映画「阿寒の果つ」とは
「阿寒の果つ」のあらすじ
舞台は1945年、昭和20年の北海道・札幌。
主人公の高校時代の同級生である時任純子は高校時代に「天才少女画家」と称され、世間で話題になるほどの美少女だった。彼女の才能、魅力に惹かれた画家やカメラマン、文化人といった大人たちも多くいた。
主人公の田辺俊一の初恋の相手となる純子だったが、”自分のもの”にすることはできなかった。
純子は何人もの大人たちと深い関係になっていたが、その後 阿寒湖が見える雪の峠で多量の睡眠薬を飲み、自らの命を絶ってしまう。
純子の死から20年がたち、俊一は、純子がなぜ自殺してしまったのか、その真相を突き止めようと、昔、純子と関係があった男たちを訪ね歩き、話を聞いていく。
俊一は自分が知らなかった純子の姿を目の当たりに知ることとなる。
「阿寒の果つ」で純子を演じたのは女優・五十嵐淳子
純子が実在する人物だということで、映画の内容もリアルなものであるというイメージでみていくと、五十嵐淳子さんが演じた純子像がピッタリ!と五十嵐淳子さん自身の出演代表作にもなった映画ですね。
映画撮影時の五十嵐淳子さんの年齢は22歳~23歳ということで、映画の中でのきわどいシーンも潔く?大胆に演じられていたというのが印象に残っています。
また、五十嵐淳子さん自身の容姿もモデル時代はかわいいというイメージだったのが、「阿寒の果つ」の映画の中では、あどけなく純粋な雰囲気もありつつ、妖艶な女性としての雰囲気もにじみ出ていたと、まさに「純子」だったという感じがします。
映画「阿寒の果つ」の主人公は実在した人物だった
実在した加清純子という女性
生年月日:1933年7月
出身地:北海道札幌市
死没:1952年1月23日(18歳没[2])
北海道釧路市 阿寒湖湖畔にて
出身校:北海道札幌南高等学校
父親は札幌市立幌北小学校の校長を務められ、経済的にもめぐまれて育った様です。父親が校長先生ということで、想像すると、厳格な家庭だったのかなとも思います。
兄は加清準さんで札幌トヨペット副社長、北海道テレビ放送取締役、学校法人希望学園理事長を歴任されています。弟は詩人の暮尾淳(加清鍾)、伯父は創価学会の第二代会長の戸田城聖ということです。
加清純子が通っていた札幌南高校は、札幌でNO.1(ということは北海道でもNO.1)の公立の進学校です。
札幌では加清純子さんが高校時代、そして、ミドルエッジの世代でも「東西南北」と言われる、東高校・西高校・南高校・北高校が偏差値の高さでは4本柱で、札幌南高はその中でもトップです。
現在でも高校受験の中ではやはり、札幌南高がトップというレベルの学校です。
加清純子さんは札幌女子高等学校に進学しますが、高2の春に「学区制改革」があり、札幌南高が男女共学になったことで、学校が統合されたことで、南高になります。
渡辺淳一と加清純子の関係
そんな渡辺淳一さんと、「阿寒に果つ」の主人公・時任純子の関係があり、映画化されることになったこの作品ですが、もともとは、主人公の純子を当時高校生だった山口百恵をということで企画された映画だったといいます。
映画「阿寒の果つ」は山口百恵で企画された作品だった
山口百恵が映画「阿寒の果つ」を断った理由
山口百恵が『阿寒に果つ』の出演を断った理由というのは、どういうことだったのでしょう?渡辺淳一さんが、わざわざ山口百恵のための企画だった映画ですが、断った理由は?
ヌード・濡れ場シーンがあったためだといわれています。
確かに、今、それを知ると、若干16歳だった山口百恵に五十嵐淳子が演じた「純子」を演じさせるというのは、それまでのアイドル歌手・山口百恵からの脱却にもなる役どころになったことでしょう。