男性タレント部門・第3位(6社)…植木等
60年代の大ヒット番組『シャボン玉ホリデー』(日本テレビ系)における「お呼びでない ?…こりゃまた失礼いたしました!」の一発ギャグで一世を風靡した植木等。

植木等
植木等伝「わかっちゃいるけど、やめられない!」 | 戸井 十月 |本 | 通販 | Amazon
1991年時点における彼の年齢は64歳。なぜ還暦を過ぎた、フレッシュさの欠片もない大御所が今さらCMランキング上位に食い込んだかといえば、前年1990年にリリースした自身のヒット曲メドレー『スーダラ伝説』が話題を呼び、24年ぶりに出場した『NHK紅白歌合戦』では歌手別最高視聴率56.6%をたたき出すという快挙を成し遂げたからに他なりません。
それに、CMキャラクターとして契約した企業の幹部クラスには、おそらく、植木を見て青春時代を過ごした人も多いはずですし、だからこそ、狂い咲きのように多数のCMへ出演するに至ったのでしょう。
男性タレント部門・第3位(6社)…柳葉敏郎
植木等、田原俊彦、真田広之とともに第3位にランクインしたのは、当時30歳の柳葉敏郎。80年代後半より、トレンディドラマの常連俳優として知られていた彼は、日本中央競馬会(JRA)や資生堂のコンビニエンスストア専用ブランド「wing」など、計6社のCMに出演しました。
女性タレント部門・第3位(6社)…工藤夕貴
90年代後半以降は、ハリウッド挑戦でも話題になった女優・工藤夕貴。1990年には、今井正監督の遺作『戦争と青春』に主演してブルーリボン賞主演女優賞を獲得。女優として一角の成功を収めていたときに、CMランキング上位に食い込みました。それにしても、当時20歳になったばかりで、CHOYA「ウメッシュ」のCMに起用するのは、ちょっと早すぎではないでしょうか?
女性タレント部門・第3位(6社)…有森也実
1991年1月クールに放送され、爆発的大ヒットを飛ばしたドラマ『東京ラブストーリー』。本作に出演した有森は、カンチを惑わす優柔不断な役どころということもあり、脅迫状を送られたほどの嫌われ女優だったのですが、1991年におけるCM契約数は主演の鈴木保奈美と並ぶ6本を記録しました。
男性タレント部門・第2位(7社)…織田裕二
1990年CMランキング1位のとんねるず、翌年から5年連続CMランキング1位に君臨する所ジョージと共に男性部門第2位に輝いたのが、当時23歳の織田裕二です。

織田裕二/サンテFX
▲F1892/珍品ポスター/織田裕二/サンテFX▲ - ヤフオク!
1987年の東映映画『湘南爆走族』、1989年の東宝映画『彼女が水着にきがえたら』、1990年のTBSドラマ『予備校ブギ』で徐々に知名度を高めていった織田は、『東京ラブストーリー』への出演で一躍スターになります。ちなみに、物まね芸人・山本高広の「キターッ!」の元ネタ『サンテFX』のCMも、このくらいの時期から放送開始となりました。
女性タレント部門・第2位(7社)… 桜井幸子
14歳の観月ありさと共に、第2位となったのは、当時17歳の桜井幸子。当時の彼女は、デビューしてわずか2年目。1993年のTBSドラマ『高校教師』でブレイクする前です。
しかし、早くからテレビドラマに端役として出演したり、ウンナンの『やるならやらねば!』(フジテレビ系)のコントに登場したりと、さまざまな場面で活躍していました。
男性タレント部門・第1位(8社)…加勢大周
織田裕二と吉田栄作とともに、「トレンディ御三家」(平成御三家)と呼ばれ、90年代前半はドラマに出演しまくっていた加勢大周が、堂々の第1位に。コカ・コーラやロッテのアーモンドビッグバーなど、大手企業のCMに多数出演していました。
この年で俳優として確固たる地位を築いた加勢は、同年に勃発した個人事務所設立に伴う芸名使用に関するトラブルも乗り越え、しばらくは主演起用が続いていましたが、ヒット作に恵まれず。いつしかテレビで見かけなくなり、2008年には覚せい剤所持で逮捕され、現在は芸能界から距離を置いて暮らしているようです。
女性タレント部門・第1位(8社)… 牧瀬里穂
1991年の女性タレント・CM起用社数ランキング第1位は、同率で3名がランクインしています。前年1位の宮沢りえ、前年2位の小泉今日子、そして、圏外からジャンプアップした牧瀬里穂です。
1989年12月に放送したJR東海「クリスマス・エクスプレス」のテレビCMで、一躍、注目の若手女優となった彼女は、1991年に映画『幕末純情伝』に主演起用されたり、竹内まりや作詞・作曲の『Miracle Love』で歌手デビューしたりと八面六臂の大活躍。清廉でさわやかな彼女のイメージに各企業は飛びつき、見事19歳にして、CMクイーンの座に輝いたのでした。
(こじへい)