国境を越えた20世紀最大チャリティーコンサート「LIVE AID(ライブエイド)」の出演者たち

国境を越えた20世紀最大チャリティーコンサート「LIVE AID(ライブエイド)」の出演者たち

1985年7月13日にアフリカ難民救済を目的として行われたチャリティーコンサート。「1億人の飢餓と救う」というスローガンのもと世界中のアーティストの参加により、20世紀最大のチャリティーコンサートとなりました。


LIVE AIDの経緯

1984年、エチオピアで起こった飢餓を受け、イギリスとアイルランドのロック・ポップス界のスーパースターが集まって結成されたチャリティー・プロジェクト「Band Aid(バンド・エイド)」の発起人のボブ・ゲルドフが中心となり、多くのアーティストが賛同し開催されたのが、LIVE AID(ライブエイド)です。

発起人:ボブ・ゲルドフは、ブームタウン・ラッツのリーダー(ボーカル)。
バンド・エイドでは、ボブ・ゲルドフとミッジ・ユーロによって書かれた「Do They Know It's Christmas?」参加アーティスと作成し、大きな成功を収めました。

この活動に触発される形で、アメリカではUSAフォー・アフリカが結成され、ライヴエイドなどにつながる一連の大チャリティー・ブームを巻き起こしました。

ライヴエイドは、アフリカ難民救済を目的とし「1億人の飢餓を救う」というスローガンの下、、1985年7月13日に世界の各地のライブ会場で行われました。

ボブ・ゲルドフ

ボブ・ゲルドフ - Wikipedia

ブームタウン・ラッツ

ブームタウン・ラッツ - Wikipedia

ライブ会場

メイン開催会場は、ウェンブリー・スタジアム(イギリス)、アメリカ(JFKスタジアム)でした。

日本は、協賛する形で独自にテレビでのミュージシャン出演が設定されました。
開催総時間は、計12時間となりました。
日本以外にも協賛した国や地域は、オーストラリア、西ドイツ(当時)、ソ連(当時)、ユーゴスラヴィア(当時)、ノルウェーです。
計84か国に衛星同時生中継され、録画放映分を含めて、140~150か国ともいわれています。

中継は、前半をイギリスから行われ、ポール・ヤングの出演後、アメリカとの二元中継が始まり、メインカメラは一旦アメリカの方へ移ります。
以後イギリス・アメリカ会場とだいたい交互にアーティストが歌っていき、イギリスでは、途中でアメリカに移動したフィル・コリンズを除く全ての出演者がステージに登場し「ドゥ・ゼイ・ノウ・イッツ・クリスマス?」を披露し、ロンドンのナイトクラブにいるクリフ・リチャードにアメリカのライヴ再開まで歌で時間を繋いでもらったのです。
アメリカ中継は、トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズから始まり、アメリカ会場では最後まで残った出演者がステージに登場し「ウィ・アー・ザ・ワールド」でライヴエイドのフィナーレを飾ったのでした。

なお、フィル・コリンズは、ロンドン会場出演後、コンコルドで移動し、アメリカ会場に出演したのでした。

ウェンブリー・スタジアム(イギリス)

ウェンブリー・スタジアム (1923) - Wikipedia

JFKスタジアム

ジョン・F・ケネディ・スタジアム - Wikipedia

クリフ・リチャードは、ロンドンのウエスト・エンドより、イギリスとアメリカの中継を繋ぎました。

日本での参加アーティスト

日本では、フジサンケイグループ(フジテレビとニッポン放送)が放送権を獲得し、7月13日午後9時から7月14日正午まで「THE地球CONCERT LIVE AID」と銘打って、衛星中継と日本独自の放送が行われました。テレビ中継のほか、アルタビジョンと環状8号線沿いの 用賀のデニーズの駐車場に移動式の巨大スクリーンを設置し、ライブエイドの生中継を行いました。

当時は衛星中継の技術が発達していなかったため、時々衛星の不具合で0.5秒程度中継が途切れ砂嵐になることがあったり、ブライアン・アダムス(アメリカ会場)が歌いだす直前で衛星中継が完全に途切れてしまったり、U2のパフォーマンスなどに映像が波打つようなノイズが入ったのでした。

