THEレイプマン

マンガ、「THE レイプマン」は、80年代にみやわき心太郎(作画)、愛崎景けい子(シナリオ)により、リイド社の「リイドコミック」から連載され、一部のファンにはかなり人気のあったマンガです(筆者もペントハウス版をこっそり愛読していました)。
2000年には男性誌「ペントハウス」から、続編の「THE レイプマン2」が連載されています。コミックスは全13巻なのですが、リイド社版のコミックスは人権団体の抗議により絶版になったそうです。
その後、シュベール出版(リイド社のアダルト部門だったそうです)で復刊したものの、これも抗議により出版は打ち切られ、また絶版となってしまいました。この経緯を知るだけでも、作品が超問題作であったというのは間違いないですよね。なにしろレイプで問題解決ですしね……。
ところが絶版になったというのに、なぜか電子書籍では読めちゃうのです! その理由は謎なのですが、版元がリイド社からゴマブックスへと移り、現在でも複数の電子書籍サイトで全巻読むことができちゃいます。
もうタイトルからして今の時代だと怒られそうな作品ですが、これは読むしかないと思いませんか? レイプマンの驚愕の世界に、きっと虜となること必至です! それでは早速「THE レイプマン」を紹介してみたいと思います。
※本稿で引用している漫画内の表現は、作品の発表当時の執筆状況を考慮し、そのまま掲載しています。
女子校教師が一転してレイプマンに変身! 道徳的にはありえない驚愕のマンガを解説!?
それにしても、もうタイトルからして「THE レイプマン」は、アウトー!って感じなのですが、80年代では特に問題もなく読まれていたというのが興味深いですよね。当時の日本の人権感覚は未熟だったって事なのでしょうか。今だとこのようなマンガが世に出ることは絶対にないと思うし、社会問題化間違いないですよね……。
簡単に作品を紹介すると、女子校教師の主人公・岩崎圭介は、小さな不動産屋をやりながらも、レイプ専門の裏仕事を請負う大滝秀治似の謎のおやっさんと共に、依頼を受けるとホッケーマスクに下半身丸出し(!) の姿でターゲット女性をレイプ、イカせて(?)報酬を得るという、そりゃあもう人権団体も怒り心頭になるよなって内容のマンガです。
ドヤーっと襲いかかるレイプマン!

レイプで問題解決する謎の勧善懲悪型ストーリーが斬新すぎる!?
しかし、なぜか人情物のようなストーリー展開と相まって、謎のいい話展開になったり、ほのぼの感、そして哀愁も味わえてしまえるため(そんなことあるのか)、伝説のカルトマンガとなったのです。当時の人気時代劇ドラマ、中村主水が主人公の「必殺シリーズ」をインスパイアしているのではとも推測します。また小池一夫マンガ的な、劇画調タッチの構成も見逃せません。
犯ってくれたのね!と依頼者に喜ばれるおやっさん!?

レイプマンの必殺技が驚愕の謎体位でイカすという謎!?
また裏仕事を完遂するためのレイプマンの必殺技(が性技なんですが)のトンデモ感は強烈で、このマンガのキモであることは間違いなく、技のネーミングが、「三浅一深」「トライアングル」「スクリュードライバー」「ヨコハチ∞(無限大)」「44マグナム」「ダブルリング」「M36」「秘技卍ハーケンクロス」と、なんじゃそれは!って突っ込みたくたくなる秘技を繰り出し、ターゲット女性をイカし(?)目的を果たすのです。
目的を果たすってのが、まあレイプなんですけどね……。この記事を読んでマンガを読まれる方は、この際これらの性技をじっくりと研究されて、彼女と実践してみるのをオススメしたいものです(レイプじゃないですよ!)。マンガを抜粋して紹介したいところですが、もうあまりにもな内容でして、掲載することができません。是非マンガを購入してレイプマンの衝撃の性技を堪能してみてくださいね♪
こうして想像を超えた性技を駆使し、問題を解決するレイプマンなのです! もう倫理的にも道徳的にもありえない設定なのですが、なぜか読後感はそこまで酷くない気がするのは気のせいですよね。
しかし依頼人の事情が物悲しさを漂わせていたり、なんとなく納得してしまう理由のおかげで、この物語が憎めなかったりもするのです。これは作者の勝利ってことでしょうか。でもまあ、問題解決のためにレイプってのはいただけませんが……(笑) それでは次に、物語を少しだけかい摘んで紹介してみようと思います!
ヤる方もヤラれる方も謎のwinwin展開になってしまうエピソードを紹介!?
【エピソードその1】
ターゲットは伸び悩むアイドル。迫真の演技が出来ず悩んでいるアイドルに、なんとプロデューサーがレイプを依頼。テレビ局内でレイプされちゃいます。しかしなんと! レイプ後のテイクでは納得の演技ができ、一皮むけたアイドルは人気女優への道へ歩み、依頼したプロデューサーは謎の満面の笑み、そしてレイプマンは、フッ、これも視聴率の為せる技さとうそぶくという、なんとも都合のいい話なのに、謎のwinwin展開に終わるのです。

ドドーン!


