デューン/砂の惑星
Amazon.co.jp | デューン/砂の惑星 日本公開30周年記念特別版 Blu-ray BOX DVD・ブルーレイ - カイル・マクラクラン, ショーン・ヤング, スティング, ケネス・マクミラン, マックス・フォン・シドー, パトリック・スチュワート, フランチェスカ・アニス, ユルゲン・プロホノフ, ホセ・ファーラー, シアン・フィリップス, デヴィッド・リンチ
フランク・ハーバートのSF大河小説「デューン」をデヴィッド・リンチが映画化。初の原作物。制作費は120億円とも言われる大作。結果はどうだったかと言えば、残念ながら商業的にも評論家的にも大失敗となりました。
主役に抜擢されたのは、以後デヴィッド・リンチ作品の常連となるカイル・マクラクランです。そう、「ツイン・ピークス」のクーパー特別捜査官ですね。
デヴィッド・リンチにとっては意欲作だったそうですが、「デューン/砂の惑星」は何故失敗してしまったのでしょうか?
そもそも原作が長いんですよね。とても2~3時間では描き切れないという問題があります。そこに持ってきて、デヴィッド・リンチはファイナル・カットの権利を持っていなかったため、配給会社から大幅にカットされてしまい、中途半端なものになってしまったようです。メジャーはメジャーで厳しいですね。
しかし、この経験を活かし、次作ではファイナル・カットの権利を手に入れ、巻き返しを図ることになります!
ブルーベルベット
大幅に予算カットはカットされたものの、ファイナル・カットの権利を手に入れて制作された「ブルーベルベット」。まぁ、確かに小粒ではありますが、これぞデヴィッド・リンチという作品に仕上がっています。大作よりも自由を選んだということですね。
変態的な情事をのぞき見するという内容もさることながら、暴力描写や女性が全裸で外に飛び出すといった表現が賛否両論を巻き起こしたものの、アカデミーの監督賞にも再びノミネートされ、全米映画批評家協会賞やロサンゼルス映画批評家協会賞での監督賞など多くの賞を獲得し、アボリアッツ国際ファンタスティック映画祭においてはグランプリに輝いています。
復活。デヴィッド・リンチ復活です。
ブルーベルベット
主人公は前作に続きカイル・マクラクラン。ヒロインは精神的に壊れているマゾという実に難しい役どころを魅力的に演じているイザベラ・ロッセリーニ。そして、異才というか個性を発揮しまくっているのがデニス・ホッパー。もう狂気としか言いようがありません。
「ブルーベルベット」は、デヴィッド・リンチ作品の特徴である悪夢のような鮮烈な映像に、複数の題材を多く盛り込むというスタイルを確立した作品と言えますね。
以上がデヴィッド・リンチの80年代の映画作品です。4作品少ないですね。因みに90年代も4作品。そして2000年代には2作品で、2006年公開の「インランド・エンパイア」が最後となっています。テレビ作品や短編映画は数多く撮っているのですが、肝心の長編映画が少ない。
「ブルーベルベット」以降、加速度を増して素晴らしい作品のオンパレードとなるだけに、一人でも多くの方に見てもらいたいですし、デヴィッド・リンチには1本でも多くの作品を残してほしいものです。