セドリックよりも高級だったミドルセダン、C33型ローレル

セドリックよりも高級だったミドルセダン、C33型ローレル

最近はすっかりドリフト車のイメージが付いてしまった日産ローレル。しかし、我々ミドルエッジ世代にとって、ローレルは高級車でした。特にバブル時代に発売されたC33型は、セドリックよりも上質なクルマとして記憶に残ります。


セドリックとブルーバードの中間車種として登場

日産ローレルは、小型車ブルーバードと大型車セドリックの中間のクルマとして、1968年に発売されました。開発中にプリンス自動車と合併したこともあり、ハコスカことC10型スカイラインのメカニズムが転用されました。

初代は直列4気筒の1800ccおよび2000ccでしたが、2代目以降は直列6気筒の2000ccのほか、2600cc・2800ccといった3ナンバー車もラインナップされました。そのため、同じ排気量のセドリックは運転手付きや法人登録向けのクルマ、ローレルはオーナー自らが運転するハイオーナーカーと位置づけられてきました。

スカイラインの開発主管、櫻井眞一郎氏が開発主管を兼務した4代目ローレル。

Nissan Laurel Hardtop (C31) 1980–82 pictures

日産では、ミドルセダンの中核車種でしたが、私の中ではトヨタのマークⅡなどと比べて、何となくパッとしないイメージがあります。実際、4代目はシンプルすぎて、5代目は四角すぎて、どちらも販売に苦戦していました。

ちなみに、ローレルとスカイラインは、エンジンやトランスミッションなど、多くのパーツを共用する兄弟車です。4代目ローレルは、スカイラインの開発主管として有名な櫻井眞一郎氏が兼務していました。

「定規を使ってデザインされた」と揶揄されていた時代の5代目ローレル。

Nissan Laurel Hardtop (C32) 1984–86 wallpapers

901運動の成果が反映された高級セダン

1980年代後半の日産は、デザインや走行性能の大革新に取り組みました。特に、90年代までに技術の世界一を目指した「901運動」は、スカイラインGT-Rの復活の背景として多くの人に知られていますが、高級セダンのローレルもその恩恵を受けました。

1989年1月、ローレルはフルモデルチェンジして5代目のC33型に進化。CMには歌舞伎俳優の坂東玉三郎氏が起用されました。

5ナンバー枠をいっぱいに使い、適度に丸味を帯びたデザインは今見ても秀逸。

1989年1月に発売されたC33型ローレル

Photos of Nissan Laurel (C33) 1989–93

先代までは4ドアハードトップと4ドアセダンをラインナップしていましたが、C33型では初めて4ドアハードトップのみとなりました。もちろん、日産伝統のピラーレスタイプ(前後のドア間に柱がない)です。

バリエーションの豊富さは、当時の国産車の特徴といえましょう。エンジンは直列6気筒2000ccをメインに、DOHCターボ(RB20DET型/205PS)、DOHC(RB20DE型/155PS)、SOHC(RB20E型/125PS)を用意。さらに直列4気筒1800cc(CA18i型/91PS)と直列6気筒2800ccディーゼル(RD28型/94PS)がラインナップされました。トランスミッションは4段ATと5段MTですが、DOHCターボは4段ATのみでした。

窪んだテールライトまわりのデザインが特徴。リアスポイラーはディーラーオプション。

スポーティグレードのメダリスト・クラブSのリアスタイル

Nissan Laurel (C33) 1989–93 images

また、サスペンションには先に発売された兄弟車セフィーロと共通の、前輪ストラット式・後輪マルチリンク式が採用され、RB20DET型とRB20DE型搭載車では、4輪操舵機構のHICAS-Ⅱも選択できました。

シーマより上質だったインテリア

5代目ローレルの特筆すべき点はデザインにあります。開発主管をデザイナーの佐渡山安彦氏が務めたこともあり、内外装ともに高級セダンと呼ぶにふさわしい、上品なデザインになりました。

