トレンディドラマを彩ったトレンディ俳優たち
華やかなバブルの香りを運んでくれたドラマの主役、それがトレンディ俳優でした

主に1988年~1990年にかけてのバブル景気時代に制作されました
主だったトレンディドラマとしては、下記が挙げられるでしょう。
■1980年代
『男女7人夏物語』(1986年)
『男女7人秋物語』(1987年)
『君の瞳をタイホする!』(1988年)
『抱きしめたい!』(1988年)
『君が嘘をついた』(1988年)
『君の瞳に恋してる!』(1989年)
『ハートに火をつけて!』(1989年)
『同・級・生』(1989年)
『愛しあってるかい!』(1989年)
■1990年代前半
『世界で一番君が好き!』(1990年)
『恋のパラダイス』(1990年)
『キモチいい恋したい!』(1990年)
『すてきな片想い』(1990年)
『東京ラブストーリー』(1991年)
『101回目のプロポーズ』(1991年)
トレンディドラマによく見られるドラマ設定
とうの昔に死語になった感のある「トレンディ俳優」。
しかしながら栄枯盛衰の理の通り、廃れた後に死語になるほど当時の熱狂ぶりが凄かったのもまた事実です。
吉田栄作、織田裕二、加勢大周の「トレンディ御三家」を筆頭に、数々の二枚目俳優たちが80年代後半~90年代前半のドラマを創り上げました。
そんなトレンディ俳優と呼ばれた彼らを、当時の活躍ぶりとともに振り返りましょう。
※取り上げたのは15名のトレンディ俳優です
ちなみに当時はまだ「イケメン」という単語もなかったですね。
「ハンサム」、「二枚目」、「色男」、「美男子」、「優男(やさおとこ)」、、、イケメンはそんな言葉で形容されていたでしょうか。
まずは「トレンディ御三家」から!
白Tシャツにリーバイスだって、トレンディ御三家なら着こなすんです。
それを私たちが真似しても、何か違ったんです(きっと足の長さだったんだと思います・・・)。
吉田栄作、織田裕二、加勢大周。みんな着ていた白Tシャツ - Middle Edge(ミドルエッジ)
トレンディ御三家No.1(筆頭):吉田栄作
まずはこの方、吉田栄作。何をおいてもこの人は外せません。
甘いマスクにサラサラの真ん中分けヘアースタイル、トレンディとはこの人の為の言葉だったのではないでしょうか。
1988年「ナイスガイ・コンテスト・イン・ジャパン」でのグランプリ獲得がきっかけで芸能界入り。
モデルやモデルオーディション上がりというなかで、吉田栄作が俳優として成功を収めたことで、モデル上がりは顔だけで中身が無い、と言われる事なく、多くの後続が続くこととなりました。

吉田栄作(トレンディ御三家筆頭)
トレンディ代表作:もう誰も愛さない
【ドラマ最終回シリーズ!】もう誰も愛さない【ネタバレしてます】 - Middle Edge(ミドルエッジ)
トレンディ御三家No.2:織田裕二
誤解を恐れずに言えば、トレンディ俳優出身の俳優で最も大成した方ではないでしょうか。
トレンディドラマ全盛期が終わった後もコンスタントに売れ続け、「踊る大捜査線」などむしろその後の活躍のほうが支持されているかもしれません。
しかし、私たち世代なら当時の織田裕二の代表作をよく憶えていることでしょう。
1987年4月公開の東映映画『湘南爆走族』で、同時に主役デビューの江口洋介と共演。
以降も「彼女が水着にきがえたら」「東京ラブストーリー」「振り返れば奴がいる」とヒットを飛ばしていきました。

織田裕二(トレンディ御三家)
トレンディ代表作:東京ラブストーリー
【ドラマ最終回シリーズ!】東京ラブストーリー【ネタバレしてます】 - Middle Edge(ミドルエッジ)
トレンディ御三家No.3:加勢大周
トレンディ御三家のなかでは、「加勢大周」商標問題や後の覚せい剤など、残念ながら後ろ向きな話題が多かった加勢大周。
しかし1990年、桑田佳祐初監督の映画「稲村ジェーン」に主役でデビューした後は、「はいすくーる落書2(1990年、TBS)」「いつか誰かと朝帰りッ(1990年、フジテレビ)」「学校へ行こう(1991年、フジテレビ)」など、まさにトレンディ御三家の名に違わぬ活躍ぶりでした。

