スピルバーグが子役を絶賛!原作を超えた最高傑作「泥の河」

スピルバーグが子役を絶賛!原作を超えた最高傑作「泥の河」

1981年公開の「泥の河」は宮本輝原作・同名小説の映画化です。モノクロの映像から漂う戦後の匂いは強烈。そして9歳の信雄が生まれて初めて体験する「生と死、どんな境遇でも生きていくということ」が観ている者の胸にこれでもか!と突き刺さる「泥の河」は80年代邦画の名作です。信雄ときっちゃんの出会いと、短すぎる2人の別れまでの時間を振り返ります。


宿船(廓船)に住むきっちゃんの家族

松本笙子 加賀まりこ

けん

きっちゃん・松本喜一 桜井稔

けん

松本銀子 柴田真生子

けん

荷車の男 芦屋雁之助

けん

巡査 蟹江敬三

けん

ストーリー

まだ戦後の焼け跡の匂いを残す河っぷちで、食堂を営む家族がある。 その一人息子である9歳の信雄(朝原)は、ある雨の早朝、橋の上で鉄くずを盗もうとする少年、喜一(桜井)に出会った。 雨に煙る対岸に、その日つながれた、みすぼらしい宿船の少年である。 舟の家には銀子(柴田)という11歳の優しい姉と、板壁の向こうで声だけがする姿の見えない母がいた。 友達になったことを父、晋平(田村)に話すと、夜はあの舟に行ってはいけないという。 窓から見える船の家が信雄を魅惑し不安にする。 子供達の交流が深まり始めたある日、終戦直後に別れた晋平のかつての女房の病変の知らせが届く。 不可解な人生の断面が信雄に成長を促していく。 楽しみにしていた天神祭りの日、お金を落としたことでしょげ返る信雄を慰めようと喜一は、夜、舟の家に誘った。 泥の河に突き刺した竹箒に蟹の巣があり、喜一はその宝物である蟹にランプの油をたらし、火をつけて遊ぶのである。 船べりを逃げる蟹を追った時、信雄は喜一の母の姿を見た。 舟は廓舟と呼ばれていたのである。 翌日、舟の家は岸を離れた。 信雄は曳かれていく喜一の舟を追い続けて、初めて生きることの悲しみを自らの人生に結びつける。

http://www.d3.dion.ne.jp/~masaji.s/osakac03.htm

泥の河

きっちゃんとの出会い

荷車で配送業をしているうどん屋の常連のオッサンは「今度中古だけどトラックを買うことになったから、あの馬をノブちゃんにあげるよ」と店の外に繋いだ馬を見ながら軽口を叩いていた。荷車にパンパンに鉄くずを乗せたオッサンを見送る信雄。そこへ不幸な事故が起こりオッサンは信雄の目の前で死んでしまう。

戦争で焼かれた片耳。

けん

死んだおっさんの荷車の前で出会った少年は、信雄と同じ9歳で河に浮かぶ船に住んでいるという。

鉄を盗もうとしていたきっちゃんと出会う。

けん

「戦争で嫌というほど死を目の当たりにし、自分は生き残って日本に帰ってきた。荷車のオッサンも、みんなも。あんな死にかたするなら戦争で死んでたほうが良かったのか」、と貞子に話す晋平。晋平は戦後の混乱から前妻を捨てて、貞子と一緒になった。貞子は「生きてなけりゃ出会えなかった、お父さんには感謝している」と死を見つめる晋平を元気づけた。

「戦争で死んだほうが良かったのかも」

きっちゃん姉弟との交流

船に遊びに行くと、きっちゃんのいろいろなことがわかってきた。宿船といわれる船を住居にして暮らしていること、学校に行っていないこと、父親は死んでいないこと。そして優しい銀子という姉がいた。

ボロボロの身なりのきっちゃん(靴は破れ、指が見えている)

けん

顔は出さないが奥から母親の声がした。「黒砂糖をあげて。そして此処へはあまり来ないほうがいいと言いなさい」信雄は黒砂糖を受け取るが、母親に拒否されたように感じ哀しくなるのだった。

宿船の中に初めて入る信雄

けん

今度きっちゃん姉弟を家に呼んで良いかと聞く信雄。あの宿船が廓船(売春船)と知っている両親は、遊ぶのはいいけど、夜は絶対あの船に近づかないようにと念をおした。ハッキリした意味はわからないが、こうした大人達の言動や目くばせから、信雄はきっちゃん達と自分の「違い」のようなものを感じとっていた。

「遊んでもいいけど、夜はあの船に行っちゃあかんで!」

けん

きっちゃん姉弟が遊びにやってきた。貞子は銀子にワンピースをあげたり、晋平は手品を披露するなど子供達は楽しい時間を過ごした。きちんと畳んだワンピースを返す銀子。そして、きっちゃんをせっつくように帰っていった。まるで、「楽しいこと、幸せなことに慣れちゃいけない」と思っているかのように足早に。

ご馳走を食べ、楽しく過ごすきっちゃん達

けん

度々、遊びに来るようになった、きっちゃんと銀子。2人の夢は「陸で普通の暮らしがしたい」ただそれだけだった。

「私、陸風呂(おかぶろ)に入るのこれで2回目♪」

けん

きっちゃんのお母さん

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