アレンジされちゃって獅子だけじゃない?誰もが一度は見たことがある庶民的な芸能「獅子舞」!

アレンジされちゃって獅子だけじゃない?誰もが一度は見たことがある庶民的な芸能「獅子舞」!

今回はおそらく数ある芸能の中で、誰もが一度は見たことがある最も庶民的な芸能を取り上げたく思います。それは・・・「獅子舞」!獅子舞って一言で言えば簡単だけど、アレンジされちゃって獅子(ライオン)だけじゃないのが日本らしいカモです♪


今回はおそらく数ある芸能の中で、誰もが一度は見たことがある最も庶民的な芸能を取り上げたく思います。

それは・・・

「獅子舞」!

獅子舞には2タイプ!「1人立ち」と「2人立ち」

獅子舞は頭を持つ人と胴体の布部分を担当する「2人で1頭」タイプの獅子舞が特に多いかもしれませんが、実は、獅子舞は大雑把に言うと2タイプあります。

今しがた述べたタイプを「2人立ち」と言います。そしてもうひとつは、1人で1頭を担う「1人立ち」。1人立ちタイプは3頭1組だったり複数人数で組まれています。

「1人立ち」と「2人立ち」の2タイプがあります

2人立ち獅子舞が渡来、日本初の獅子舞は聖徳太子が観ていた?

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そんな獅子舞。実は、日本由来ではありません。歴史書に「外国から来たよ」とガッチリ記述がある、紛うことなき外来芸能です。厳密には、2人立ち獅子舞が渡来しました。獅子舞としてではなく「伎楽」(ぎがく)として。

『日本書紀』の推古天皇20年(612年)5月に、百済人味摩之(みまし)が伎楽儛(くれのうたまい)を伝えたという記述があり、そこには「大和(奈良)の桜井に少年を集めて教習した」と記されております。これが実際に日本で伎楽が行われた記録としては最古のものです。この伎楽というのは仮面仮装の行列と舞踊劇から成立するもので、仏教の教義などを表現するのですが、この中に獅子とその獅子と操る獅子児(ししこ)が居まして、これが獅子舞のルーツと言われています。

というか・・・推古天皇って言えば、日本初の女帝で、甥はあの聖徳太子(厩戸皇子)ですよ、ええ。聖徳太子は推古天皇30年(622年)に亡くなられているので・・・そう!何がスゴイって、日本初の獅子舞は聖徳太子が(きっと)見ているんですよーーー!

頭をカプカプ噛みにくる(そしておひねりを貰いにくる)「太神楽」

そんな獅子舞。当初の獅子は場を清める悪魔祓いの役割を担っていたようですが、その伎楽、平安時代を経て鎌倉時代になるころにはだんだん廃れて姿を消してしまいました。しかし、この二人立ちの獅子舞が民間で元気に姿を残しております。この悪魔祓いの要素をエンタメ的に昇華させた芸能があります。「太神楽」(だいかぐら)と呼ばれる芸能です。

お祝いの場などに登場する頭カプカプ獅子舞

頭をカプカプ噛みにくる(そしておひねりを貰いにくる)獅子舞にあったこと、ありませんか?アレです。

お祝いの場などに登場する頭カプカプ獅子舞も実は、伎楽の末裔だったりします。

では、1人立ちの獅子舞は?

さて、じゃあ、1人立ちの獅子舞は何さ?というお話。

こちらは民間に広まった獅子舞が日本的アレンジを経たものとお考えくださいませ。関東を中心とする3頭1組の「三匹獅子舞」や、東北地方に残る主に8頭1組の「鹿踊り(ししおどり)」などです。いずれも腰に太鼓、頭に獅子頭(東北は鹿)をつけた姿をしております。

三匹獅子舞は華やかな様から「風流獅子舞」、ササラという楽器を使うこともあるから「ササラ(獅子舞)」とも言われますが、細かいことはさておき、この一人立ちの獅子舞、実は西日本には見当たりません。文化の地域差ですな。

鹿、麒麟、虎、、、ぬいぐるみ!?

地域差といえば、東北に分布する鹿踊り。こちらは獅子頭に鹿の角をつけたり、鹿の角をかたどった板をつけたりしています。もう、獅子(ライオン)ではなくなってしまいました・・・。さらにはですよ、鳥取には麒麟(キリン)獅子舞なんてのもあります。これはキリンビールの缶に描かれている動物「麒麟」のこと。さらに、宮城から神奈川の一部沿岸部には虎舞が!勿論、あのトラです!沖縄の獅子舞なんて、全身モフモフのぬいぐるみです。これは中国も同じ。中国式の獅子舞は、日本のとは全く姿は異なりますが、モフモフしていて可愛いですよ♪

台湾の獅子舞

獅子舞って一言で言えば簡単だけど、アレンジされちゃって獅子(ライオン)だけじゃないのが日本らしいカモです♪

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