加勢大周(トレンディ御三家)
トレンディ代表作:学校へ行こう!
ドラマ「学校へ行こう!」で学校のイメージが変わったかも - Middle Edge(ミドルエッジ)
御三家認定されなかったものの、まさにトレンディだった俳優12名
どの顔とっても錚々たるトレンディ。
そんなトレンディ俳優たちを、引き続き見ていきたいと思います。
以下、50音順にトレンディ俳優を振り返っていきましょう。
登場するトレンディ俳優は東幹久、石黒賢、石田純一、江口洋介、緒形直人、風間トオル、唐沢寿明、陣内孝則、筒井道隆、萩原聖人、三上博史、柳葉敏郎の順となります。
なお、なかでも「トレンディドラマのエース」と呼ばれた三上博史は、トレンディ御三家よりも上位に君臨していたと考えるべきかもしれませんね。
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芸能人は歯が命!:東幹久
「芸能人は歯が命!」があまりにも有名な東幹久ですが、キャリアのスタートは正統派二枚目俳優でした。
ただ、このフレーズで一躍有名になった後はバラエティ番組などに活躍の場を広げ、後にはむしろ三枚目俳優として活躍するようになりました。何がきっかけになるか分からないものですね。

東幹久(トレンディ俳優)
トレンディ代表作:君が嘘をついた
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「好青年」「善人」役が多かった:石黒賢
石黒賢といえばやはり、織田裕二と共演した「振り返れば奴がいる」が、トレンディドラマでのインパクトは大きいかもしれませんね。
どちらかというとトレンディ俳優、というよりも広く様々なドラマに出ている印象ですが、比較的「好青年」「善人」といったキャラクターが多かったように思います。

石黒賢(トレンディ俳優)
トレンディ代表作:振り返れば奴がいる
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不倫は文化!:石田純一
「不倫は文化」発言に代表される女性関係などが多く注目を集めてきましたが、そのルックスと話術でバブル期を代表するトレンディ俳優でした。
また「素足に革靴」 スタイルなどは、後にバラエティで活躍する際に武器となったといえるでしょう。

石田純一(トレンディ俳優)
トレンディ代表作:抱きしめたい!
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あんちゃん!:江口洋介
元祖「ロン毛」といえば、この方だと思うのですがいかがでしょうか。
「東京ラブストーリー」「愛という名のもとに」などのトレンディドラマの常連でしたが、「101回目のプロポーズ」、後の代表作「ひとつ屋根の下」シリーズにみられるような、意志のかたい善人役といえば江口洋介だった印象が強いです。

江口洋介(トレンディ俳優)
トレンディ代表作:ひとつ屋根の下
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「世界遺産」のナレーション:緒方直人
父は俳優・緒形拳、兄は俳優・緒形幹太、妻は女優・仙道敦子と、まさに俳優一家の緒方直人。
当時は「北の国から」や大河ドラマ「跳ぶが如く」「信長」などへの出演も印象的で、トレンディ俳優という色がそこまで強かった気がしません。

緒方直人(トレンディ俳優)
トレンディ代表作:同・級・生
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極貧エピソードが話題に!:風間トオル
主役級というより、二枚目ながら脇を固める役柄のほうが印象に残っている風間トオル。また、刑事モノや昼ドラなどのイメージも強い気がします。
後には、幼少期の極貧エピソードなども話題となりました。
「メンズノンノ」で阿部寛とともにノンノ・ボーイフレンドに選ばれ、その後「チェックメイト」等の雑誌モデルを経て、1989年、フジテレビ系列のドラマ『ハートに火をつけて!』で役者デビューしました。