日本の独自番組での参加アーティストと曲目は、
 オフコース「ENDLESS NIGHTS」
 矢沢永吉「苦い雨」「TAKE IT TIME」
 LOUDNESS「Gotta Fight」「CRAZY NIGHT」
 佐野元春「SHAME -君を汚したのは誰」
      ※以上の4組は、ライブ映像が、全世界に中継されました。
 チェッカーズ「ギザギザハートの子守唄」
 チャゲ&飛鳥「棘」
 杏里「16BEAT」
 さだまさし「まほろば」
 南こうせつ「風をくらって」
 安全地帯「悲しみにさよなら」
 イルカ「もう海には帰れない」
 谷村新司(アリス)「12番街のキャロル」
 長渕剛「勇次」
 HOUND DOG「BAD BOY BLUES」
 ラッツ&スター「WHAT'S GOING ON」
 THE SQUARE「OMENS OF LOVE」
 杉山清貴&オメガトライブ「ふたりの夏物語」
 白井貴子&Crazy Boys「FOOLISH WAR」
 柳ジョージとハーレム少年聖歌隊「Having A Party」
 上田正樹「東京エキスプレス」
 中原めいこ「ロ・ロ・ロ・ロシアンルーレット」
 DANGER(忌野清志郎・どくとる梅津バンド)「はたらく人々」

イギリスでの参加アーティスト

コールドストリームガーズ 軍楽隊による演奏で、来賓として招かれたチャールズ皇太子と(当時)ダイアナ妃、そしてライヴエイドの発起人のボブ・ゲルドフが会場に入場しました。
そして、ステイタス・クォー 「ロッキン・オール・オーヴァー・ザ・ワールド」でライヴエイドの幕は上がったのです。

ウェンブリー・スタジアムの参加アーティストは、 
 ザ・スタイル・カウンシル
 ブームタウン・ラッツ
 アダム・アント
 ウルトラヴォックス
 スパンダー・バレエ
 エルヴィス・コステロ
 ニック・カーショウ
 シャーデー
 スティング(元ポリス)
 フィル・コリンズ
 ハワード・ジョーンズ
 ブライアン・フェリー
 デヴィッド・ギルモア(ピンク・フロイド)
 ポール・ヤング
 アリソン・モイエ
 U2
 ダイアー・ストレイツ
 クイーン  ※「ボヘミアン・ラプソディー」等、6曲を披露
 デヴィッド・ボウイ
 ザ・フー  ※ライブ・エイドのために再結成
 エルトン・ジョン
 キキ・ディー
 ワム!  
 ポール・マッカートニー
 
ライブ・エイドイギリス会場の締めくくりは、バンド・エイド 「ドゥ・ゼイ・ノウ・イッツ・クリスマス?」を出演者全員で歌唱しました。

ボヘミアン・ラブソディを含む6曲を披露したQUEEN。

映画「ボヘミアン・ラブソディ」で、このシーンが再現されています。

アメリカでの出演アーティスト

関連する投稿


佐良直美の現在|芸能界引退と“レズ疑惑”の真相、動物愛護活動と歌手復帰

佐良直美の現在|芸能界引退と“レズ疑惑”の真相、動物愛護活動と歌手復帰

昭和を代表する正統派歌手・佐良直美。「世界は二人のために」で鮮烈なデビューを飾り、紅白13回出場、レコード大賞も受賞。1980年の“レズ疑惑”報道を機に芸能界を離れるが、その真相や復帰の理由、現在の動物愛護活動、知られざる近況エピソードまでを紹介する。


40年ぶりに蘇るRCサクセション伝説のライブ!『tvk ライブ帝国Revival RCサクセション 80’s』が放送!!

40年ぶりに蘇るRCサクセション伝説のライブ!『tvk ライブ帝国Revival RCサクセション 80’s』が放送!!

tvk(テレビ神奈川)と歌謡ポップスチャンネルがタッグを組んだ音楽番組『tvk ライブ帝国Revival RCサクセション 80’s』の放送が決定しました。


鈴木康博、南佳孝、佐藤竹善、EPOほか全11アーティストが集結!「シティポップ・スタジオLIVE vol.2」が開催!!

鈴木康博、南佳孝、佐藤竹善、EPOほか全11アーティストが集結!「シティポップ・スタジオLIVE vol.2」が開催!!

