映画「阿寒の果つ」主人公が山口百恵オファーから五十嵐淳子になった理由とは?

映画「阿寒の果つ」主人公が山口百恵オファーから五十嵐淳子になった理由とは?

映画「阿寒の果つ」の原作は、渡辺淳一の小説で、実在した人物をモデルに描かれた作品です。この映画「阿寒の果つ」の主演は、五十嵐淳子さん(当時、五十嵐じゅん)が、女優として注目された作品にもなりましたが、実はもともと映画の主演は、山口百恵でオファーをしていたというのをご存じでしょうか。 映画公開の1975年は、山口百恵さんは高校生でした。ここでは、主人公の時任純子を演じるのが、山口百恵さん企画から五十嵐淳子さんになった理由を探っていきます。


映画「阿寒の果つ」とは

「阿寒の果つ」のあらすじ

舞台は1945年、昭和20年の北海道・札幌。

主人公の高校時代の同級生である時任純子は高校時代に「天才少女画家」と称され、世間で話題になるほどの美少女だった。彼女の才能、魅力に惹かれた画家やカメラマン、文化人といった大人たちも多くいた。


主人公の田辺俊一の初恋の相手となる純子だったが、”自分のもの”にすることはできなかった。

純子は何人もの大人たちと深い関係になっていたが、その後 阿寒湖が見える雪の峠で多量の睡眠薬を飲み、自らの命を絶ってしまう。

純子の死から20年がたち、俊一は、純子がなぜ自殺してしまったのか、その真相を突き止めようと、昔、純子と関係があった男たちを訪ね歩き、話を聞いていく。

俊一は自分が知らなかった純子の姿を目の当たりに知ることとなる。

「阿寒の果つ」で純子を演じたのは女優・五十嵐淳子

純子が実在する人物だということで、映画の内容もリアルなものであるというイメージでみていくと、五十嵐淳子さんが演じた純子像がピッタリ!と五十嵐淳子さん自身の出演代表作にもなった映画ですね。

映画撮影時の五十嵐淳子さんの年齢は22歳~23歳ということで、映画の中でのきわどいシーンも潔く?大胆に演じられていたというのが印象に残っています。

また、五十嵐淳子さん自身の容姿もモデル時代はかわいいというイメージだったのが、「阿寒の果つ」の映画の中では、あどけなく純粋な雰囲気もありつつ、妖艶な女性としての雰囲気もにじみ出ていたと、まさに「純子」だったという感じがします。

映画「阿寒の果つ」の主人公は実在した人物だった

実在した加清純子という女性


生年月日:1933年7月
出身地:北海道札幌市

死没:1952年1月23日(18歳没[2])
北海道釧路市 阿寒湖湖畔にて

出身校:北海道札幌南高等学校

父親は札幌市立幌北小学校の校長を務められ、経済的にもめぐまれて育った様です。父親が校長先生ということで、想像すると、厳格な家庭だったのかなとも思います。

兄は加清準さんで札幌トヨペット副社長、北海道テレビ放送取締役、学校法人希望学園理事長を歴任されています。弟は詩人の暮尾淳(加清鍾)、伯父は創価学会の第二代会長の戸田城聖ということです。

加清純子が通っていた札幌南高校は、札幌でNO.1(ということは北海道でもNO.1)の公立の進学校です。

札幌では加清純子さんが高校時代、そして、ミドルエッジの世代でも「東西南北」と言われる、東高校・西高校・南高校・北高校が偏差値の高さでは4本柱で、札幌南高はその中でもトップです。

現在でも高校受験の中ではやはり、札幌南高がトップというレベルの学校です。
加清純子さんは札幌女子高等学校に進学しますが、高2の春に「学区制改革」があり、札幌南高が男女共学になったことで、学校が統合されたことで、南高になります。

