よしだたくろう が吉田拓郎になるまでの5年間。この僅か5年間で日本の音楽シーンは塗り替えられてしまいます

よしだたくろう が吉田拓郎になるまでの5年間。この僅か5年間で日本の音楽シーンは塗り替えられてしまいます

よしだたくろう はデビューしてからの5年間で、日本の音楽シーンを見事なほどに塗り替えてしまいます。それまでのフォークシンガーには成し得なかったポピュラリティを獲得し、アイドルのような存在となり、そして、大人社会にフォークは商売になると知らしめたのです。


よしだたくろう

70年代初頭「フォーク界のプリンス」と呼ばれて脚光を浴び、今なお多くのミュージシャンにリスペクトされている吉田拓郎。
今更何の説明の必要もないでしょうが、デビュー当時は「よしだたくろう」と表記されていました。


出生名:吉田 拓郎 
別名:よしだ たくろう、入江 剣 
生誕:1946年4月5日
出身地: 広島県広島市(現南区) 
学歴:広島商科大学(現:広島修道大学)卒業

よしだたくろう

吉田拓郎が「よしだたくろう」として活動していたのは1970年~1974年の約5年間です。初期。デビューから絶頂期までとも言えるかもしれません。まぁ、絶頂期と言っても吉田拓郎は今でも売れてますからねぇ。最初のピークと言った方が適切でしょうかね。
その期間に彼が作り出した音楽は、今聴き返してもグッと来るものがあります!

青春の詩

「広島フォーク村」名義の自主制作アルバム「古い船をいま動かせるのは古い水夫じゃないだろう」に参加した後、エレックレコードからシングル「イメージの詩」でデビューします。もっともエレックもインディのはしりのレコード会社ですね。

よしだたくろうの代表曲のひとつですね。「イメージの詩」は1970年 6月 1日 に発売されています。プリンスだの貴公子だのと言われていただけあって、この頃の よしだたくろう はカワイイです。
2枚目のシングルジャケットを見ると思わず抱きしめたくなる的なカワイさです。

B面:とっぽい男のバラード

青春の詩

シングル「青春の詩」から約半年後の1970年11月1日にファースト・アルバム「青春の詩」が発売されます。バックを務めたのはマックスという今となってはよっぽどの音楽通でないと分からないと思われるバンドですが、当時はバンドがソロ・アーティストのバックを務めるということは珍しかったそうですよ。

1.青春の詩(うた)
2.とっぽい男のバラード
3.やせっぽちのブルース
4.野良犬のブルース
5.男の子☆女の娘(灰色の世界II)
6.兄ちゃんが赤くなった
7. 雪
8.灰色の世界I 
9.俺
10.こうき心
11.今日までそして明日から
12.イメージの詩(うた)

青春の詩

「イメージの詩」も「青春の詩」も収録されていますが、もしかするとこのアルバムの中で吉田拓郎ファン以外にもっとも知られている曲は「雪」かもしれませんね。「猫」が歌ってスマッシュ・ヒットさせた曲です。

人間なんて

ライブアルバムを間にはさんで1971年11月20日、2枚目のスタジオアルバム「人間なんて」発売。当時は賛否あったようですが、結果としてこのアルバムによってフォークソングは市民権を得て、 よしだたくろう はアイドルのように扱われることになります。

1.人間なんて
2.結婚しようよ
3.ある雨の日の情景
4.わしらのフォーク村
5.自殺の詩
6.花嫁になる君に
7.たくろうチャン
8.どうしてこんなに悲しいんだろう
9.笑えさとりし人ョ
10.やっと気づいて
11.川の流れの如く
12.ふるさと

人間なんて

日本の音楽界にとってもエポックメイキングとなったこのアルバム。なぜそのようになったかと言えば、それはもうアルバムから2か月後にシングルカットされた「結婚しようよ 」が大ヒットしたからですね。
当時のフォークソングといえば哲学的というか、深刻なテーマを持った歌ばかりだったなか、「結婚しようよ 」は等身大というか現実的なラブソングですからね。新鮮だったわけです。

「結婚しようよ」はアルバムもシングルも同じバージョンです。が、アルバムはエレックレコードから、シングルはCBSソニーから発売されているんですよね。

元気です。

CBS・ソニーレコード移籍後初のアルバム「元気です」。1972年7月21日の発売でした。このアルバムに先駆けて「旅の宿 」が先行シングルとして発売され、よしだたくろう にとって現時点では唯一のオリコン1位を獲得しています。

因みに「旅の宿」は、シングルとアルバムではバージョンが違います。ファンの方、要注意ですよ!なんですが、当時はこうしたことは珍しかったんですよね。
どちらもアコースティクでいい感じですが、シングルの方がポップなアレンジになっています。

「旅の宿」同様にアルバム「元気です。」もオリコン1位に輝き、よしだたくろう のキャリアの中でもっとも成功したアルバムとなっています。

1.春だったね
2.せんこう花火
3.加川良の手紙
4.親切
5.夏休み
6.馬 
7.たどり着いたらいつも雨降り
8.高円寺
9.こっちを向いてくれ
10.まにあうかもしれない
11.リンゴ 
12.また会おう
13.旅の宿
14.祭りのあと
15.ガラスの言葉

元気です。

特筆すべきは、このアルバム1972年度の年間売上2位となっているのですが、1973年度の年間売上でも4位にランクされているんです。すごっ!

