ジョージ・ベンソン来日!
GEORGE BENSON JAPAN TOUR 2016
Blue Note ジャズフェスティバル in JAPAN【公式イベント】
ジョージ・ベンソンのプロフィール
George Benson / ジョージ・ベンソン プロフィール|ワーナーミュージック・ジャパン
名曲「Feel Like Makin' Love」聴きくらべ!
1) GEORGE BENSON
元々ジャズ/フュージョン系ギタリストだったジョージ・ベンソンが、自ら歌うようになって、
当時は賛否両論あったらしいのですが、筆者が彼を知った頃には既にヴォーカリストとして
活躍していたので、今でも違和感無く「ギタリスト兼ヴォーカリスト」として彼の作品を楽しんでおります。
そんな彼も「Feel Like Makin' Love」をやっているのですが、
クインシー・ジョーンズがプロデュースした『ギヴ・ミー・ザ・ナイト』以降の
いわゆるブラコン路線でありまして、83年リリースのアルバム『In Your Eyes』に収録。
いかにも80年代らしいエレクトロニックなサウンドもご愛嬌、決して古臭いという感じはしません。
それも、この曲の持つ普遍的なメロディーのおかげなのかもしれませんが。
静かでゆったりしたアレンジが多いこの曲にしては珍しく、ダンサブルな仕上がりなのも
ちょっと驚き!
2) Roberta Flack
この曲を聴きくらべるにあたって、オリジナルであるロバータ・フラックをハズすわけにはいきません!
「やさしく歌って」でも有名な彼女が、75年にリリースしたアルバムのタイトル・ナンバーでもあります。
抑制のきいた控えめなヴォーカルで、心地良く聴かせてくれるのですが、わずか3分弱のあたりからフェイド・アウトしていってしまうのが残念!もっとゆっくり聴いていたいと思うのは私だけじゃないはず・・・
ちなみに同アルバムには、「Feel Like~」を作詞・作曲しているEugene McDaniels提供曲が、他にも3曲収録されてます。
3) Marlena Shaw
前述のオリジナル、ロバータ・フラックと双璧をなす、「Feel Like Makin' Love」の名唱といえば
このマリーナ・ショウでしょう!
74年に録音され、ブルーノートからリリースされた名盤『WHO IS THIS BITCH, ANYWAY』に収録。
静かに始まり、徐々にテンポを上げていく、極上のアレンジ!
2分過ぎたあたりから、どんどん盛り上がっていきます!!
ちなみに、バックの演奏も素晴らしい・・・
Bass:チャック・レイニー
Drums:ハービー・メイスン
Guitar:デイヴィッド・T・ウォーカー
Guitar:ラリー・カールトン
Piano(Fender Rose):ラリー・ナッシュ
うーん、スゴ腕ぞろい・・・これで悪いワケが無い!
ブルーノート=ジャズ=むずかしそう・・・
などと先入観を持たずに、SOUL/R&Bを聴く感覚で気軽に聴いてほしい一枚です!
4) Gene McDaniels
これぞ「Feel Like Makin' Love」作者による自演ヴァージョン!
1975年にODE RECORDからリリースされた、ジーン・マクダニエルズ名義での
ソロ・アルバム『NATURAL JUICE』1曲目に収録されてます。
たぶんCD化はされてないんじゃないかと思うので、現状では
中古レコードで探さなくてはならないのが辛いところであります。
もしくは、上記リンク先の配信データで楽しむか?
この曲は、女性ヴォーカリストが好んで歌っているので、
男性ヴァージョンは珍しいんですよね~
ですが、さすがに作者だけあって、ここは渋く思い入れタップリに歌い上げてます!
サビの最後、“You”のところでファルセット気味に声が裏返るあたりも最高であります!
5) D'Angelo
90年代に、あえて70年代のニュー・ソウル的アプローチで、
アコースティックかつオーガニックな肌触りのソウル・ミュージックを演る、
「ニュー・クラシック・ソウル」というムーヴメントがありました。
そんな中で登場したのが、このディアンジェロ!