外観は4代目の四角いデザインから打って変わり、適度に丸味のある上質感あるデザインとなりました。イメージカラーはダークグリーンメタリックが採用され、それまでの「高級車=白」というイメージを覆しました。

ダッシュボードには本木目パネルとシートと同じトリムが貼られ、さらにシックなデザインのアナログ時計があしらわれ、クラシカルで上品な仕上がりだ。このような素材の使い方は、国産車では異例だった。

Pictures of Nissan Laurel (C33) 1989–93

内装も上品でした。ダッシュボードのメーターパネル下には本木目クラスターが配され、さらにインストパッドにはシートと同じトリムが貼られました。セドリックやシーマですら木目調パネルだけですから、ダッシュボードの豪華さは日産随一でした。

また、上級グレード「メダリスト」の助手席には、レパードで採用されていた中折れ機構「パートナーコンフォタブルシート」を採用。シート生地には、最上級グレードのクラブ・Lには本革を、スポーティグレードのクラブ・Sには人工皮革のエクセーヌを採用しました。こういったセンスのよさも、C33型ローレルが名車といわれる由縁です。

前期型の最上級グレードのクラブ・Lにはアイボリーの本革シートを装備。「メダリスト」では、助手席に中折れ機構が採用された。

Nissan Laurel (C33) 1989–93 wallpapers

キャビンは決して広くはありませんが、マークⅡをはじめ当時のこのクラスとしては標準的なものでした。ダークグリーンや、やや黄味がかったホワイトパールといった上質感ある塗装が用意され、5代目ローレルは他のミドルセダンとは一線を画したクルマとなりました。

3ナンバー車の税金が下がり2500ccエンジンを追加

1991年1月にマイナーチェンジが行われ、直列6気筒2000cc搭載車のうち、RB20DEとRB20Eは5段ATが採用されました。また、インテリアではAT車のセンターコンソールが変更され、灰皿部分にも本木目パネルが貼られ、高級感がいっそう増しました。

一方で、1989年度に自動車税が大幅に変更され、2000cc越の3ナンバー車の税金が大幅に下がりました。三菱では1990年5月にディアマンテを発売。ミドル級セダンでありながら、大きな3ナンバーボディと新設された税制区分の2500ccエンジンを搭載し、大ヒットをしました。

前期型が好評だったので、基本的にキープコンセプトだった。アルミホイールのデザインが変更されたのが目立つ。

マイナーチェンジ後のローレル。

Pictures of Nissan Laurel (C33) 1989–93

これを受けて日産でも直列6気筒2500ccのRB25DE(180PS)が開発され、1991年11月からローレルに追加されました。ただし、ボディはバンパーの拡大などの変更をしなかったため、5ナンバーサイズのままでした。そのためモデル末期は、新しい3ナンバーサイズのミドルセダンやRVブームなどにより苦戦を強いられました。

ローレルは、1993年1月にフルモデルチェンジをし、6代目のC34型になりました。全長・全幅が拡大された3ナンバーボディになりましたが、シンプルで角張ったデザインが災いし、販売は苦戦。1997年に7代目のC35型となりましたが、これを最後に2003年にモデル廃止となりました。

マイナーチェンジで、特徴だったテールライトまわりの窪みが弱くなった。

Nissan Laurel (C33) 1989–93 wallpapers

筆者にとって、ローレルは日産の看板車種のひとつでありながら、マークⅡシリーズに敗北し続け、地味な印象が拭えません。けれども、C33型はクラスを越えた上質さで、今も輝いて見えます。

日本に本当の高級車は少ないです。クラウンもセドリックも、エレクトロニクス装備で高級感を演出していただけで、欧米で高級車の条件とされている「素材」で勝負したことはありません。

しかし、C33型ローレルはそういった本来の高級感で挑んだクルマでした。小型高級車としてもっと高く評価されていいのではないか、と思っております。

角張ったデザインが不評だったC34型ローレル

Pictures of Nissan Laurel (C34) 1993–94

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