるの!」
「女の人の部屋に入ったの初めてですわ」
「私も男の人入れたことない!」

「そうだ、ついでにこれ確認してください」
真由美は、以前から気になっていたお金のことをハッキリさせようと、さんまからのいいつけで預かっていた通帳を取り出した。
ベッドに座って
「今の残高はこれです」
と通帳を開いてみせようとするがジミー大西は見向きもしない。
「任せますわ」
「自分のお金ですよ。
確認していかないと」
「真由美さんが確認してくれたらええやん」
「私が使い込みでもしたらどうするの」
「それはしゃあない」
ジミー大西は、お金に無頓着だった。
通帳やキャッシュカードを持ち歩かないどころか、財布さえ持っていない。
ポケットに入れたお金が無くなれば、近くにいる誰かに借りた。
吉本の芸人は会社からもらう仕事と、会社を通さない直の仕事があり、給料明細に出ない収入もあるのだが、そういうのも確認もしない。
「ホント、無頓着ですね。
今まで人を疑ったことはないの?」
「どやろ。
真由美さん、僕のこと疑ってます?」
「なんで私が疑うの?」
「2人きりやり、僕が襲うかもしれませんよ」
ニカニカ笑うジミー大西をみて、真由美は笑った。
「はいはい、襲うならサッサッと襲ってください」
いった瞬間、ハアハアと獣のような息と重たいものがのしかかってきた。
悲鳴を上げながらはねのけるとベッドの下でズボンを下ろしたジミー大西が床に転がっていた。
「なにすんの!」
「襲っていいっていいましたやん」
「冗談に決まってるやろ!
とっとと帰れ!」
真由美にズボンを投げつけられて、ジミー大西は、半裸のまま部屋を飛び出した。

1994年、ジミー大西は、TBS「オールスター感謝祭」の「赤坂五丁目ミニマラソン」に出場。
海パン1丁で頭にバナナをつけて「馬にニンジン」ならぬ「ゴリラにバナナ」という姿で走った。
レース途中、快調に走るジミー大西を、沿道の客がエアーガンで撃った。
ジミー大西は頭にBB弾を受け横倒しになった。
すぐに病院に運ばれ、一晩入院することになった。
「ひどい」
男が笑いながら撃っていたと聞いた真由美はベッドの横で涙を流した。
検査の結果、脳に異常はなく、ジミー大西はすぐに仕事に復帰したが、数日、働いた後、真由美に1日休みをプレゼントされた。

ジミー大西はその日、早朝からさんまの家に遊びに行った。
着くと大竹しのぶが朝食を作っている最中。
ジミー大西は
「コレ、つまらないものだんですけど」
といって紙袋に入れた大量のジャガイモを渡した。
「なになに、どうしたの?
今までこんなことしたことないじゃん。
何か企んでる?
何かボスに頼み事?」
「ちゃいます」
「ホントかなあ」
基本的に大竹しのぶはジミー大西を人として好きだった。
以前、ジミー大西が、突然、引退を打ち明けにきたことがあり、そのときさんまは
(1週間もすれば気が変わるだろう)
と思って
「1週間しっかり考えろ」
といった。
そして1週間後、確認すると、ジミー大西は
「ストリッパーのヒモになります」
と答え、それを横からみていた大竹しのぶは
「あなた本当にバカね」
といった。

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