まずは懐かしのオープニングをどうぞ!
ネロとアロアとパトラッシュが風車の前で楽しそうに踊るこのオープニング。
ネロも物語の初めは楽しそうでした。
でもひとつ気になる歌詞。
「わすれ~ないよ~このみ~ちを~ パトラッシュとあるいた~
そらに~ つづく~ みちを~」
「パトラッシュと歩いた」と過去形になってるし。
「空に続く道」も物語の結末を知っていると
「空=未来」などの明るいイメージではなく
「空=天国」と思ってしまいます。
オープニングのラストでは
ネロとパトラッシュが大聖堂の周りをまわりながら
天へと昇っていきます。
物語の結末を暗示していますよね。
ネロやアロアってどんな子供?
ネロ・ダース(Nello Daas)
アロア・コゼツ(Alois Cogez)

アロア・コゼツ(Alois Cogez)
フランダースの犬第2話 アロアと森へ- キッズ | 楽天TV
ネロは10歳。現在だと小学4年生くらいですね。
一方アロアは8歳。小学2年生くらいです。
アロアの家は大地主でお金持ち。
アロアのお父さんの態度は許せるものではなかったけれども
娘を心配する一人の父親の姿としてみると
大人になったら少しだけ理解できるようになりました。
ネロ、もう少し働けるんじゃない?
2歳の時に両親を亡くしたネロはジョセフおじいさんに引き取られて
二人で暮らしていました。
でもジョセフおじいさんも決して裕福ではありません。
むしろ貧しかった。
村の牛乳をアントワープの街まで代わりに売りに行くことで生計を立てていました。
その駄賃で毎日のパンと牛乳を賄うのがやっとの生活でした。
当時は「大変だな」「かわいそうだな」「貧乏ってつらいな」って思ってました。
でも大人になって改めて見ると
「ネロ、日中働けるよね?」
と思ってしまう私は冷たい人間なのでしょうか・・・。
10歳といえば今の日本では小学4年生~5年生くらい。
「フランダースの犬」は舞台が1870年代初め。
たいした仕事はないかもしれないけれども、下働きとか、靴磨きとか・・・
それこそ得意な絵を使って仕事にするとか。
朝におじいさんの牛乳運び手伝って、
日中はアロアと遊ぶ以外にもなにかできた気もしますね。
でもおじいさんはネロにそんなつらい思いはさせたくなかったのでしょうね。

いつも仲良しネロとアロアとパトラッシュ
世界名作劇場 フランダースの犬OP よあけのみち - YouTube
働けど働けど暮らしは楽にならず・・・
ネロもジョセフおじいさんも一生懸命牛乳売りするんですが、
アロアの家の使用人ハンスがネロを陥れようと悪巧みをしたり
アロアのお父さんもネロのことが嫌いだから(もとはハンスが吹き込んだ)意地悪したり
とにかく邪魔が入ってイライラします。
アロアのお父さんがネロを良く思わないのは親心としてうなずける部分もありますが、
ハンスはなぜネロを目の敵にするのでしょうか。
そしてなぜみんなハンスの言うことを鵜呑みにするのでしょうか。
ネロ、働く
家のためではなく、自分の画材欲しさにネロはミッシェルおじさんに仕事をもらいます。
「紙買うんじゃなくて、そのお金でジョセフおじいさんを楽にしてあげて!」
と思っていましたが、大人になってみると別の目線にも気づきました。
ネロはジョセフおじいさんに本当に大切に育てられているんですね。
ネロは実際どこまで自分の家が貧しいのか知らないんじゃないか?
ジョセフおじいさんは苦しいところを孫のネロには絶対に見せない人なのでは?
そんなことが頭をよぎります。
だからネロは無邪気に絵のことばかり考えていられるのではないでしょうか。
めっちゃ貧しいんやで・・・
絵を描いてる場合じゃないで・・・
って教えてあげたいけどできないもどかしさ。

