青春18きっぷとは
「青春18きっぷ」とは、日本全国のJRの「各駅停車」「快速電車」の自由席に限り、1日乗り放題の券が5日分1セットになっている切符です。
通年発売されているわけではなく、主に学生の春休み、夏休み、冬休みの期間に限定されて発売されています。
価格は、5日分1枚で、2017年春現在では、11,850円です。
1回あたりで割ると、2,370円です。
ただし、あくまでも切符は1枚なので、1枚のきっぷである人は北海道へ、ある人は大阪へ同時に出かけるということはできません。
1枚の切符を2回分使って、2人で一緒に行動する、というのは可能です。
青春18きっぷの名前の由来
青春18きっぷの歴史
青春18きっぷ - Wikipedia
このような切符です。
青春18きっぷ
青春18きっぷ - Wikipedia
ちなみに、自動改札には通せません。必ず有人改札を通る必要があります。(最初だけでなく、乗ったり降りたりして、改札の外に出る際にも、自動改札は使えません。)
2人で同時に利用する際には、同じ日付のスタンプが2回分押印されます。
最初の青春18きっぷ(当時は青春18のびのびきっぷ)
青春18きっぷ - Wikipedia
なぜ5枚バラ発行から1枚だけの発行になったのか
この切符の利用を想定された列車も運行されている。
昔(国鉄時代)は、長距離の各駅停車が数多く走っていましたが、JRになり民営化され、収益をより追求するようになりました。
儲け主義と批判されるかもしれませんが、国鉄時代の莫大な借金を引き継ぎ、それを返していくためには、収益を上げることは必要不可欠でした。そのため、効率化を図るために、「長い編成で長距離を走る」から、「短い編成で短い距離を走る」という方針に変更されました。
例えば、東京から大阪まで青春18きっぷを利用して移動する際によく使われたのが、東京から、岐阜県の大垣駅までを結ぶ電車がかつて運行されていましたが、このような長距離列車は収益を出せなくなっていました。
そこで、これらの長距離各駅停車を廃止しましたが、すでに、青春18きっぷは世間に浸透しており、すべて廃止してしまうと、利用者からの反発を食らうことになりかねません。
そこで、青春18きっぷシーズンだけ、臨時の夜行快速が運行されるようになりました。
青春18きっぷ期間だけ運行される「ムーンライトながら」(イメージです。)
全国の列車(快速【ムーンライトながら】) - 日本の旅・鉄道見聞録
東京から大阪まで、昼間の各駅停車で空想旅行してみました。
飲食費を除けば、1人あたりの費用は2,370円ぽっきりです。
※以下の電車の時刻表は、ネットで調べて書いたものです(2017年4月現在)。
実際の時刻表と違っている場合もあると思います。
実際に旅行される場合は、必ず時刻表で再確認をお願いいたします。
東京を出発 東海道本線(実際の時刻表とは無関係です。)
裏辺研究所 さま
JR東海でよくみられる313系
こんなカッコいい列車に乗れるかも
JR西日本 225系新快速
東京駅を9:52に出発し大阪には19:42に到着します。
昼間は電車の本数が少ないので、かなりの乗り換えを必要とします。
9時間50分の長旅ですね。
爆安な高速バスとの闘い
高速バスで1,700円で大阪まで?
高速バス・夜行バス 東京 大阪 4月12日 最安値情報 | 夜行バス比較なび
安さではバスに太刀打ちできない鉄道
かつて、日本中に夜行列車が走っていたことは、ご存知のことと思います。
昔は新幹線もなく、飛行機は高嶺の花、高速道路もつながっていない状況で、長距離を移動するのは鉄道が一番の選択肢でした。
しかし、函館から鹿児島まで新幹線がつながり、飛行機も格安な小型の機体が開発され、何よりも高速道路が急速に充実しました。
特に鉄道に影響を与えたのは高速道路の整備が進んだことです。
これにより、低コストで少人数でも運行できる、高速バスが非常に充実するようになりました。
夜行高速バスに追い出されるかたちで、寝台列車は、列車に乗ること自体を目的とした超豪華寝台列車を除けば、「サンライズ号」のみとなり、他はすべて廃止されました。
青春18きっぷの今後とは
始めは、長距離・長編成でガラガラの各駅停車に、席を埋めるために乗ってもらおうと企画された、青春18きっぷ。
今や、民営化されたJRの工夫により、短距離・短編成で待たずにすぐやってくるという利便性が増し、各駅停車もそれなりに混雑している状況になりました。
また、国鉄という1つの事業体から、6つに会社が分割され、全国乗り放題の1枚の青春18きっぷで得られた収益を、6社にどう分配するかという問題も生じています。
また、単なる安い移動手段であれば、乗り換えもなく、目的地に直接座ったままで行ける高速バスの中には、青春18きっぷ1回分より安い商品も出てきました。
高速バスや新幹線、飛行機にはない「途中下車」を楽しめる
途中下車して旅情を楽しむのもいかがですか
確かに、目的地へ直行するだけであれば、速いのは飛行機、新幹線、安いのは高速バスです。
座っているだけで目的地につきます。
しかし、旅行は目的地に着くことだけが目的ではありません。
青春18きっぷは、料金を気にすることなく、自分の行きたいところに行くことができ、しかも途中下車も自由なので、長い乗り換え時間の間にぷらっと外に出ることができます。
時間を使って旅行を楽しむ。これぞ、本当の旅行なのかもしれません。
JRの収入の問題などで、一部では青春18きっぷも廃止か?などという声もありますが、収益にはこだわらず、一部の期間だけは、「文化」として残してもらいたい気持ちがあります。