【1981年の洋楽】なぜこんなことに・・・原題と違いすぎる不思議な邦題7選!

【1981年の洋楽】なぜこんなことに・・・原題と違いすぎる不思議な邦題7選!

洋楽の邦題というと、最近は原題をそのままカタカナにすることがほとんどですが、1980年代は日本語を使って新たな邦題を作るのが一種の慣例でした。中には、原題と違いすぎて不可解なものもあり、アーティストから苦情があったことも!? 今回は、1981年の洋楽の中から、原題と異なる邦題7選をご紹介します。


『ニューヨーク・シティ・セレナーデ』

某自動車メーカーのCMでお茶の間でもおなじみ、日本でも大人気だったクリストファー・クロス『ニューヨーク・シティ・セレナーデ』。原題も当然、カタカナを英語にした『New York City Serenade』と思っていた方も多かったことでしょう。サビの歌詞でも、"When you get caught between the moon and New York City" のように、"ニューヨーク・シティ" という言葉が登場するので当然の発想です。



ところが、実際の原題は『Arthur's Theme (Best That You Can Do)』、日本語に訳すと『アーサーのテーマ』。実は元々は、1981年のアメリカのコメディ映画『ミスター・アーサー』の主題歌として制作された楽曲で、世界的にも映画の主題歌という認識が主流のようです。第54回アカデミー賞ではアカデミー歌曲賞を受賞し、全米シングルチャートでもナンバーワンを獲得しています。

『クリスタルの恋人たち』

『クリスタルの恋人たち』は、ローズ・ピアノのサウンドをベースに、グローヴァー・ワシントン・ジュニアのサックス、ビル・ウィザースのボーカルがメロディを奏でる楽曲。全米シングルチャートでは年間18位、第24回グラミー賞では最優秀R&B楽曲賞を受賞した歴史的ヒット曲です。日本でも、久保田利伸のカバー・シングルを筆頭に、近年も多くのアーティストがカバーしています。



原題は『Just The Two Of Us』で、意味は「私たち二人だけ」。

1番、2番の冒頭の歌詞に、



I see the crystal raindrops fall

(クリスタルのような雨粒が落ちるのを見ている)



I hear the crystal raindrops fall

(クリスタルのような雨の音が聞こえる)



のように "クリスタル" という言葉が登場するので、邦題はこれらを引用したのかもしれません。

『夢見るNo.1』

『夢見るNo.1』は、『コール・ミー』の世界的ヒットで有名なブロンディの楽曲で、本曲もまた米英のシングルチャートでナンバーワンを獲得した大ヒット曲です。原曲は、ジャマイカのレゲエ・バンド、パラゴンズの1967年の楽曲。本曲は、その最初のカバーです。



原題は『The Tide Is High』で、意味は「潮が高い」。恐らく「恋敵が多くて大変なこと」の比喩表現なのでしょう。曲中には、



The tide is high but I'm holdin' on

(ライバルが多くて大変だけど頑張っているわ)

I'm gonna be your number one

(私はあなたのナンバーワンになるわ)



というフレーズが繰り返し登場します。後者の歌詞から、"No.1" というタイトルが付けられたのかもしれません。

『シーサイド・ラヴ』

日本でもファンの多い、オーストラリア出身のソフトロック・デュオ、エア・サプライ。本曲『シーサイド・ラヴ』は、彼らにとって唯一、全米シングルチャートでナンバーワンを獲得した代表曲です。



原題は当然、カタカナを英語にした『Seaside Love』かと思いきや、実際は『The One That You Love』で、意味は「あなたの愛する人」。歌詞を見ても、海に関するフレーズは全くありません。エア・サプライというと海のイメージが強いので、意図して "シーサイド" と付けたのでしょうか。

『9時から5時まで』『9 to 5 (モーニング・トレイン)』

1981年、アメリカでは奇しくも2曲の "9 To 5" という曲が大ヒットしました。



一つがドリー・パートン、もう一つがシーナ・イーストンの楽曲です。厳密には、シーナ・イーストンの曲名は、ドリー・パートンの曲名との混乱を避けるため、北米向けに『Morning Train (Nine To Five)』というタイトルが付けられました。いずれも、全米シングルチャートでナンバーワンを獲得する大ヒットを記録しています。



一方の邦題は、ドリー・パートンの方が『9時から5時まで』シーナ・イーストンの方が『9 to 5 (モーニング・トレイン)』。ある意味、原題に忠実と言えますが、ドリー・パートンの方は、自身が主演したコメディ映画『9時から5時まで』と同じタイトルにして合わせたということなのでしょう。

『暴走マイライフ』

『暴走マイライフ』は、ボブ・シーガー&ザ・シルヴァー・ブレット・バンドのヒット曲で、原曲は1972年のオーティス・クレイの楽曲です。ただし、オーティス・クレイ版は『愛なき世界で』という別の邦題が付けられています。



原題は『Tryin' To Live My Life Without You』で、意味は「俺は君なしで自分の人生を生きようとしている」。歌詞には、



I used to smoke five packs of cigarettes a day

(1日にタバコを5箱吸っていた)



I'd drink four or five bottles of wine

(ワインをボトルで4, 5本飲むよ)



といったフレーズがあり、いかにも "暴走" という雰囲気を醸し出しています。

関連する投稿


【1965年生まれ】2025年還暦を迎える意外な海外アーティストたち!

【1965年生まれ】2025年還暦を迎える意外な海外アーティストたち!

