81年に『キッスは目にして!』が大ヒットしたザ・ヴィーナス

81年に『キッスは目にして!』が大ヒットしたザ・ヴィーナス

1981年にヒットしたシングル『キッスは目にして!』。ベートーヴェンの「エリーゼのために」に、阿木燿子が日本語詞をつけたこの曲を演奏していたのが、『ザ・ヴィーナス』というバンドです。今回は、オールディーズ風アレンジを施した数々の楽曲を残していた彼らについて紹介していきたいと思います。


80年代オールディーズサウンドの旗手『ザ・ヴィーナス』

J‐POPの歴史は、洋楽のカバーから始まりました。戦後日本において、戦勝国・アメリカへの憧憬に根差して徐々に広まっていった洋楽模倣の文化は、60年代初頭、「カバーポップス」というカタチで花開き、弘田三枝子や中尾ミエなどの人気歌手を輩出します。そのカバーポップスの精製過程で生まれたのが和製ポップスであり、以降、さまざまな換骨奪胎を繰り返し、現代のJ‐POPへと至ったというわけです。

そんなカバーポップスブームをおよそ20年の時を経て再現するかのように、オールディーズサウンドによる多彩な楽曲を発表したバンド。それが今回紹介する『ザ・ヴィーナス』でした。

ザ・ヴィーナス

Amazon | ゴールデン☆ベスト | ザ・ヴィーナス | J-POP | 音楽 通販

映画『アメリカン・グラフィティ』をきっかけに起こったオールディーズブーム

ザ・ヴィーナスの結成は、1974年のこと。奇しくもちょうど、ジョージ・ルーカスの青春映画『アメリカン・グラフィティ』が日本で公開したタイミングと重なります。
ベトナム戦争前の「楽しかった頃のアメリカ」を描いた同作では、さまざまなオールディーズが全編にわたって散りばめられていることでも有名。これをきっかけとしてアメリカではリバイバルブームが起こり、80年代初頭、日本もその熱にほだされて、オールディーズサウンドが一つの流行となったのです。

アメリカン・グラフィティ

Amazon.co.jp | アメリカン・グラフィティ ユニバーサル思い出の復刻版 ブルーレイ [Blu-ray] DVD・ブルーレイ - リチャード・ドレイファス, ロン・ハワード, チャールズ・マーティン・スミス, ポール・ル・マット, シンディ・ウィリアムズ, ウルフマン・ジャック, ジョージ・ルーカス

1980年からアメリカンオールディーズ専門のバンドとなった

このブームを受けて、1980年初頭にザ・ヴィーナスは、アメリカンオールディーズ専門のバンドへとシフト。これと同時に、アメリカン・トラディショナル・ブランド・VANの社員をコーディネーターに据え、ビジュアルイメージも刷新します。

なによりも変わったのは、メンバーの名前。それまでは、普通に漢字名でクレジットされていたところから、「阿部明美⇒CAROL」「中西隆士⇒JOHNNY」といったように、特に本名と共通点のないオールディーズ・アーティストの名前に変更したのです。

初期の頃はフォークシンガー風のビジュアルだった

デビューシングルの『イブの匂い』

7”★ビーナス「イブの匂い」~THE VENUS/ヴィー... - ヤフオク!

1980年時点でのメンバー

CAROL(阿部明美・ヴォーカル)

Amazon | LOVE POTION No.1 | ザ・ヴィーナス | J-POP | 音楽 通販

芸名の元ネタと思われるミュージシャン⇒キャロル・キング。

キャロル・キング

Amazon | ベスト・オブ・キャロル・キング | キャロル・キング | ポップス | 音楽 通販

アメリカの女性シンガーソングライター。1960年代に当時の夫・ジェリー・ゴフィンとソングライター・コンビを組み、数々の名曲を生み出しました。シルヴィ・ヴァルタンやカイリー・ミノーグがカバーしたことでもお馴染みの『ロコ・モーション』も、彼女とジェリーが手掛けた楽曲。

CONY(石川幸子・ヴォーカル)

ザ・ヴィーナス 【キッスは目にして!】 1981 - YouTube

芸名の元ネタと思われるミュージシャン⇒コニー・フランシス

コニー・フランシス

Amazon | Gold | Connie Francis | イージーリスニング | 音楽 通販

イタリア系アメリカ人の歌姫。1962年に発表した『ヴァケイション』は、日本でも知名度の高い洋楽のスタンダードナンバー。

1981年の『キッスは目にして!』が大ヒットする

彼ら最大のヒット曲が、1981年にリリースされた『キッスは目にして!』です。カネボウ秋のキャンペーン・イメージ・ソングになった同作は、ベートーヴェンの「エリーゼのために」をオールディーズ風にアレンジした楽曲。阿木燿子が作詞をつとめたこの曲は、全日本有線放送大賞・優秀スター賞を獲得しました。

関連する投稿


【1975年】50年前に一番売れた曲は『昭和・・・』オリコン年間トップ10を振り返る!

【1975年】50年前に一番売れた曲は『昭和・・・』オリコン年間トップ10を振り返る!

今から50年前の1975年、歌謡界ではどのような曲がヒットしたのでしょうか。今回は、オリコンの年間シングルチャートトップ10を紹介し、ミドルエッジ世代の方にとって、恐らく聴きなじみがあるであろう10曲を振り返ります。第1位は、・・・・あのデュオの曲です。


【1981年の洋楽】なぜこんなことに・・・原題と違いすぎる不思議な邦題7選!

