2016年のリオデジャネイロ五輪、男子4×100MRの興奮を憶えている方は多いことでしょう。ついに日本人も100m9秒台に迫っている昨今、国内の男子100mは空前の盛り上がりをみせています。
そんな日本人初の100m9秒台‐‐‐。
まだ大きな大会以外では計測が手動計だった1995年、追い風参考ながらも100m9秒台を叩き出した男がいたことを憶えているでしょうか。
伊藤喜剛。
日本人で初めて100m9秒台の風を体感した男は、かつて世界陸上で男子4×100MRのアンカーとして日の丸を背負って戦いました。
平坦ではなかった競技人生、それを志した背景。競技人生で得たもの、それを活かしたその後の人生。永遠の憧れはカール・ルイスと語る、伊藤喜剛さんにお話を伺うことが出来ました。

伊藤喜剛さん
陸上の世界を志した理由はカール・ルイス!
-陸上を志したのは何歳ぐらいの頃でしたか?
現役を引退するまで、カール・ルイスは憧れであり続けたと話す伊藤さん。
練習の時もカール・ルイスのビデオを擦り切れるまで見てから練習に向かい、終わるとまたビデオを見て、という感じだったそうです。
「そういえばカール君の後半の伸びも尋常じゃなかったですよね!」
と思わず、力強く頷いてしまいました(笑)
スプリンターとしては遅咲きだった学生時代
-カール・ルイスに憧れた少年が、自身の「速さ」を体感したのはいつ頃でしたか?
-まさに思春期といった感じですね。
陸上一筋に過ごした高校時代
-野球にサッカーにバスケ。様々な球技が盛り上がりを見せる時代に、陸上一筋の青春時代でした。
-現在はこれまでの歴史から見ても空前の短距離ブームですよね。
そう、伊藤さんは「日本人ではじめて9秒台を体感した男」なんです!

伊藤さんが体感した「9秒台」の世界!
大学進学…まさかのボブスレー日本代表??
-大学入学後はトップアスリートとしての道を歩まれましたか?
好不調の波、怪我にも苦しんだ大学時代
-アスリートにはどうしても怪我はつきものなんでしょうね。
-現代では「良い準備をする」という言葉が浸透しています。
メディアの洗礼を浴びたトップアスリート時代

現役時代の伊藤喜剛選手
-1995年、イェーテボリ(スウェーデン)世界陸上では男子4×100MRでアンカーを務められました。結果は当時の最高位だった5位入賞でした!
-でも史上最高の成績でしたよね!?
史上最高位の勲章、にも関わらず受けたバッシング。
まさにトップアスリートならではの苦悩だったのではないでしょうか。
怪我との戦いだったアスリート時代に出会った「加圧トレーニング」
-伊藤さんは加圧トレーニングのトレーナーとしても有名でいらっしゃいます。「加圧」とはどのようにして出会ったのでしょうか?
-まさにご自身の実体験を通して加圧トレーニングの理論を学ばれたのですね。
30歳で現役を引退、加圧トレーニングの道へ

現役引退後も欠かさなかったトレーニング
この時の人の縁が、伊藤さんを加圧トレーニングの道へと導くことになりました。
伊藤さんは現在、東京・自由が丘で「加圧トレーニングジム DEUX」を経営。
アスリートやスポーツ愛好家をはじめ、幅広い目的で様々なお客様が当店を訪れています。
加圧トレーニングジム DEUX(東京・自由が丘)
そして現在、フィジークチャンピオンを目指すストイックな日々!
※フィジーク…形が良くバランスの良い筋肉に加え、ステージ上での立ち振る舞い、肌の色艶、髪型に顔などトータルで評価される競技

フィジーク大会を直前に控える伊藤さんの引き締まった肉体
-47歳にしてフィジーク大会に出場する動機をお聞かせください。
火が付いたらトコトンの伊藤さん、徹底的に鍛え始めた肉体はナント体脂肪3%。
初めて参加した「ベストボディ」静岡大会を皮切りに、気が付けば全国大会にまで出場。
遂には世界大会まであって競技人口の多い「フィジーク」に挑戦することとなりました。
-たまに暴飲暴食したいな~なんて思うことはありませんか?(笑)
根底に流れるのは「雑草魂」
お話を伺っていて、とても明るく気さくに丁寧に話して下さる伊藤さん。
しかし、にこやかに語っていただくお話の一つ一つにはトコトンまでやり抜く努力と、今なおストイックに自身を鍛え抜く姿勢が表れています。
アスリート現役時代、加圧トレーニング実業家としての現在、47歳にしてフィジークに挑む顔。
そのいずれにも、伊藤さんの前向きで粘り強い姿勢が表れているのだと感じます。

トレーニングでとことん自分自身を追い込んでいく伊藤さん
加圧の可能性はまだまだあると語ってくださる伊藤さん。
そしてその可能性を自ら体現すべくフィジークに挑む伊藤さん。
40代後半、まだまだ完全燃焼の日々です!!
加圧トレーニングジム DEUX(東京・自由が丘)