ハリウッド人気子役スターのその後

ハリウッド人気子役スターのその後

マコーレ・カルキンやドリュー・バリモア、ナタリー・ポートマンをはじめ数々の天才子役を発掘してきたハリウッド。しかし成長と共に彼らを取り巻く環境の変化は大きく「子役は大成しない」と言われることも。今回は90年代に輝いていた人気子役たちのその後にスポットを当ててみました。


90年代を代表するテレビが生んだ子役スター!!といえば双子の女優アシュレー・オルセン(Ashley Olsen)とメアリー=ケイト・オルセン(Mary-Kate Olsen)です。ふたり合わせて"オルセン姉妹"と呼ばれ一世を風靡するほど絶大な人気がありました。

ドラマ:『フルハウス』
製作総指揮:ジェフ・フランクリンほか
オープニング:ジェシー・フレデリック『Everywhere You Look』
出演者:ジョン・ステイモス、ボブ・サゲット、デイブ・クーリエ、キャンディス・キャメロン、ジョディ・スウィーティン、アシュレー・オルセン、メアリー=ケイト・オルセン、ロリ・ロックリン、アンドリア・バーバーほか

オルセン姉妹は1987年から1995年にかけて放送された大ヒットシチュエーションコメディ『フルハウス』に生後8か月の頃から出演し一躍お茶の間の人気者となります。物語は妻を事故で亡くしたダニエル・タナーが義理の弟ジェシーと小学5年生からの大親友ジョーイに助けられながら3人の娘たちを育てる子育て奮闘記。アシュレーとメアリー=ケイトはタナー家の三女ミシェルを2人1役で演じました。日本でもNHK教育テレビ(Eテレ)で全192話が放送されたほか、何度も再放送された名作です。まさにミシェルと共に成長したオルセン姉妹でしたね。

ドラマ:『ふたりはお年ごろ』(2001-2002)
オープニング:『So Little Time』by Arkarna
出演者:メアリー=ケイト・オルセン、アシュレー・オルセン、エリック・ルーツ、クレア・ケアリー、テイラー・ネグロン、ジェシー・ヘッドほか

『フルハウス』終了後も彼女たちの人気は衰えることを知らず、オルセン姉妹を主演にしたドラマや映画も多数制作されました。中でもアメリカで1998年から1999年にかけて放送されたテレビドラマ『ふたりはふたご』や『ふたりはお年ごろ』は日本でもNHK教育テレビ(Eテレ)で放送されています。その一方でファッションブランドをいくつか展開し商業的にも成功を収めるなどデザイナーとしての地位も確立。子役スターから見事セレブリティの仲間入りを果たしました。

私生活ではその人気さゆえにパパラッチに追われる日々が続きゴシップ誌の常連でもありました。しかし残念ながら2009年にアシュレーが女優業を引退。単独で活動していたメアリー=ケイトも2012年に引退を表明し、現在は共にデザイナー業に専念。メディアに姿を見せることは極端に少なくなりました。それによりほぼ当時のフルキャストで制作され2016年から配信開始となった『フルハウス』のスピンオフシリーズ『フラーハウス』へのオルセン姉妹の出演は見送られています。

ちなみに近年、映画『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』よりワンダ・マキシモフ/スカーレット・ウィッチ役として活躍しているエリザベス・オルセンは彼女たちの実の妹です。どことなく雰囲気が姉たちと似ていますよね。

ブラッド・レンフロ

子役時代のブラッド・レンフロ。

ブラッド・レンフロ(Brad Renfro)は1982年7月25日生まれのアメリカ人俳優。幼少期は貧しい生活を送っていましたが、両親の離婚を機に父方の祖母に引き取られ育てられました。趣味は詩や小説を書くことで、特に物語を創作することに関しては幼い頃よりその才能が開花。自らドラッグ禁止キャンペーンのシナリオを書き上げ自身も売人役でCM出演を果たすほどに。しかし偶然にもそこで見せた彼の演技力が高く評価され、1994年に公開された映画『依頼人』のオーディションに参加すると見事5000人の中から主演に大抜擢されました。

映画:『マイ・フレンド・フォーエバー』
原題:『The Cure』
監督:ピーター・ホルトン
脚本:ロバート・クーン
出演者:ブラッド・レンフロ、ジョセフ・マッゼロ、アナベラ・シオラ、ダイアナ・スカーウィッド、ブルース・デイヴィソンほか