鈴木康博、南佳孝、佐藤竹善、EPOほか11組のアーティストたちの歌唱をスペシャルバンドの生演奏で贈るライヴイベント「シティポップ・スタジオLIVE vol.2」が、2025年3月28日にLINE CUBE SHIBUYAにて開催されることが決定しました。


We Are The World 世界を変えたレコーディング

We Are The World 世界を変えたレコーディング

ときは来た!今こそ世界が1つになるとき!!1枚のレコードが世界中の人々の心をつなぎ、食糧、薬品、物資となって飢えた子供たちに届けられ、1枚のレコードが人々の魂を揺り動かし、多くの命を救った。


忌野清志郎、加藤和彦、小田和正、財津和夫、森山良子…伝説のプロデューサーが愛情豊かに綴る『アーティスト伝説』が発売決定!

忌野清志郎、加藤和彦、小田和正、財津和夫、森山良子…伝説のプロデューサーが愛情豊かに綴る『アーティスト伝説』が発売決定!

新潮社より、忌野清志郎、加藤和彦、小田和正、財津和夫、森山良子などのプロデューサーとして知られる新田和長氏による書籍『アーティスト伝説 レコーディングスタジオで出会った天才たち』が発売されます。


最新の投稿


プロレス界の歴史が動く今こそ読むべき一冊! 『ようこそ、プロレスの世界へ 棚橋弘至のプロレス観戦入門』2025年12月18日(木)発売!

プロレス界の歴史が動く今こそ読むべき一冊! 『ようこそ、プロレスの世界へ 棚橋弘至のプロレス観戦入門』2025年12月18日(木)発売!

新日本プロレスの“100年に一人の逸材”棚橋弘至氏による著書『ようこそ、プロレスの世界へ 棚橋弘至のプロレス観戦入門』が2025年12月18日にKADOKAWAより発売されます。引退が迫る棚橋氏が、26年の現役生活で培った視点から、プロレスの魅力、技の奥義、名勝負の裏側を徹底解説。ビギナーの素朴な疑問にも明快に答え、プロレス観戦をさらに面白くする「令和の観戦バイブル」です。


ウルトラふろく200点以上を一挙収録!『学年誌 ウルトラふろく大全』発売

ウルトラふろく200点以上を一挙収録!『学年誌 ウルトラふろく大全』発売

小学館クリエイティブは、ウルトラマンシリーズ60周年、『小学一年生』100周年の節目に『学年誌 ウルトラふろく大全』を11月28日に発売しました。『ウルトラQ』から『ウルトラマン80』までの学年誌・幼児誌のウルトラふろく200点以上を網羅的に掲載。組み立て済み写真や当時の記事も収録し、ふろく全盛時代の熱気を再現します。特典として、1970年の人気ふろく「ウルトラかいじゅう大パノラマ」を復刻し同梱。


伝説のプロレス団体 UWF40周年記念イベント“無限大記念日”開催!

伝説のプロレス団体 UWF40周年記念イベント“無限大記念日”開催!

伝説のプロレス団体『UWF(ユニバーサル・レスリング・フェデレーション)』が、設立40周年を記念し、特別イベント「無限大記念日」を書泉ブックタワー(東京・秋葉原)にて開催します(2025年12月24日~2026年1月12日)。第1次UWFの貴重な試合映像や控室、オフショットなど、4,000枚以上のアーカイブから厳選された写真が展示されます。復刻グッズや開催記念商品も販売され、当時の熱狂が蘇ります。


グラニフ×『幽☆遊☆白書』初コラボ実現!幽助、蔵馬、飛影など全21アイテム登場

グラニフ×『幽☆遊☆白書』初コラボ実現!幽助、蔵馬、飛影など全21アイテム登場

株式会社グラニフは、TVアニメ『幽☆遊☆白書』との初コラボレーションアイテム全21種類を、2025年12月2日(火)より国内店舗および公式オンラインストアで販売開始します。主人公の浦飯幽助をはじめ、桑原、蔵馬、飛影のメインキャラクターに加え、戸愚呂、コエンマなど欠かせないキャラクターをデザイン。11月26日より先行予約も開始され、ファン必見のラインナップです。


全長20cmの迫力!1/18スケール『国産名車コレクション』創刊

全長20cmの迫力!1/18スケール『国産名車コレクション』創刊

アシェット・コレクションズ・ジャパンは、隔週刊『1/18 エクストラスケール 国産名車コレクション』を2026年1月7日に創刊します。全長約20cm、1/18スケールのダイキャスト製で、日本の自動車史を彩る名車を精巧に再現。ボディラインやエンジンルーム、インパネなどの細部ディテールにこだわった「エクストラ」なコレクション体験を提供し、マガジンでは名車の開発秘話や技術を深掘りします。