風間トオル(トレンディ俳優)
トレンディ代表作:逢いたいときにあなたはいない・・・
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スーツアクター出身!:唐沢寿明
この方にとって「トレンディ俳優」は手段の一つだったかもしれません。
1980年、東映アクションクラブに所属した唐沢寿明は無名ゆえに食べていけず、コンビニのアルバイトや東映の『仮面ライダーシリーズ』『スーパー戦隊シリーズ』などの特撮番組に脇役やスーツアクターとして出演することで凌いでいたそうです。また東映では斬られ役や吹き替え、スーツアクターなどの他に照明や衣装のアシスタントなどの裏方も担当。
デビューからしばらく続いた不遇で進退窮まった頃、プロデューサーのアドバイスでチノパン&ポロシャツという出で立ちに路線変更した直後のオーディションで1位合格を得ます。
ちなみに本人から「あまり言わなくていい」と言われているために伏せているものの、実は爽やか路線を進言したのは浅野ゆう子だそうです。
爽やか路線に変更した頃、1992年の人気ドラマ『愛という名のもとに』で演じたエリート好青年の役で一気にブレイク、雑誌の特集などで「爽やか」「好青年」という代名詞が付くことが多くなって女性ファッション誌の人気ランキングに登場するなどの人気者に。

唐沢寿明(トレンディ俳優)
トレンディ代表作:愛という名のもとに
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愛称はボス、お笑い芸人張りのトーク!:陣内孝則
この方もトレンディドラマに欠かせない俳優でしたが、元々はザ・ロッカーズのボーカルとしてデビュー、桑名正博の前座としても活動していました。
三上博史、柳葉敏郎からはボスと呼ばれており、いつの間にか愛称として定着。
コミカルな役から重厚な役まで演じるも実際はひょうきんな性格で、バラエティー番組にも積極的に出演。笑いに非常に貪欲です。

陣内孝則(トレンディ俳優)
トレンディ代表作:愛しあってるかい!
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舞台、ナレーション、ドキュメンタリーと幅広く活躍:筒井道隆
筒井道隆が主演した「あすなろ白書」は、この後に空前の大ブレイクを迎えるキムタクが脚光を浴びる作品ともなりました。
デビューするきっかけは、父親に「役者になるか、自衛隊に入るか、どちらかを選べ」と言われたことで、本人はデパートにでも就職するつもりだったと語っているそうです。
舞台やナレーションなど、幅広く活躍しています。

筒井道隆(トレンディ俳優)
トレンディ代表作:あすなろ白書
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麻雀最強!!:萩原聖人
「若者のすべて」がとても記憶に残っていますが、一方で1995年「第6回麻雀最強戦各界雀豪大会」での優勝を皮切りに、麻雀で無類の強さを発揮するイメージが定着したような印象ですね。
「夏子の酒」で共演した女優の和久井映見との結婚(後に離婚)も印象深いです。

萩原聖人(トレンディ俳優)
トレンディ代表作:若者のすべて
不朽の名作ドラマ!「若者のすべて」 - Middle Edge(ミドルエッジ)
トレンディドラマのエース:三上博史
まったく個人的な見解として、バービーボーイズのKONTAと見間違う時がありました。
と、それはおいといてトレンディドラマのエースとも称された三上博史。その出演作品数も非常に多いです。
1984年のTBS系ドラマ「無邪気な関係」でドラマ初出演、1987年の映画「私をスキーに連れてって」で注目を浴びます。
1988年にフジテレビ系ドラマ「君の瞳をタイホする!」以降、トレンディドラマのエースと呼ばれるほど多くのトレンディドラマに出演しました。

三上博史(トレンディ俳優)
トレンディ代表作:あなただけ見えない
三上博史の人格が次々と変わる「あなただけ見えない」 - Middle Edge(ミドルエッジ)
一世風靡セピア!:柳葉敏郎
トレンディ俳優というよりも、その前の「劇男一世風靡→一世風靡セピア」、そして後には「踊る大捜査線」シリーズでの顔など、トレンディドラマ以外にも多数のスポットが当たる柳葉敏郎。
トレンディからシリアスものまで幅広い役柄をこなし、人気の範囲もお茶の間層・主婦層から青年層・邦画ファンへと拡がり、トレンディドラマ以降は20代女性層の認知も多くなり、20代~60代と広範囲に受け入れられるようになりました。

柳葉敏郎(トレンディ俳優)
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いかがでしたでしょう。
トレンディ俳優と呼ばれた人は他にもいますが、代表的な俳優さんを集めてみました。
なお「トレンディ代表作」とした紹介作品には、トレンディドラマ全盛期とは時期のずれる作品も入っておりますが、私たち世代の印象に残った作品ということでみていただけたらと思います。
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