クリスティーナ・リッチ

クリスティーナ・リッチ(Christina Ricci)は1980年2月12日生まれのアメリカ人女優です。8歳の時、学校劇に出演していた際に見いだされ、その後テレビコマーシャルに出演。映画デビューは9歳でシェール、ウィノナ・ライダー出演の『恋する人魚たち』でした。

そしてクリスティーナを一躍有名にしたのが映画『アダムス・ファミリー』シリーズです。同作はすでにアニメやドラマで人気を呼んでいたホラーコメディの映画版で、彼女は不気味な巨大屋敷に住むアダムス一家の長女ウェンズデーを演じ、映画の大ヒットと共にたちまち人気子役の仲間入りを果たしました。その後も映画『Dearフレンズ』(1995年)やスティーヴン・スピルバーグが製作総指揮を務めた映画『キャスパー』(1995年)のヒロイン、キャット・ハーヴェイ役に抜擢されるなどヒット作に恵まれます。

そんな人気子役として順調に活躍していた彼女のさらなるターニングポイントとなった作品が1998年に公開され、今なおカルト的な人気を誇るヴィンセント・ギャロ主演・監督・脚本・音楽の映画『バッファロー'66』です。本作でクリスティーナはギャロ演じるビリー・ブラウンとの淡い恋模様が話題となったレイラを好演し、見事子役スターから個性派女優へとシフトチェンジすることに成功しました。金髪でぽっちゃりロリータ風なスタイルはそれまでのイメージをガラリと変えます。演技を学んだ経験はほとんどなかったものの、デビュー当時からちょっとクセのある役柄を演じることが多かった彼女ならではのキャリアの重ね方ですね。
またこの作品では映画『冷たい一瞬を抱いて』(1996年)に続き、出世作『アダムス・ファミリー』で共演したアンジェリカ・ヒューストンとの嬉しい再々共演も果たしています。

10代・20代は立て続けにジョニー・デップと共演。映画『ラスベガスをやっつけろ』(1998年)をはじめティム・バートン監督の『スリーピー・ホロウ』(1999年)、2000年公開の映画『耳に残るは君の歌声』は3度目の共演作となります。

2003年に公開された犯罪伝記映画『モンスター』ではシャーリーズ・セロン演じるアイリーン・ウォーノスと運命的な出会いを果たす恋人セルビー・ウォール役に抜擢され、再びその高い演技力に注目が集まりました。現在もインディー系からメジャー作品までジャンルを問わず幅広く出演している実力派女優です。私生活では2013年にスタッフのジェームズ・ヒアーデゲンと結婚し翌年第一子を出産。しかし2020年、離婚を申請しました。
アンナ・クラムスキー

アンナ・クラムスキー(Anna Chlumsky)は1980年12月3日生まれのアメリカ人女優です。子供の頃からモデルとして活動し、デビュー作は1989年公開の作品『おじさんに気をつけろ』でした。

そんなアンナの出世作といえば何と言っても1991年に公開された映画『マイ・ガール』です。この作品で当時『ホーム・アローン』(1990年)の主人公ケビン役で一世を風靡していた天才子役マコーレー・カルキンと共演。友情そして幼い恋を淡く爽やかに好演し高い評価を受けました。なかでもベーダ(クラムスキー)とトーマス(カルキン)のキスシーンはとてもキュートな名シーンでしたよね。本作でわずか10歳にして子役スターの仲間入りを果たしたアンナは続編『マイ・ガール2』にも主演。13歳となりティーンにさしかかった主人公の成長を等身大の姿で演じました。

1998年アンナは学業に専念するため一度女優業を引退しています。シカゴ大学卒業後は大手出版社に就職していましたが、2005年再びカムバック。そしてアメリカで2012年からスタートしたコメディードラマ『Veep/ヴィープ』では主要キャストの1人に選ばれ、5年連続でエミー賞にノミネートされるなど、女優としてのキャリアを大復活させることに成功しました。私生活では2008年に大学の同級生と結婚し、現在二児の母となっています。
オルセン姉妹

90年代を代表するテレビが生んだ子役スター!!といえば双子の女優アシュレー・オルセン(Ashley Olsen)とメアリー=ケイト・オルセン(Mary-Kate Olsen)です。ふたり合わせて"オルセン姉妹"と呼ばれ一世を風靡するほど絶大な人気がありました。

オルセン姉妹は1987年から1995年にかけて放送された大ヒットシチュエーションコメディ『フルハウス』に生後8か月の頃から出演し一躍お茶の間の人気者となります。物語は妻を事故で亡くしたダニエル・タナーが義理の弟ジェシーと小学5年生からの大親友ジョーイに助けられながら3人の娘たちを育てる子育て奮闘記。アシュレーとメアリー=ケイトはタナー家の三女ミシェルを2人1役で演じました。日本でもNHK教育テレビ(Eテレ)で全192話が放送されたほか、何度も再放送された名作です。まさにミシェルと共に成長したオルセン姉妹でしたね。