渡辺淳一と加清純子の関係

渡辺淳一さんが札幌南高校2年の春、加清純子さんの通っていた女子高と南高が統合したことで、二人は札幌南高校の同級生となり知り合います。

中学の時から北海道では「天才少女画家」と有名だった加清純子さんの印象は、色白で絵がとてもうまいということだったようです。

2人は同級生として特別、仲がいいというわけでもなかった様ですが、ある時、加清純子さんから「今度のあなたの誕生日、わたしが祝ってあげる」と書いた「付け文」を教室の机の中にいれられたことから、距離が縮まっていった様です。

そんな渡辺淳一さんと、「阿寒に果つ」の主人公・時任純子の関係があり、映画化されることになったこの作品ですが、もともとは、主人公の純子を当時高校生だった山口百恵をということで企画された映画だったといいます。

映画「阿寒の果つ」は山口百恵で企画された作品だった

山口百恵が映画「阿寒の果つ」を断った理由

山口百恵が『阿寒に果つ』の出演を断った理由というのは、どういうことだったのでしょう?渡辺淳一さんが、わざわざ山口百恵のための企画だった映画ですが、断った理由は?

ヌード・濡れ場シーンがあったためだといわれています。

確かに、今、それを知ると、若干16歳だった山口百恵に五十嵐淳子が演じた「純子」を演じさせるというのは、それまでのアイドル歌手・山口百恵からの脱却にもなる役どころになったことでしょう。

山口百恵の過去のヌードシーンは?

もし、山口百恵さんがもし、『阿寒に果つ』に出演していたら...、女優としてのステップアップにつながった作品になったでしょうか...。

10代で大胆ヌード・濡れ場シーンを演じ、その後大女優へと成長していった女優として思い浮かぶのは、1975年公開の映画『青春の門』に出演した大竹しのぶさんだと記憶しています。


ここでふと思うのは、山口百恵さんの女優として芸能界でやっていくという覚悟や目標の様なものがもしかしてなかった?とよぎるのですが...そんなことを思うにはやはり、山口百恵さんのプライベートな部分にある様に思えます。

三浦友和の存在

山口百恵さんの現在も夫である三浦友和さんも『阿寒に果つ』に作者・渡辺淳一の田辺俊一役として出演しています。

すでに山口百恵と三浦友和はゴールデンコンビとして、テレビドラマや映画で共演しているゴールデンコンビとして、有名でした。

その山口百恵さんも絶大なる信用を向けていた三浦友和さんが出演するにもかかわらず、山口百恵さんは「阿寒の果つ」の出演を断っていたというのも興味深いところです。

「阿寒の果つ」のストーリーを見ると、純子と俊一は、純愛という設定で、純子が大胆にも、大人の男たちと交わっていくのは、他の出演俳優たちです。

これまで山口百恵が出演したドラマや映画で、恋や愛の対象は三浦友和であったが、この「阿寒に果つ」ではそうではないというところも、ヌードや濡れ場と同じくらい大きかったのかもしれませんね。

現に山口百恵さんと三浦友和さんは、15歳と22歳で出会って、すでにそのころからお互いを意識し、三浦友和さんのその後の著書「被写体」を発表したあとのインタビューでは、「22歳の男に15歳は子供じゃない、異性だ」と言っているのですから。

もしかして、山口百恵さんは「阿寒の果つ」のオファーが来たときに、三浦友和さんに相談していたのかもしれませんね。

出会った頃の山口百恵さんを三浦友和さんは「まだ何色にも染まっていない...」と表現しています。

映画「阿寒の果つ」をもう一度見たい!

映画『阿寒に果て』の「純子」は、原作者・渡辺淳一の初恋の相手であり、のちに自らの命を絶ってしまうという実在した人物「加清純子」です。

渡辺淳一の役を「俊一」とし、純子の死までのストーリーが描かれていきますが、「魔性」と言われた純子を演じた五十嵐淳子。

その純子の役を断ったのが山口百恵。それぞれを「純子」に当てはめてみると、二つの違う「純子」が存在したのではないかと想像します。

そんな思いでもう一度この「阿寒に果つ」を見てはいかがでしょうか。

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