脚本家「松木ひろし」の70年代は神がかっています。後悔しないように、これだけは見とけ!

脚本家「松木ひろし」の70年代は神がかっています。後悔しないように、これだけは見とけ!

今回ご紹介するこれらのドラマは是非とも見て頂きたい!「雑居時代」「パパと呼ばないで」「池中玄太80キロ」など名作と言われ、その後のドラマにも多大な影響を与えた松木ひろしのホームコメディドラマ。70年代の作品はどれもこれもまさに“神”。


「雑記時代」と違ってやきもきするようなラブロマンスは少ない。というか、「おひかえあそばせ」にラブストーリーを軸にしてシリアスな要素を入れ、更にブラッシュアップしたものが「雑居時代」ということになります。
あの名作「雑居時代」は、「おひかえあそばせ」という作品があったがために完成度の高いドラマになったというわけです。

パパと呼ばないで

「おひかえあそばせ」に続き、1971年10月から石立鉄男&ユニオン映画シリーズの第2作目となる「気になる嫁さん」が放送され大ヒット。ただ主演は石立鉄男というよりも、榊原るみです。松木ひろしは全40話のうち、1話~3話まで続けて担当したもののその後は飛び飛びとなり、結局7話しか担当していません。

次いで1972年10月4日から石立鉄男&ユニオン映画シリーズの3作目「パパと呼ばないで」が放送されます。


脚本
松木ひろし、向田邦子、山本邦彦、葉村彰子、窪田篤人

監督
千野皓司 他 

出演者
石立鉄男
杉田かおる
松尾嘉代
大坂志郎
三崎千恵子 他

パパと呼ばないで

これはもう、なんと言ってもチー坊こと橋本千春役の杉田かおるですね。カワイイとしか言いようがありません。石立鉄男演じる安武右京が、 姉の死去によって姪の千春を引き取り、米屋の2階に下宿することになり、そこで繰り広げられる心温まるホームドラマ。
「雑居時代」で石立鉄男が杉田かおると最初に出会うシーンで「あれ?お米屋さんの2階に居なかった?」というセリフは、このドラマがあったからなんです。

まぁ、何にしてもチー坊はカワイイ!!!

これまた大ヒット。しかし、松木ひろしは、またまた1、2話を続けて書いているものの、その後はやはり飛び飛びです。忙しかったんでしょうし、ヒット作を手掛けるのは大変なのでしょう。この作品、脚本は5人がかりとなっています。

気まぐれ天使

石立鉄男・ユニオン映画シリーズの4作目にいよいよ「雑居時代(1973年10月3日~1974年3月27日)」が登場し、1974年10月13日~1975年3月30日までがシリーズ5作目の「水もれ甲介」です。
この2作品、松木ひろしは大活躍で「雑居時代」はほとんど一人で書いていますし、「水もれ甲介」でも半分近く書いてます。

そして6作目となるのが再び石立鉄男、大原麗子コンビとなる「気まぐれ天使」です。

脚本:松木ひろし、窪田篤人、鶴島光重、若園修
音楽:大野雄二
企画:吉川斌(日本テレビ)
撮影:伊佐山厳
照明:三萩国明
美術:横尾嘉良
録音:片桐登司美
編集:西村豊治
(CAST)
石立鉄男、大原麗子、森田健作、酒井和歌子、樹木希林

気まぐれ天使

松木ひろしの脚本にこの2人とくれば、誰だって期待します!「雑居時代」よ再び!と誰もが思ったことでしょう。しかし、ちょっとばかり違うんですね。いえ、確かにこの2人は今で言うところのツンデレです。くすぐられます。
うだつの上がらない彼としっかり者の彼女。しかもその彼女はセクシーお姉さんとして深夜の人気DJときたもんだ。「雑居時代」と違って既に婚約中だけど結婚までの道が遠い。いつものようにすったもんだがあるわけです。それでこそ松木ドラマです。

松木ひろし流石にいいとこ突きます。しかしですねぇ、これ、主役はこの2人じゃないんですよ。実質的には樹木希林が主役です。石立鉄男、大原麗子コンビの出番が少ないです。一説には大原麗子の体調が悪く長時間の撮影に耐えられなかったと言われています。
それもあってでしょう。全43話とシリーズ最長であるにも関わらず大原麗子は13話で姿を消してしまいます。
松木ひろしもこのコンビに思い入れが強かったのでしょう。大原麗子が出ている13話中の12話を手掛けています。そして、その後はパラパラと。。。

「気まぐれ天使」のヒットを受けて「気まぐれ本格派」が始まったのは1977年10月です。

(STAFF)
脚本:松本ひろし 他 監督:斉藤光正 制作:ユニオン映画

(CAST)
石立鉄男、秋野太作、友里千賀子、山本学、三ツ矢歌子、吉田友紀、山口いづみ、花沢徳衛、森川正太、中条静夫、一ノ瀬康子

気まぐれ本格派

「気まぐれ本格派」は、石立鉄男・ユニオン映画シリーズの最終作です。松木ひろしは1話から6話まで続けて担当し、ラスト2話も力を込めて制作していますね。有終の美という感じでしょうか!
「水もれ甲介」と「気まぐれ天使」の間に他局で「うしろの正面」というドラマも手掛けていますし、さぞかし忙しかったことでしょうね。

池中玄太80キロ

「気まぐれ本格派」の後には「自由学校(1978年、NHK)」、「敵か?味方か?3対3(1978年、テレビ朝日)」、「消えた巨人軍(1978年、日本テレビ)」、「聖女房(1979年、日本テレビ)」と休む間もなく働き続ける松木ひろしですが、70年代最後にまたまた大きなヒット作品を作り上げます。
原案と脚本を担当した西田敏行主演の「池中玄太80キロ」です。

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