お隣のヌレットおばさんとそのアヒルのクロ
アニメ フランダースの犬 フル動画|ネット動画配信サービスのビデオマーケット
おじいさんの死。ネロの運命の転換期。

ネロを守ってくれたおじいさんの死
フランダースの犬 第44話 おじいさんへのおみやげ アニメ/動画 -ニコニコ動画
ネロの隣に住んでいたヌレットおばさんは娘さんと暮らすため引っ越してしまいました。
その後その家に越してきた野菜売りのセルジオ。
野菜をアントワープで売るついでに牛乳もサービスで売ってあげるという。
そのためネロの牛乳売りの仕事は激減・・・。
大人たち・・・そりゃないよ・・・
義理と人情どこいった・・・
ネロは病気で寝込んでいるおじいさんに内緒で波止場での仕事も始めます。
その初めてのお給料でお肉入りのスープを作っている時
おじいさんの容体が急変。
スープを一口飲んだおじいさん
そのまま天国へ旅立ってしまいました。
ひとりぼっちのネロ。雪だるま式に事態は悪い方向へ。
おじいさんの葬儀もネロは自分ひとりで済ませました。
ハンスは相変わらず家賃を払えと言ってきます。
今までネロの支えになってくれた親友のジョルジュは
鍛冶屋の見習いとして働きに出るので、村を出ていきます。
そんな時唯一の心の支え・・・ネロはコンクールに出すための絵を描き始めます。
ミッシェルおじさんがネロに一緒に住もうを提案しても、
ネロは「絵が描けなくなる」ことを理由に断ります。
その後村の風車が火事に。
もちろんネロが疑われます。
ネロは放火犯扱いをされて、結果牛乳運びの仕事もなくなってしまいました。
大人になって思う。
本当にこの村の大人たちは何をしているんだ!
ミッシェルおじさんとかアロアのお母さんは優しいけれども。
ネロもネロ。
1人でいきがってないで、ミッシェルおじさんに甘えればいいのに。
それから、絵はもう少し落ち着いてからでよくないですか?
ネロは心の底から芸術家なんでしょうねぇ。
「パトラッシュ、疲れたろう。僕も疲れたんだ…。なんだかとても眠いんだ…パトラッシュ…」
ネロのコンクールの絵は落選。
失意のどん底に落ちるネロ。
生きる気力もなくなってしまったんでしょうね。
空腹と寒さで倒れそうになりながらも家へ向かう途中
パトラッシュは2000フランもの大金をみつけます。
それはアロアのお父さんの落し物でした。
「くすねてしまえ」と思いますがネロはもちろんそんなことはしません。
アロアの家にお金を届け、パトラッシュを託し、ネロは出ていきます。
アロアのお父さんはようやくネロの誠実さに気づきます(遅い!)
火事の原因がハンスということがわかります(遅い!)
コンクールには落選したものの、ネロの才能を認めた審査員がネロを引き取りたいとやってきます(遅い!)
もうすべてが遅い。
その頃ネロはアントワープの大聖堂へ。
いつもはカーテンがかかっているルーベンスの絵が公開されていました。
ネロの後を追ってきたパトラッシュと一緒に大聖堂でルーベンスの絵を見ながら
永遠の眠りにつくのでした。
このシーンは思い出しただけで涙が出ますね。
なんでこうなっちゃったんだろうなぁ。
ちょっと歯車が狂っただけなのに。
大人になると原因を考えたくなりますよね。
9割ハンスのせいだなと思いますが(笑)
ハンスを鵜呑みにするアロアの父
アロアの父に逆らえないアロアの母(この時代は仕方ないか)
周りを頼れないネロ
もう少しネロに生きる力をつけてやるべきだったおじいさん
いろいろな要素が絡み合ってますね。
とりあえずは実話じゃないことが救いでした。

天国へのぼるネロとパトラッシュ
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