2025年(令和7年)は、1965年(昭和40年)生まれの人が還暦を迎える年です。ついに、昭和40年代生まれが還暦を迎える時代になりました。今の60歳は若いとはと言っても、数字だけ見るともうすぐ高齢者。今回は、2025年に還暦を迎える7名の人気海外アーティストをご紹介します。


レトロゲーム配信サービス「プロジェクトEGG」より『トラぶるCHASER 第1話』『3Dテニス』が配信スタート!!

レトロゲーム配信サービス「プロジェクトEGG」より『トラぶるCHASER 第1話』『3Dテニス』が配信スタート!!

レトロゲーム関連の復刻・配信ビジネスなどを行うD4エンタープライズが運営するレトロゲーム配信サービス「プロジェクトEGG」にて、新規コンテンツ『トラぶるCHASER 第1話 トラブルは空から未来から(PC-9801版)』『3Dテニス(MSX版)』の配信がスタートしました。


『オホーツクに消ゆ』と北海道紋別市がコラボ!ゲームに登場するシーンを使用したアクリルジオラマが「ふるさと納税返礼品」に!

『オホーツクに消ゆ』と北海道紋別市がコラボ!ゲームに登場するシーンを使用したアクリルジオラマが「ふるさと納税返礼品」に!

ジー・モードより、推理アドベンチャーゲーム『北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ ~追憶の流氷・涙のニポポ人形~』の世界観を再現したオリジナルグッズが、北海道紋別市のふるさと納税返礼品として提供されます。


抜群のスタイルで💦世の脚光を浴びた『広田恵子』現在は?!

抜群のスタイルで💦世の脚光を浴びた『広田恵子』現在は?!

高校時代からモデル活動を始め1986年に「カネボウ・スイムウエアイメージモデル」として脚光を浴びた広田恵子さん。現在は家族で〇〇を組んで活動している・・・。


完璧・無量大数軍の一人「完肉」の称号を持つキン肉マン『ネメシス』が、SpiceSeedキン肉マンシリーズに登場!!

完璧・無量大数軍の一人「完肉」の称号を持つキン肉マン『ネメシス』が、SpiceSeedキン肉マンシリーズに登場!!

ハイクオリティフィギュアの製造・販売で好評を博している株式会社SpiceSeed フィギュア事業部より、キン肉マンシリーズのフィギュア『ネメシス』が発売されます。


最新の投稿


プロレス界の歴史が動く今こそ読むべき一冊! 『ようこそ、プロレスの世界へ 棚橋弘至のプロレス観戦入門』2025年12月18日(木)発売!

プロレス界の歴史が動く今こそ読むべき一冊! 『ようこそ、プロレスの世界へ 棚橋弘至のプロレス観戦入門』2025年12月18日(木)発売!

新日本プロレスの“100年に一人の逸材”棚橋弘至氏による著書『ようこそ、プロレスの世界へ 棚橋弘至のプロレス観戦入門』が2025年12月18日にKADOKAWAより発売されます。引退が迫る棚橋氏が、26年の現役生活で培った視点から、プロレスの魅力、技の奥義、名勝負の裏側を徹底解説。ビギナーの素朴な疑問にも明快に答え、プロレス観戦をさらに面白くする「令和の観戦バイブル」です。


ウルトラふろく200点以上を一挙収録!『学年誌 ウルトラふろく大全』発売

ウルトラふろく200点以上を一挙収録!『学年誌 ウルトラふろく大全』発売

小学館クリエイティブは、ウルトラマンシリーズ60周年、『小学一年生』100周年の節目に『学年誌 ウルトラふろく大全』を11月28日に発売しました。『ウルトラQ』から『ウルトラマン80』までの学年誌・幼児誌のウルトラふろく200点以上を網羅的に掲載。組み立て済み写真や当時の記事も収録し、ふろく全盛時代の熱気を再現します。特典として、1970年の人気ふろく「ウルトラかいじゅう大パノラマ」を復刻し同梱。


伝説のプロレス団体 UWF40周年記念イベント“無限大記念日”開催!

伝説のプロレス団体 UWF40周年記念イベント“無限大記念日”開催!

伝説のプロレス団体『UWF(ユニバーサル・レスリング・フェデレーション)』が、設立40周年を記念し、特別イベント「無限大記念日」を書泉ブックタワー(東京・秋葉原)にて開催します(2025年12月24日~2026年1月12日)。第1次UWFの貴重な試合映像や控室、オフショットなど、4,000枚以上のアーカイブから厳選された写真が展示されます。復刻グッズや開催記念商品も販売され、当時の熱狂が蘇ります。


グラニフ×『幽☆遊☆白書』初コラボ実現!幽助、蔵馬、飛影など全21アイテム登場

グラニフ×『幽☆遊☆白書』初コラボ実現!幽助、蔵馬、飛影など全21アイテム登場

株式会社グラニフは、TVアニメ『幽☆遊☆白書』との初コラボレーションアイテム全21種類を、2025年12月2日(火)より国内店舗および公式オンラインストアで販売開始します。主人公の浦飯幽助をはじめ、桑原、蔵馬、飛影のメインキャラクターに加え、戸愚呂、コエンマなど欠かせないキャラクターをデザイン。11月26日より先行予約も開始され、ファン必見のラインナップです。


全長20cmの迫力!1/18スケール『国産名車コレクション』創刊

全長20cmの迫力!1/18スケール『国産名車コレクション』創刊

アシェット・コレクションズ・ジャパンは、隔週刊『1/18 エクストラスケール 国産名車コレクション』を2026年1月7日に創刊します。全長約20cm、1/18スケールのダイキャスト製で、日本の自動車史を彩る名車を精巧に再現。ボディラインやエンジンルーム、インパネなどの細部ディテールにこだわった「エクストラ」なコレクション体験を提供し、マガジンでは名車の開発秘話や技術を深掘りします。