伽草子

1973年も よしだたくろう は2枚のシングルを発売しています。「伽草子」と「金曜日の朝」がそれですが、前年の「結婚しようよ」「旅の宿」とはまたちょっと雰囲気の違う曲です。
結婚して落ち着いたのか?というと、そんなことでもないようですが、どこかメルヘン。肩の力を抜いた感じが心地よい曲です。

シングルが素晴らしいと、当然アルバムにも期待するわけですが、1973年6月1日に発売されたアルバム「伽草子」は最高です。

1.からっ風のブルース
2.伽草子
3.蒼い風
4.風邪
5.長い雨の後に
6.春の風が吹いていたら
7.暑中見舞い
8.ビートルズが教えてくれた
9.制服
10.話してはいけない
11.夕立ち
12.新しい朝

伽草子

よしだたくろう も不機嫌そうな表情ですし、今見るとなんてことないアルバム・ジャケットですが、当時はこれがえらくカッコよく見えたんです。同じようなチェツクのシャツを買い求めたファンは数知れずでしたよ。

あ、それよりも収録曲「春の風が吹いていたら」で、奥さんとデュエットしています。これも新鮮でしたねぇ。

今はまだ人生を語らず

CBSソニーから最後となるアルバムが1974年12月10日に発売されます。同時に よしだたくろう 名義としても最後のアルバムです。
アルバムタイトル「今はまだ人生を語らず」。大きく出ました。私ごととは言えとてつもなく大きなスケールを持ったタイトルです。

1.ペニーレインでバーボン 
2.人生を語らず 
3.世捨人唄 
4.おはよう 
5.シンシア 
6.三軒目の店ごと 
7.襟裳岬 
8.知識 
9.暮らし 
10.戻ってきた恋人 
11.僕の唄はサヨナラだけ 
12.贈り物

今はまだ人生を語らず

ジャケット・デザインもカッコイイですね。ここまでの中では最高の出来栄えと言ってもいいでしょう。内容的にも捨て曲なしの大傑作!
森進一に提供した「襟裳岬」、猫に提供した「戻ってきた恋人」をセルフカバーし、「よしだたくろう&かまやつひろし」名義で大ヒットした「シンシア」も収録。

よしだたくろう の作品としては最も完成度が高いのではないかと思います。素晴らしいです。オリコン1位と商業的にも成功しています。
が、残念ながらこのアルバムは現在聴くことは出来ません。廃盤ではなく発売禁止となっています。残念ですよねぇ、これだけのアルバムが。今になって発売禁止とは。
残念といえば、「結婚しようよ」で文字どおり結婚した四角佳子と翌年離婚することになるのですが、その心情を綴った曲もアルバムには収録されています。

吉田拓郎

1975年になると、CBSソニーを離れフォーライフ・レコードを設立し移籍。よしだたくろう から吉田拓郎へと改名。四角佳子と別れ、その後「となりの町のお嬢さん(1975年 9月 25日発売)」と再婚します。

全てをリセットして70年代後半へと突き進んでいく吉田拓郎もまた魅力的ですが、70年代前半の よしだたくろう は別格も別格。まさに日本の音楽シーンを塗り替えました!

関連する投稿


タブレット純が語り尽くす!伝説の「エレックレコード」秘話&秘蔵映像を映画館で

タブレット純が語り尽くす!伝説の「エレックレコード」秘話&秘蔵映像を映画館で

神奈川県民ホールは、音楽イベント「KANAGAWA ロックサーキット」の第3弾として「タブレット純 フォークを語る~伝説のレーベル『エレックレコード』トーク&上映会~」を2026年1月23日にイオンシネマ座間にて開催します。昭和歌謡の伝道者・タブレット純氏とMUSIC LIFE CLUBの井口吾郎氏が、吉田拓郎、海援隊などを輩出したエレックレコードの知られざるアートと音楽カルチャーの軌跡を解き明かします。


『光と影』『家族』『光石の巨人』など、泉谷しげるのフォーライフ&エレック時代のデジタルリマスター音源が配信解禁!!

『光と影』『家族』『光石の巨人』など、泉谷しげるのフォーライフ&エレック時代のデジタルリマスター音源が配信解禁!!

