ダウン・タウン・ブギウギ・バンド
宇崎竜童 率いるダウン・タウン・ブギウギ・バンド。1973年にデビューし、1980年にダウン・タウン・ファイティング・ブギウギ・バンドに改名。
1981年には解散しますが、その後はスポット的に再結成しており、1987年1にはダウン・タウン・ブギウギ・バンド・リバイバルと名乗ったこともあります。
ダウン・タウン・ブギウギ・バンド
デビュー時のメンバーは、宇崎竜童:ボーカル、トランペット、サイドギター、和田静男:リードギター、ボーカル、新井武士:ベース、ボーカル 、相原誠:ドラムス。
全盛期となると、やはりドラムスの相原誠の在籍時でしょう。デビューメンバーの相原誠は1976年に脱退してしまいます。
どん底
デビュー当時のダウン・タウン・ブギウギ・バンドは、どん底だった!ファースト・アルバムのタイトル「脱・どん底」がそれを実感させます。セカンド・アルバムのタイトルが「続 脱・どん底 」ということで、のっぴきならない状況だったことがよりリアルに伝わります。
「ウソじゃないんだ。どん底なんだ」という思い。満身創痍という言葉さえ浮かびます。
脱・どん底
アルバムタイトルもさることながら、記念すべきファースト・アルバムの1曲目が岡林信康の曲のカバーで「山谷ブルース」。生活感漂う収録曲のタイトルもただ事ではありません。
アルバムもデビュー曲「知らず知らずのうちに」も全くヒットしなかったわけですが、どん底で切羽詰まった状態は楽曲には良い影響を及ぼしたようで、魂の叫びとでも言いたくなるような尋常ではない切実感が漂っています。
セカンドアルバムに「続 脱・どん底 」と付けたことから分かるように、まだ当分はどん底状態が続くと考えていたのでしょう。
しかし、神は見ていました!
続 脱・どん底
生活感漂うシリアス路線からお調子者の軽めのブギにチェンジしたことが功を奏し、「スモーキンブギ」がスマッシュ・ヒット。続く「カッコマンブギ」、「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」が大ヒットし、一躍スターの座に上り詰めます。
ブギウギ・どん底ハウス
「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ 」で一世を風靡したダウン・タウン・ブギウギ・バンドは、おそらくレコード会社からの要望だったのでしょう、同じ路線のシングル「商品には手を出すな」を発表します。
これまたヒットしたことで、今度は全くイメージの違う「裏切者の旅」を発表。ここから本格的に宇崎竜童の才能が開花することになります。
名曲「裏切者の旅」の三か月前に3枚目のアルバム「ブギウギ・どん底ハウス」が発売されています。さすがにどん底からは脱出できたようです。
ブギウギ・どん底ハウス
アルバムには「商品には手を出すな!」は収録されているものの、「裏切者の旅」は入っていないところがシブいですね。
そして、次のシングルとなる「涙のシークレット・ラヴ」が収録されています。
あゝブルース
1976年はダウン・タウン・ブギウギ・バンド、というよりも宇崎竜童にとってターニングポイントとなりました。
先ずアルバムでは、6月にカバーアルバム「G.S. 」を発表。
G.S.
シングルは、3月の「裏切者の旅」、7月の「涙のシークレット・ラヴ 」に続いて、11月に「沖縄ベイ・ブルース」を発表します。どれも良い曲なんですよね。
そして12月にアルバム「あゝブルース Vol.1」と「あゝブルース Vol.2」を同時発売します。先行発売の「沖縄ベイ・ブルース」はVol.1に収録されています。
あゝブルース Vol.1
そして何とVol.2には「裏切者の旅」が!
あゝブルース Vol.2
実室的には2枚組の大作ですが、翌年にはライブアルバム「あゝブルース Vol.3」も出ていますから、ブルースはよほど気に入ったテーマだったのでしょう。
あゝブルース Vol.3
そして1976年は、6月の「横須賀ストーリー」を皮切りに宇崎竜童による山口百恵への楽曲提供が始まった年です。
それまで都倉俊一が手掛けていた昭和の歌姫:山口百恵の楽曲を宇崎竜童がメインで担当することになり、それは山口百恵が引退する1980年まで続きます。
奇しくも山口百恵の引退と同時にダウン・タウン・ブギウギ・バンドも解散することになるのですが。。。
バックストリート
明けて1977年。ドラムスの相原誠が抜けてしまっても依然快調なダウン・タウン・ブギウギ・バンドは、もう、どん底生活だけは御免だとでも言わんばかりにシングル「サクセス」をヒットさせます。
9月にやたらと重厚感のあるシングル「身も心も 」、翌月にはアルバム「身も心も 」を発表。もうこの頃は山口百恵での成功もあったからでしょうが、大御所と言った雰囲気で宇崎竜童にも楽曲にも貫録すら漂っています。
身も心も
しかし、1978年になると、これじゃイカンと思ったのか、「あゝブルース」に代わる興味あるテーマが見つかったからか、以前のお調子者のチンピラに戻ってブギをかましてくれます。
ジャケットからも漂うテディボーイな佇まい。「あれ!」収録の1978年9月発売のアルバム「バックストリート」です。
バックストリート
1978年12月「バック・ストリート・パート2 」、翌年に「ライブ!バックストリート」と、2年前の「あゝブルース」と同じような流れでアルバムを発売し、やりきったのか、力尽きたのか、1980年ダウン・タウン・ファイティング・ブギウギ・バンドと名前を変えた後、1981年に解散したのでした。