クラシックとはいえ、彼が作り出す音は前衛的で、
あのプリンスにも通じるものがあったわけです。
彼が2000年にリリースしたアルバム『VOODOO』に「Feel Like Makin' Love」が
収録されてると知り、どんな音に仕上がってるんだろう?と興味深々になったことを
今でも思い出します・・・。
パーカッシヴなビートが特徴的で、生々しい質感がたまらない!
ファルセットな多重コーラスが、スカスカしたアレンジの音と音の間を縦横無尽に
駆け巡る感じも斬新でした。まさに90年代版プリンスといった趣き。
まさか「Feel Like~」がこうなってしまうとは・・・
数あるカバーの中でも、異色の出来と言えますね。
6) Meta Roos
“北欧ボサ・ジャズ界が誇る歌姫”ことメタ・ルースが78年にリリースした
アルバムに収録されている「Feel Like Makin' Love」。
クール&メロウなアレンジで、これまた他の名カバーと比べても
遜色無い見事な仕上がりであります!途中で絡んでくるサックスもイイ感じですしね。
本場ブラジルの「モノ真似」では済まされない、それ以上の何かが感じられます・・・
7) Hugo Montenegro
ミュージカル&映画音楽の巨匠、ユーゴ・モンテネグロもこの曲をレコーディングしていたとは!75年リリースのアルバム「Others by Brothers」に収録しており、電子音楽的なスペーシーなサウンドは、モンドな味わいもあり、なかなか良いです。
このアルバムには、マーヴィン・ゲイやジャクソン5など、モータウンを代表するヒット曲のカバーも数多く収録されており、そのためか、なんとベースのクレジットにはジェームス・ジェマーソンの名が!
そう、あのモータウン黄金期を支えた偉大なるバック・バンド、ファンク・ブラザーズの要ともいえる伝説のベーシストであります。
さらに、ドラムにはハル・ブレイン!ギターにはラリー・カールトンなどの名前も・・・
(ラリーはマリーナ・ショウのバックでもこの曲をプレイしてますね!)
8) Ana Mazzotti
ブラジル人による「Feel like makin' love」カバー!
そしてバックの演奏は、ファースト・アルバム発表前のアジムスのメンバー!
ブラジリアン・フュージョン、そしてクラブ・シーンでも再評価されてきた彼らの、
伝説的なファースト・アルバムの原型とも呼べる音が、この時点で既に確立されているのは、
興味深いです。
数あるこの曲のカバーの中でも、抑制されたクールネスという点では、群を抜いて素晴らしいアレンジ!
真夜中~夜明けに聴くなら、このヴァージョンに決まりです!
9) Roy Ayers
フリーソウル、クラブ・ミュージックの流行によって、90年代に復活した人気黒人ヴァイブ奏者、ロイ・エアーズ!元々ジャズ畑でありながら、ファンキーなサウンドを得意とするだけあって、ヒップホップ系アーティストからもロイの楽曲はサンプリングされまくってますよね~
そんな彼も、「Feel Like Makin' Love」を74年のアルバム『CHANGE UP THE GROOVE』で
いち早く取り上げてます!オリジナルのロバータ・フラックが、74年6月にシングルでリリースしたばかりなわけですから・・・ロイの嗅覚の鋭さには、脱帽です!
10) Ricardo Marrero And The Group
「Feel Like Makin' Love」をラテン風に料理した傑作!
リカルド・マレロが77年にリリースしたアルバム『TIME』に収録されてますが、
ナンシー・オニールのヴォーカルも軽やかで素敵だし、
さらにはアンジェラ・ボフィルによるアレンジも秀逸!
後半はサンバ調で盛り上げてくれます!
もちろんリカルド本人によるピアノ・プレイも後半はどんどんアツくなります!
ラテン・フレイヴァーで聴くなら、やっぱりこのヴァージョンがベストです!
以上、ジョージ・ベンソンでもお馴染みの名曲「Feel Like Makin' Love」を、10アーティストのヴァージョンで聴きくらべてみましたが、いかがでしたか?
他にもたくさんカバーされている楽曲なので、皆さんも自分のお気に入りを探してみてください!