※初のBlu-ray化 2021年3月26日発売

そしてレンフロを一躍有名にしたのが1995年公開の映画『マイ・フレンド・フォーエバー』。この作品で彼は主人公のエリック役を好演し、一気に人気子役スターの地位を確立するのです。エイズという重い題材をテーマとしながらも子供同士の友情を軸に展開する物語は大きな感動を呼び、映画は大ヒット!大人から子供まで幅広い年齢層に支持されました。公開時には宣伝活動のため来日もしていましたよね。

映画:『スリーパーズ』
監督:バリー・レヴィンソン
脚本:バリー・レヴィンソン
原作:ロレンツォ・カルカテラ
出演者:ジェイソン・パトリック、ケヴィン・ベーコン、ロバート・デ・ニーロ、ダスティン・ホフマン、ブラッド・ピット、ブラッド・レンフロほか

デビュー当時はその端正なルックスで特に女性ファンから多くの支持を集めていました。1996年に公開された映画『スリーパーズ』でブラッド・ピット演じるマイケル・サリヴァンの少年時代を演じたほか、『17 セブンティーン』(1997)に主演し、『ゴールデンボーイ』(1998)で再び演技が評価され、2001年公開の映画『BULLY ブリー』では主演兼アシスト・プロデューサーを務めるなど子役スターを経て若手俳優としても将来を有望視されながらも、そのキャリアは徐々に低迷し始めます。次第に私生活で問題を起こすことが多くなり逮捕されることもしばしば。様々な問題を抱えながらも決してあきらめることなく俳優活動を続けてきましたが2008年、まだ25歳という若さで急死しました。最期の出演作はビリー・ボブ・ソーントン、キム・ベイシンガー、ミッキー・ロークなど錚々たる顔ぶれと共演した映画『インフォーマーズ セックスと偽りの日々』(邦題)。彼が映画雑誌の表紙を飾ったり特集されていたあの頃を懐かしく思います。

ジョセフ・マッゼロ

映画で共演したブラッド・レンフロと。

ジョセフ・マッゼロ(Joseph Mazzello)は1983年9月21日生まれのアメリカ人俳優です。ジョー・マッゼロと表記されることも。父親は舞台芸術学校を経営し、姉と弟も俳優をしている芸能一家。デビュー作は1990年にアメリカで放送されたテレビ映画『Unspeakable Acts』でした。映画『ラジオ・フライヤー』(1992年)ではイライジャ・ウッドの弟役を演じたほか、実の弟ジョン・マゼロとも共演しています。

映画:『ジュラシック・パーク』
監督:スティーヴン・スピルバーグ
脚本:マイケル・クライトン、デヴィッド・コープ
原作:マイケル・クライトン
出演者:サム・ニール、ローラ・ダーン、リチャード・アッテンボロー、ジェフ・ゴールドブラム、アリアナ・リチャーズ、ジョセフ・マッゼロ、サミュエル・L・ジャクソン、マーティン・フェレロ、ボブ・ペック、ウェイン・ナイトほか

そんなマッゼロが最初に注目されたのは1993年。8歳で出演し世界的に大ヒットした映画『ジュラシック・パーク』です。この作品はマイケル・クライトンによる同名小説をスティーヴン・スピルバーグが監督し映画化。同作でマッゼロは子供ながら恐竜についての深い知識を持つ少年、ティム役を演じ一躍人気子役の仲間入りを果たします。そして彼の知名度をさらに高めたのがブラッド・レンフロと共演した名作『マイ・フレンド・フォーエバー』でした。この作品でHIVに感染している男の子、デクスター役を見事に演じ切り多くの観客の涙を誘いましたよね。

映画:『ボヘミアン・ラプソディ』
監督:ブライアン・シンガー
脚本:アンソニー・マクカーテン
原案:アンソニー・マクカーテン、ピーター・モーガン
出演者:ラミ・マレック、 ルーシー・ボイントン、グウィリム・リー、ベン・ハーディ、ジョセフ・マッゼロ、エイダン・ギレン、トム・ホランダー、アレン・リーチ、マイク・マイヤーズほか

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