シンガーソングライター泉谷しげるの初期作品群が、主要音楽配信サービスにてデジタルリマスター音源で現在好評配信中となっています。


北山修、紙ふうせん、トワ・エ・モワ、岡崎友紀…ライブ「あの素晴しい歌をもう⼀度コンサート2025⼤阪」が開催決定!!

北山修、紙ふうせん、トワ・エ・モワ、岡崎友紀…ライブ「あの素晴しい歌をもう⼀度コンサート2025⼤阪」が開催決定!!

⼤阪・オリックス劇場でライブ「あの素晴しい歌をもう⼀度コンサート2025⼤阪」が2025年3⽉3⽇に開催されます。このたび、同ライブにヴォーカルグループ・LE VELVETS(ル ヴェルヴェッツ)の参加が決定しました。


あの頃を思い出す「ラルフ ローレン」2024年秋キャンペーン

あの頃を思い出す「ラルフ ローレン」2024年秋キャンペーン

80〜90年代に流行した「ポロ・ラルフローレン」が再び人気を集めている。ラルフ ローレンは、あの頃を思い出す、ニューヨークをテーマにした映像を発表した。また、ニューヨーク・ヤンキースとのコラボレーションによるジャケットやミドルエッジ世代が着こなせるアイテムやコーディネートなども紹介していく。


奥田民生、田島貴男らが参加!歌謡ポップスチャンネルで『加藤和彦 トリビュートコンサート』の模様がテレビ初独占放送!!

奥田民生、田島貴男らが参加!歌謡ポップスチャンネルで『加藤和彦 トリビュートコンサート』の模様がテレビ初独占放送!!

歌謡ポップスチャンネルにて、2024年7月15日にBunkamuraオーチャードホールで開催された『加藤和彦 トリビュートコンサート』の模様がテレビ初独占放送されます。


最新の投稿


あの「デュード」がスクリーンに帰ってくる!『ビッグ・リボウスキ』全国リバイバル上映が決定

あの「デュード」がスクリーンに帰ってくる!『ビッグ・リボウスキ』全国リバイバル上映が決定

Filmarksのリバイバル上映プロジェクト「Filmarks 90's」第16弾として、コメディ映画の金字塔『ビッグ・リボウスキ』が2026年5月29日より2週間限定で全国公開されます。誤解から始まる騒動に巻き込まれながらも、マイペースを貫く男「デュード」の脱力系スタイルを劇場で体感する貴重なチャンスです。


祝6周年!「G-MODEアーカイブス」特別生放送が4月16日に開催、待望の新作も世界初公開へ

祝6周年!「G-MODEアーカイブス」特別生放送が4月16日に開催、待望の新作も世界初公開へ

ガラケーの名作を復刻する「G-MODEアーカイブス」が6周年!4月16日に開催される特別生放送では、ゲストにレトロゲームアイドル・村下小粒さんを迎え、ファン待望の「新作タイトル」を世界初公開します。デジタル遺産の保存に情熱を注ぐプロジェクトの節目を祝う、一夜限りの豪華放送の見どころに迫ります。


『To-y』連載40周年!上條淳士展示会「To-y ~帰郷~」が聖地・軽井沢で開催決定

『To-y』連載40周年!上條淳士展示会「To-y ~帰郷~」が聖地・軽井沢で開催決定

漫画家・上條淳士氏の代表作であり、音楽漫画の金字塔『To-y』。連載開始40周年を記念し、2026年4月27日より「SHARE LOUNGE 軽井沢T-SITE」にて展示会「To-y ~帰郷~」が開催されます。主人公・藤井冬威の故郷である軽井沢での初展示。貴重な原稿の公開や浅田弘幸氏を迎えたトークイベントなど、ファン必見の内容を詳しく紹介します。


昭和100周年の「昭和の日」に!懐かしのパッケージで楽しむ大人の辛口ベビースターが限定登場

昭和100周年の「昭和の日」に!懐かしのパッケージで楽しむ大人の辛口ベビースターが限定登場

2026年の「昭和の日」に合わせ、おやつカンパニーが『ベビースターラーメン(辛口スパイシーチキン味)』を発売。1959年の誕生当時をイメージした昭和レトロな復刻パッケージが、かつての子供たちを「あの頃」へ誘います。おつまみにも最適な、大人向けの刺激的な味わいと懐かしさが融合した一冊です。


祝50周年!合身ロボの先駆け『UFO戦士ダイアポロン』記念コレクションが金きゃらじゃぱんに登場

祝50周年!合身ロボの先駆け『UFO戦士ダイアポロン』記念コレクションが金きゃらじゃぱんに登場

日本初の合身ロボットアニメ『UFO戦士ダイアポロン』の放送50周年を記念し、金きゃらじゃぱんから豪華コレクションが4月に限定発売。純金カードやメモリアルメダルなど、ファン垂涎のアイテムが勢揃い。半世紀の時を超えて蘇る「アポロン・ヘッダー」たちの勇姿を、一生モノの輝きと共に手に入れるチャンスです。