ま・さ・に・トンデモです!
芸能界は魑魅魍魎の人間の集まりとはいえ、いくら演技のためとはいえプロデューサーがレイプを依頼し、テレビ局内でレイプが行われるって狂っているとしか言いようがありません。さらにプロデューサーは依頼金を領収書で切るというセコさです(笑)
さあ、このような謎のいい話風で物語が進む「THEレイプマン」ですが、やはり根本的にレイプで問題解決という倫理的なおかしさは歪めません。では次のエピソードを紹介しましょう。レイプマンが俺節全開で夫婦問題を解決します!
【エピソードその2】
レズプレイにハマってしまった主婦に家に戻って欲しいと、夫はレイプマンに男の良さを知ってもらうためにレイプ依頼するという倒錯した内容です! レズにハマったから男の良さを知ってもらうためにレイプを頼むという歪んだ夫の感情がなんともはやですが、主婦はレイプマンに犯され、なんと無事夫の元に帰るといういい話となっております! その後の夫の気持ちに変化がないことを祈りたいものです。

ドドーン!



本当か!?w
女性をレイプし、イカしながらもいい話展開に持っていく、謎の人情物風ストーリーをどう理解、納得すればいいのかって気もしますが、読後感はなぜか不快感が沸かない(なことはない)のは作家の才能の賜物だといえるのではないでしょうか!(ないない)。
ではどんどん次に行ってみましょう!(笑)
それにしてもレイプマンも結構あっけらかんと仕事をしていて、また快楽に溺れやすいというのがどうなのよって感じが、トンデモ度に輪をかけていますよね……
【エピソードその3】
某デパートの女子寮に入り込んだレイプマン。なぜかターゲット以外誰もいない寮で、仕事を完遂するのですが、稀代の名器を持ったターゲットについ快楽に溺れてしまいます。仕事後におやっさんに詳細を聞いてみると……。

ドドーン!

●難なくターゲットを押し倒しコトに挑むレイプマンですが、なんとターゲットが「きんちゃく」という稀代の名器の持ち主だったようで、つい、「まいった!!」「あ…、ああ…、いい!!」「何もかも忘れて、トコトンまでイッてやる!!」と声を漏らし仕事を忘れて快楽に走っちゃったのです(ダメだろ)。


たまに快楽に溺れるレイプマンです!
そもそもレイプという異常な設定です。仕事人も肉欲に溺れることもあるのでしょうね。読み続けると、けっこうレイプマンは逆に女性にイカされそうになるシーンがあります。いい仕事じゃないですかレイプマン。イカしながらもいい話展開に持っていく、謎の人情物風ストーリーを、どう理解、納得すればいいのかって気もしますが、読後感はなぜか不快感が沸かない(なことはない)のは作家の才能の賜物だといえると思います(ないない)。
こうして、さまざまな事件(?)を解決(?)しながら、レイプマンは仕事をこなしていくのですが、ついに最終回を迎えることになります。最終話はなんと第一巻の二話目で登場したOL専門サラ金業者の女社長、稜子じゃないですか! 彼女はレイプされた恨みを果たすために殺し屋を雇ってレイプマンを襲おうとしますが、本当の理由は別にあったのです。
さあ最高に盛り上がる(?)最終回へと行ってみようじゃないですか!
さあ、最終話はどんな衝撃の展開が待ち受けているのか!?
【エピソードその4】
第一巻でレイプマンに犯され、復讐の機会を脈々と狙っていたサラ金業者の稜子は、裏社会の人間にレイプマンへの暴行を依頼します。打ち合わせ中、裏社会の男に「恨みがたまってるんだな…」と言われ、「たまってんのよ!」と何やら意味深な言葉を残す稜子です……。


ドドーン!

●レイプマンは首謀者の稜子を屈服させ、「ヌルッ」と犯すのですが、稜子は嫌がるどころか素直に受け入れ、濡れているのに気づきます。も、もしやこれは……。

めくるめく倒錯の世界ですっ!


え、これで終わり~???w
レイプというありえないコンセプトで人情劇を作るという離れ業の作風が、類まれなカルト作品になった理由か?
それにしても、80年代にこのマンガが人気だったというのも、時代のなせるわざなのかなって感じです。恨みを晴らすために裏稼業の人間にレイプを依頼という設定は、なんども書きますが、今の時代では、あ・り・え・ま・せん!! いや、当時だって普通にダメですよね! それだけ日本の人権感覚が未熟だったと言えるのでしょうねえ。
マンガ「THEレイプマン」はある種、普通の人の想像を超えたコンセプトが逆に印象に残った類まれな作品だと言えるのではないでしょうか。現代では男女差別に対しては厳しく責任を問われる時代となっています。性暴力を肯定するような作品は退場させられるのはないでしょうか。
妄想の世界は、それはそれで大切ではあるので、頭の中でちょっと危ない妄想に浸ることには問題はありません。趣味の世界と言っていいでしょう。「THEレイプマン」も男の妄想を具現化した、稀有な作品なのは間違いないと思います。この際、この作品を読んでみて、時代の変化を感じるのもいいし、自分の人権感覚を問うてみるのもいいし、すっげ、面白い!って思うのもいいかも。でも、マンガに影響を受けて性犯罪にだけは走らないようにしてくださいね! あくまでも妄想の世界でこのマンガを楽しんでください!

トダカユースケ《プロフィール》
大学卒業後、英知出版勤務。「べっぴん」「ビデオボーイ」「すっぴん」「Dr.ピカソ」編集部などで勤務。その他にも三和出版、マクセル出版など編集畑を渡り歩く。アイドル写真集を30タイトル以上制作。
出版社勤務を辞めた後、IT関連企業に入り、アイドルDVDのメーカーを立ち上げ50タイトル以上の作品を制作。独立後、携帯コンテンツ、電子書籍、ローカルテレビ、企業広告などの制作を行っている。

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