日本におけるブレイクダンスの先駆者!長女の事故死・長男の死産に打ちのめされても笑顔を絶やさず生きる風見慎吾の半生とは?

日本におけるブレイクダンスの先駆者!長女の事故死・長男の死産に打ちのめされても笑顔を絶やさず生きる風見慎吾の半生とは?

日本国民がまだブレイクダンスが何なのかも知らない頃、バラエティ番組でデビューしたばかりの初々しい青年がその魅力を広め、若者たちを魅了しました。その頃には想像もつかなかったであろう不幸を乗り越え、日本のブレイクダンスの先駆者として再び評価を受けている風見慎吾のこれまでの経歴に迫ります。


デビューのきっかけは哀川翔との出会い!?

風見慎吾(現・風見しんご)は1962年10月10日に広島県広島市に生まれました。本名を大下義博といい、地元で町工場を経営する父を見て育ったことから、エンジニアを目指していました。

東京の成蹊大学在学中だった1981年に、当時東京ビクトリークラブのメンバーだった哀川翔に志願してメンバー入りを果たし、その後、劇男一世風靡の前身である劇男零心会に加入します。後に入ってきたメンバーには野々村誠(現・野々村真)や羽賀研二などがいます。

「週刊欽曜日」のレギュラーとして芸能界デビュー

風見慎吾は翌年、「欽ちゃんの週刊欽曜日」のオーディションを受ける野々村の付き人として、後に「欽ドン」に出演することになる武野功雄とともに同行しますが、なぜか風見が合格してしまいます。合格の理由は、「有名人を前にしても萎縮することなく、バカでかい声で挨拶をしたから」だったそうです。
初々しさとマスクのよさで、風見は欽ちゃんファミリーの中でも特に若い女性の間で高い人気を得ることになります。

同郷の先輩・吉田拓郎作曲のデビュー曲で受賞!

風見慎吾は翌年の5月に、同じく広島出身の大先輩である吉田拓郎が作曲した「僕笑っちゃいます」でレコードデビューし、33万枚を売り上げます。さらに、2枚目のシングル「泣いちっちマイ・ハート」と合わせ、第16回日本有線大賞新人賞、第16回日本レコードセールス大賞(男性部門)など、歌手としての受賞が続きました。

日本に浸透していなかったブレイクダンスで若い男性ファンをも魅了

風見慎吾は1984年12月リリースの4枚目のシングル「涙のtake a chance」で、バックダンサーをしたがえた華麗なブレイクダンスを披露します。自らニューヨークで猛特訓し習得したブレイクダンスを振り付けに取り入れたこの曲は、歌番組への出演により、従来の女性ファンだけでなく10代の青少年たちをも虜にし、日本の若者たちがブレイクダンスを始めるきっかけを作りました。岡村隆史やLL BROTHERSも彼の影響を受けているといわれています。

翌年4月にリリースされた「Beat On Panic」にはラップが取り入れられており、まだヒップホップが浸透していなかった日本の音楽シーンにも新鮮な印象を残します。

長女の事故死・家庭崩壊・長男の死産……理不尽なまでに続く不幸

風見慎吾は、「週刊欽曜日」終了後も、バラエティ番組、音楽番組、ドラマ、映画、CMなどでマルチに活躍していましたが、2007年1月17日、当時10歳だった長女が2トントラックにはねられて死亡するという悲劇に遭います。以後、交通事故死亡者をなくすための講演や啓蒙活動を積極的に行い、翌年1月には、著書「えみるの赤いランドセル」を出版しました。

しかし、不幸はそれだけでは終わりませんでした。妻が病気で寝込んだり、長女の死亡当時に3歳だった次女が異常な行動をとったりするようになったあげく、名前までつけて誕生を待っていた長男を死産で失ってしまうのです。

亡き長女との思い出や交通事故に対する思いを綴った著書です。

風見しんご「えみるの赤いランドセル―亡き娘との恩愛の記」

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2016年4月、二十歳を迎えるはずだった長女への思いを綴った手記を出版。

風見しんご「さくらのとんねる」

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50代でブレイクダンスに再挑戦!驚愕の身体能力を披露

風見慎吾は、そんな度重なる不幸と折り合いをつけながら、元来の明るいキャラクターで現在も活躍を続けています。熱心なカープファンとしても知られていますよね。
現在でも、番組の企画などで「涙のtake a chance」を踊る場面を見ることがたまにありますが、さすがに20代のころのようにはいかないものの、50代とは思えない驚きの身体能力を見せてくれています。

いろいろとつらいことばかり続いた半生だったと思いますが、それらを変に売りにすることなく、いつも明るくお茶の間を楽しませてくれている彼のこれからの人生が素晴らしいものであることを願ってやみません。

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