『フルハウス』終了後も彼女たちの人気は衰えることを知らず、オルセン姉妹を主演にしたドラマや映画も多数制作されました。中でもアメリカで1998年から1999年にかけて放送されたテレビドラマ『ふたりはふたご』や『ふたりはお年ごろ』は日本でもNHK教育テレビ(Eテレ)で放送されています。その一方でファッションブランドをいくつか展開し商業的にも成功を収めるなどデザイナーとしての地位も確立。子役スターから見事セレブリティの仲間入りを果たしました。
私生活ではその人気さゆえにパパラッチに追われる日々が続きゴシップ誌の常連でもありました。しかし残念ながら2009年にアシュレーが女優業を引退。単独で活動していたメアリー=ケイトも2012年に引退を表明し、現在は共にデザイナー業に専念。メディアに姿を見せることは極端に少なくなりました。それによりほぼ当時のフルキャストで制作され2016年から配信開始となった『フルハウス』のスピンオフシリーズ『フラーハウス』へのオルセン姉妹の出演は見送られています。
ちなみに近年、映画『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』よりワンダ・マキシモフ/スカーレット・ウィッチ役として活躍しているエリザベス・オルセンは彼女たちの実の妹です。どことなく雰囲気が姉たちと似ていますよね。
ブラッド・レンフロ

ブラッド・レンフロ(Brad Renfro)は1982年7月25日生まれのアメリカ人俳優。幼少期は貧しい生活を送っていましたが、両親の離婚を機に父方の祖母に引き取られ育てられました。趣味は詩や小説を書くことで、特に物語を創作することに関しては幼い頃よりその才能が開花。自らドラッグ禁止キャンペーンのシナリオを書き上げ自身も売人役でCM出演を果たすほどに。しかし偶然にもそこで見せた彼の演技力が高く評価され、1994年に公開された映画『依頼人』のオーディションに参加すると見事5000人の中から主演に大抜擢されました。

そしてレンフロを一躍有名にしたのが1995年公開の映画『マイ・フレンド・フォーエバー』。この作品で彼は主人公のエリック役を好演し、一気に人気子役スターの地位を確立するのです。エイズという重い題材をテーマとしながらも子供同士の友情を軸に展開する物語は大きな感動を呼び、映画は大ヒット!大人から子供まで幅広い年齢層に支持されました。公開時には宣伝活動のため来日もしていましたよね。

デビュー当時はその端正なルックスで特に女性ファンから多くの支持を集めていました。1996年に公開された映画『スリーパーズ』でブラッド・ピット演じるマイケル・サリヴァンの少年時代を演じたほか、『17 セブンティーン』(1997)に主演し、『ゴールデンボーイ』(1998)で再び演技が評価され、2001年公開の映画『BULLY ブリー』では主演兼アシスト・プロデューサーを務めるなど子役スターを経て若手俳優としても将来を有望視されながらも、そのキャリアは徐々に低迷し始めます。次第に私生活で問題を起こすことが多くなり逮捕されることもしばしば。様々な問題を抱えながらも決してあきらめることなく俳優活動を続けてきましたが2008年、まだ25歳という若さで急死しました。最期の出演作はビリー・ボブ・ソーントン、キム・ベイシンガー、ミッキー・ロークなど錚々たる顔ぶれと共演した映画『インフォーマーズ セックスと偽りの日々』(邦題)。彼が映画雑誌の表紙を飾ったり特集されていたあの頃を懐かしく思います。
ジョセフ・マッゼロ

ジョセフ・マッゼロ(Joseph Mazzello)は1983年9月21日生まれのアメリカ人俳優です。ジョー・マッゼロと表記されることも。父親は舞台芸術学校を経営し、姉と弟も俳優をしている芸能一家。デビュー作は1990年にアメリカで放送されたテレビ映画『Unspeakable Acts』でした。映画『ラジオ・フライヤー』(1992年)ではイライジャ・ウッドの弟役を演じたほか、実の弟ジョン・マゼロとも共演しています。

そんなマッゼロが最初に注目されたのは1993年。8歳で出演し世界的に大ヒットした映画『ジュラシック・パーク』です。この作品はマイケル・クライトンによる同名小説をスティーヴン・スピルバーグが監督し映画化。同作でマッゼロは子供ながら恐竜についての深い知識を持つ少年、ティム役を演じ一躍人気子役の仲間入りを果たします。そして彼の知名度をさらに高めたのがブラッド・レンフロと共演した名作『マイ・フレンド・フォーエバー』でした。この作品でHIVに感染している男の子、デクスター役を見事に演じ切り多くの観客の涙を誘いましたよね。

その後も着実にキャリアを重ね、映画『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』『サイモン・バーチ』『ソーシャル・ネットワーク』ほか多くの人気作に出演。2010年に放送されたテレビドラマシリーズ『ザ・パシフィック』では主人公の1人であるユージン・スレッジ役に大抜擢されました。また同作はアメリカ連続ドラマ史上最高額の制作費とも言われ、そのスケールの大きさもたびたび話題となりましたが、「プライムタイム・エミー賞」にて作品賞(ミニシリーズ部門)を受賞するなどドラマ自体の評価も非常に高い作品でした。
そして2018年、伝説のバンド「クイーン」を描いた伝記映画『ボヘミアン・ラプソディ』でベーシストのジョン・ディーコン役を演じ、現在再び俳優として世界中から注目を浴びています。