【1981年の洋楽】なぜこんなことに・・・原題と違いすぎる不思議な邦題7選!

洋楽の邦題というと、最近は原題をそのままカタカナにすることがほとんどですが、1980年代は日本語を使って新たな邦題を作るのが一種の慣例でした。中には、原題と違いすぎて不可解なものもあり、アーティストから苦情があったことも!? 今回は、1981年の洋楽の中から、原題と異なる邦題7選をご紹介します。


地方博覧会ブームの火付け役となった「ポートピア‘81」

地方博覧会ブームの火付け役となった「ポートピア‘81」

神戸港の人口島ポートアイランドが会場となった神戸ポートアイランド博覧会。愛称は「ポートピア‘81」。


【間柴茂有】戦後初の勝率10割!日本ハム19年ぶりの優勝に貢献した投手!

【間柴茂有】戦後初の勝率10割!日本ハム19年ぶりの優勝に貢献した投手!

投手のシーズン勝率10割といえば、記憶に新しいところでは、2013年の楽天・田中将大投手の24連勝を思い浮かべる人が多いかもしれません。実は、戦後に限ると、過去にもう一人いました。それが、1981年の日本ハム・間柴茂有投手。今回は、間柴投手の勝率10割と日本シリーズの成績を振り返ります。


【1981年】「祐子と弥生」って覚えてる!? 日本レコード大賞新人賞の受賞曲は!?受賞者は今!?

【1981年】「祐子と弥生」って覚えてる!? 日本レコード大賞新人賞の受賞曲は!?受賞者は今!?

昔は大晦日の夜といえば、テレビの前で一家団欒。『日本レコード大賞』と『紅白歌合戦』をはしごして視聴した方が多かったことでしょう。中でもドキドキするのが、日本レコード大賞の「大賞」と「最優秀新人賞」の発表の瞬間。今回は、日本レコード大賞の「新人賞」にフォーカスし、受賞曲と受賞者の今についてご紹介します。


最新の投稿


サンリオの原点が60年ぶりに復刻!やなせたかし初の市販詩集『詩集 愛する歌』が2026年4月に発売決定

サンリオの原点が60年ぶりに復刻!やなせたかし初の市販詩集『詩集 愛する歌』が2026年4月に発売決定

サンリオの出版事業第1号であり、「アンパンマン」の生みの親・やなせたかし氏の初市販詩集『詩集 愛する歌』の復刻が決定。1966年の初版本を忠実に再現し、2026年4月1日に発売されます。NHK連続テレビ小説「あんぱん」でも注目を集める本作は、やなせ氏とサンリオ創業者の絆から生まれた伝説の一冊です。


「ひふみん」の愛称で親しまれた将棋界のレジェンド・加藤一二三九段が死去 86歳

「ひふみん」の愛称で親しまれた将棋界のレジェンド・加藤一二三九段が死去 86歳

「ひふみん」の愛称で親しまれた将棋界のレジェンド・加藤一二三九段が1月22日、86歳で死去しました。「神武以来の天才」として14歳でプロ入りし、現役最長62年の記録を樹立。大山康晴十五世名人らとの激闘や藤井聡太竜王との対局など、将棋界に残した偉大な功績と、誰からも愛されたその生涯を振り返ります。


『北斗の拳』×『花の慶次』札幌で「漢の生き様」を体感!限定グッズ満載のPOP UP SHOPが開催

『北斗の拳』×『花の慶次』札幌で「漢の生き様」を体感!限定グッズ満載のPOP UP SHOPが開催

『北斗の拳』と『花の慶次 ―雲のかなたに―』の熱き世界観が融合した「漢の生き様 POP UP SHOP」が、2026年1月16日よりMARUZEN & ジュンク堂書店 札幌店にて開催。名場面を再現したアクリルジオラマやステッカーなど、ファン垂涎のグッズが勢揃い。購入特典には伝説の「でかいババア」も登場します。


徳永英明、40周年記念盤『COVERS』に玉置浩二、吉井和哉らが賛辞!豪華コメント到着

徳永英明、40周年記念盤『COVERS』に玉置浩二、吉井和哉らが賛辞!豪華コメント到着

1月21日に発売される徳永英明のデビュー40周年記念アルバム『COVERS』。そのリリースを前に、楽曲のオリジナルアーティストである根本要(スターダスト☆レビュー)、吉井和哉、玉置浩二、AIから祝福のコメントが到着した。名曲たちが徳永の歌声でどう生まれ変わるのか、アーティスト間のリスペクトが垣間見えるメッセージと共に紹介する。


不朽の名作『銀牙 -流れ星 銀-』の限定グッズが復刻!「カワセルくじ」でファン待望の再販スタート

不朽の名作『銀牙 -流れ星 銀-』の限定グッズが復刻!「カワセルくじ」でファン待望の再販スタート

高橋よしひろ氏による不朽の名作漫画『銀牙 -流れ星 銀-』のオンラインくじが、ファンの熱烈な要望に応え「カワセルくじ」にて復刻再販を開始しました。ビッグサイズのクッションや名シーンを再現したハンカチ、ユニークなパズル型キーホルダーなど、ここでしか手に入らない限定グッズが多数ラインナップされています。