185系はこの車両です。
185系「踊り子」号
185系特急形電車 - 日本の旅・鉄道見聞録
185系は、東北(なすの)・上越(水上・草津・あかぎ)そして伊豆(踊り子)方面と、主に関東圏での運用のみであったため、西日本の方々にはなじみのない電車かもしれません。
西日本方面へは、現在、「ムーンライトながら」として、373系の跡を継ぎ大垣まで運用されています。
特急「踊り子」から185系が引退へ。後継のE257系転属による車両動向の予測 | ゆけむりミルキーウェイ
185系の歴史
国鉄185系電車 - Wikipedia
185系は、現在の主な活躍先は東京と伊豆とを結ぶ特急「踊り子」号です。
当時、伊豆急には、100系という名車が走っていました。
伊豆は、高級な観光地というブランドがありますので、それに見合う特急電車車両として、
新型の特急電車車両が使用されることになりました。
伊豆急行 100系
伊豆急行100系電車 - Wikipedia
特急「踊り子」号の歴史
踊り子 (列車) - Wikipedia
特急「踊り子」号
踊り子 (列車) - Wikipedia
「夢の超特急」「緑の疾風」東北・上越新幹線と上野を結んだ
新幹線リレー号
1985(昭和60)年3月3日〜15日 昭和60年3月改正を追え!
そして、東北・上越地方の人たちには忘れられない、「新幹線リレー号」としての活躍。
1982年6月23日、東北新幹線が大宮まで開業。同年11月15日に、上越新幹線も大宮まで開業しました。
しかし、大宮から先、東京に行くルートは、用地買収の困難から、開業は1985年(上野)1991年(東京)まで待たなければなりませんでした。
そのために、大宮から上野まで、新幹線の乗客を運んだのが、伝説の「新幹線リレー号」。
この新幹線リレー号に、185系が運用されました。
憧れの東京に連れて行ってくれる、新型特急車両。
窓が開く特急としても、話題になりました。
新幹線リレー号
1985(昭和60)年3月3日〜15日 昭和60年3月改正を追え!
「新特急」としての活躍
新特急 - Wikipedia
新特急は、「新幹線に乗り、接続駅で乗り換えるには距離が短すぎる」区間に、都心から直接乗り換えなしで行ける特急として、便利な存在でした。
例えば、水上や草津温泉(長野原草津口・万座・鹿沢口)に新幹線を使うと、高崎駅で新幹線を降りて乗り換えることになりますが、高崎ではまだ半分ほどしか新幹線では連れていってくれません。それでは乗り換えが面倒です。
そういった場所へのニーズを満たすため、185系は活躍しました。
そう考えると、伊豆という土地も、基本、東海道新幹線の優等列車は通過する「熱海駅」で降りて伊東線・伊豆急行線へ乗り換えるのは面倒というニーズに応える必要がある観光地です。
185系は、非常に、「かゆい所に手が届く」存在なのですね。
特急としては厳しい「音」の問題
【ついに引退】昼も夜も働きまくり【583系】4月に引退 - Middle Edge(ミドルエッジ)
この記事の中で、静粛性に優れた583系に対して、音が大きい185系について実証されている動画があります。
例えば、東京・港区の田町駅では、山手線・京浜東北線、東海道本線、東海道新幹線が並走して走っていますが、185系の通過は、音だけでわかります。
国鉄車両特有の音は、現在主力のE231、E233系とは明らかに違います。
鉄道好きにとってはこの音がたまらなくいいのですが、乗っている人にとっては、特急電車で音が大きいのは、あまり歓迎されるものではないですね。
時代が追い出した?185系の引退
鋼鉄で造られ、抵抗器制御という「硬派」な国鉄最後の特急電車、185系。
今ではそういうイメージですが、登場当時は短距離でも気軽に乗れ、窓も開くというおしゃれな、ポップな存在でした。
鉄道趣味的には、今のJR時代製造のイケてる特急電車が走る中、「ポップ」さと、「硬派」を2017年になっても届けてくれる185系は、非常に興味深い車両です。
そして、東京駅から東北・上越新幹線にポン!と乗れる時代になるまでの期間、憧れの東京へ連れて行ってくれた「新幹線リレー号」での活躍は、この地方にいた人たちの心の中では、忘れることができない車両でしょう。
すぐに廃止になることではなさそうなので、昔の雰囲気を味わえる185系に乗って、伊豆にお出かけになるのもいかがですか。