スピッツの世界観
いくつになってもさわやかなイメージがあるスピッツ。草野さんの透明な声もありますが、楽曲自体もさわやかなイメージがありますよね。
ですがじつはスピッツの歌詞は「怖い」とも「エロい」とも言われることがあります。私的な表現が多く、変わった歌詞もおおいですもんね。歌の歌詞というのは受け取り方次第で色々な意味にとることができます。それを紐解くとくのはナンセンスかもしれませんが、今回はスピッツの「怖い」といわれる歌詞について見ていきたいと思います。
スピッツの怖い歌詞1:ロビンソン

ロビンソンは1995年4月に発売されたシングル。2020年現在、スピッツ最大のヒット曲です。リリースした当初、本人たちは「地味な曲だから売れないだろう」と思っていたそうです。それがスピッツ史上初、オリコンベスト10入りをしました。その後数カ月にわたってオリコンベスト10内をキープ。最終的には160万枚を突破しました。ベスト3に入らなかった曲の中で一番売れたシングルだそうです。じわじわ売れ続けていたんですね。
春の憂いを歌った曲というイメージがありますが、よくよく歌詞を見てみるとちょっと怖いんです。
ロビンソンの歌詞は、新しい季節の始まりを歌いながらも、切ないということを表現されています。
ですが時折幸せな描写も入り、つかの間の幸せを感じます。
特に怖いのは2番のサビの前です。
美しいメロディラインに乗せて聞いていると聞き流してしまうのですが、よくよく見てみると怖いですよね。
この歌詞は「僕」が突然「君」を待ち伏せし、(丸い窓はカーブミラー?)生まれ変わるのですから無理心中を意味しているのではないかという説があります。
もちろん、あくまで仮設で正解は分かりませんがそういわれるとそう感じてしまいますよね。
スピッツの怖い歌詞2:青い車

続いて「青い車」です。1994年7月に発売されたスピッツ9枚目のシングルです。
この曲も何となく聞いているとさわやかなドライブソングという感じなのですがよくよく歌詞を見てみるとさわやかではないんです。
これが1番の歌詞です。
まず、最初の2行で僕が君を殺したのではないかといわれています。シャツを着替えてでかけよう、というのも死装束?と思ってしまいます。
そして「海」というのは草野さんの歌詞の中では死を連想させる言葉だと言われています。だとすると「海」へ行こうというのはかなりダイレクトな心中の歌ということになりますよね。
さらに「輪廻の果てへ飛び降りよう」ですからね。この曲も心中の曲といえばそう聞こえてしまいますね。
とはいえこちらも実際のところは分かりません。
スピッツの怖い歌詞3:スパイダー

「スパイダー」はスピッツの10枚目のシングル。「青い車」と同じ「空の飛び方」というアルバムに収録されている楽曲で、アルバムからシングルカットされました。
「スパイダー」は「ロビンソン」や「青い車」とはちょっと違う怖さのある曲です。
この曲は「誘拐の曲」だと言われています。可愛い君を僕が誘拐して汚していく、、、ということですね。
軽快なメロディの曲ですが言われてみればそういう歌詞に見えますね。
さらに飛躍した解釈ですと、「可愛い君」は別の誰かに誘拐され、僕が助けに行くという説もあります。ただ、僕は「スパイダー(蜘蛛)」なのですからすべては僕が仕組んだ巧妙な罠という解釈です。
言われてみれば確かにそうとも取れます。奥が深いですよね。
草野正宗さんの作詞方法

ご紹介した楽曲の開設を草野さんが直接することはないのですが、作詞についてはインタビューなどで語られることがあります。
草野さんはいわゆる「曲先」で、先にメロディを作ってそこに言葉を当てはめていく作詞方法をされています。
草野さんは子どもの頃からタブーとされていることが好きだったそうです。隠されていると暴きたくなる性分だそうですよ。
「世間的にタブーとされていることに快感を覚える」とも発言されています。なので、ド変態とも言われています(笑)。
スピッツの歌詞によく出てくる
・月
・骸骨
・死神
・魔法
・魔女
などの言葉を使うと快感を感じるそうです。
ですが、死に対しては恐怖を感じているそうでその恐怖を和らげるために歌詞にしているのだとか。人に話すと安心したりすることがありますがそれと同じですね。この話はちょっと人間らしくてほっとしますね。
直接的な言葉を使うのがあまり好きではなく、比喩表現が多いです。ですから不思議な歌詞に感じるのでしょうね。「チェリー」の「愛してる」という歌詞はかなりスピッツでは異質です。この歌ではあえて「愛してる」という言葉を使ったというインタビューもありました。
また、歌詞は自分の実体験をもとに書く人が多いですが、草野さんはちょっとのことから大きな妄想ができるそうなので妄想を歌詞にしているようです。実体験だったらこわいですもんね。
色々と考察してきましたが、歌詞というのはあくまでイメージで答えはないと思います。草野さんの考えを聞いてもきっと答えは1つではないんだろうなと思います。むしろこのような考察をされることを喜んでいるかもしれませんね。