「小さな恋のメロディ」と「サタデー・ナイト・フィーバー」の中のビージーズ

「小さな恋のメロディ」と「サタデー・ナイト・フィーバー」の中のビージーズ

全く違うタイプの2つの映画で使われているビージーズの楽曲は、同じグループとは思えないほど。わずか5~6年の間に大きく変化したビージーズを2枚のサウンドトラックから比べてみます。


Bee Gees

Bee Gees

ビージーズは、イギリスの男性ボーカルグループです。結成当時は5人編成でしたが、1972年からはギブ兄弟のみの3人編成となりました。2012年メンバーの死去により事実上グループ活動は消滅しています。

・バリー・ギブ(Barry Gibb 1946年9月1日-)
リードボーカルを担当。ビージーズの楽曲の多くを作曲しています。

・ロビン・ギブ(Robin Gibb 1949年12月22日 - 2012年5月20日)
オルガン、ボーカル担当

・モーリス・ギブ(Maurice Gibb 1949年12月22日 - 2003年1月12日)
ギター、ベース、ボーカル担当。ライブ時のバンドマスターでした。

ビージーズは、数多くのヒット曲を出していますが、なかでもビージーズのナンバーが大きく取り入れられている1971年のイギリス映画「小さな恋のメロディ」と1977年のアメリカ映画「サタデー・ナイト・フィーバー」は映画と共に音楽も大変素晴らしいものです。
そして、この間のビージーズの変貌ぶりには目を見張るものがあります。

この2つの映画のサウンドトラックを通してビージーズの全盛期を覘いてみましょう。

小さな恋のメロディ

小さな恋のメロディ

映画「小さな恋のメロディ」は、1971年に公開されたイギリス映画です。特に日本では大ヒットしました。この映画のテーマ曲として印象的に使われていたのがビージーズの「メロディ・フェア」です。可愛らしい主人公ととてもよく合った瑞々しく素晴らしい曲です。

【収録曲】
1. イン・ザ・モーニング(ビー・ジーズ)
2. イン・ザ・モーニング(リチャード・ヒューソン・オーケストラ)
3. メロディ・フェア(ビー・ジーズ)
4. メロディ・フェア(リチャード・ヒューソン・オーケストラ)
5. スピック・アンド・スペックス(リチャード・ヒューソン・オーケストラとコロナ・スクールの学生)
6. Fのロマンス・テーマ(リチャード・ヒューソン・オーケストラ)
7. ギヴ・ユア・ベスト(ビー・ジーズ)
8. ラヴ・サムバディ(ビー・ジーズ)
9. 一日中踊ろう(リチャード・ヒューソン・オーケストラとバリー・ヒューソン)
10. 若葉の頃(ビー・ジーズ)
11. 若葉の頃(リチャード・ヒューソン・オーケストラ)
12. シーサイド・バンジョー(リチャード・ヒューソン・オーケストラ)
13. 先生を追いかけろ(リチャード・ヒューソン・オーケストラ)
14. ティーチ・ユア・チルドレン(クロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤング)

小さな恋のメロディ ― オリジナル・サウンドトラック

1971(昭和46)年、日本公開。青春前期のメモリアルとして、ある世代の多くの人々(含むオレ)の胸に刻み込まれている《伝説の青春映画》のサントラであり、なおかつ、この作品の関連アイテムとしては―LPの時代から通算すると―おそらく最も長い間、流通している商品である。初期のビー・ジーズによる名曲の数々を中心に、体育館でのダンスパーティーで流れていたキャッチーなバブルガム・ポップ「1日中踊ろう」、むしろ今聴くとジャストな部分もあるインスト曲たち(「シーサイド・バンジョー」の冒頭のホーンは、小林旭の「恋の山手線」のそれと瓜二つだったりするが)、そしてラストを飾るCSN&Y。40分足らずの収録時間だが、構成というか流れが絶妙で、何度聴いても飽きないのがうれしい。そういえば、ビー・ジーズのギブ三兄弟は、この映画についての質問をあまり好まなかったとか。確かに、後年のさまざまなヒット作品に提供した楽曲とは違い、ここに収められた劇中使用曲はすべて一度、世に出たもの。この映画のため曲作りをしたわけではない、ということも、それには関係しているのだろう。だが、それにしたって、これらの楽曲のハマり具合ときたら奇跡的というほかないし、何より、一時低迷していた彼らを、このサントラの―それも多くは日本における―売り上げや人気が支えた部分があったことは確かなのではないか、と思う。

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ビージーズの曲はもとより、最後のクロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤングによる「ティーチ・ユア・チルドレン」までとても素敵な選曲がなされています。

しかし、イギリスやアメリカでこの映画が大きなヒットにならなかったからでしょうが、このアルバムもCD化されたのは日本だけでした。
各楽曲が書き下ろしではないということも影響しているのかもしれませんね。

それにしても、何とももったいない話です。

それではもう一曲「若葉のころ」を。
この曲は1969年にシングルとして既にリリースされており全英6位のヒットとなっています。

「メロディ・フェア」や「若葉のころ」が収録されているビージーズのオリジナルアルバムが「オデッサ」です。
こちらは、全英10位、全米20位とヒットした大作で、5人組ビージーズの最後のアルバムとなっています。

1969年リリース

【収録曲】
1. オデッサ
2. 私を見ないで
3. 黒いダイヤ
4. 日曜日のドライヴ
5. エディソン
6. メロディ・フェア
7. サドンリィ
8. ウィスパー・ウィスパー
9. ランプの明り
10. 恋のサウンド
11. ギヴ・ユア・ベスト
12. 七つの海の交響曲
13. アイ・ラフ・イン・ユア・フェイス
14. ネヴァー・セイ
15. 若葉のころ
16. ブリティッシュ・オペラ

オデッサ Odessa

映画とは関係ありませんが、この時代のビージーズを代表する曲が1967年にリリースされ初の全英1位となった「マサチューセッツ - Massachusetts」です。
この後ご紹介する「サタデー・ナイト・フィーバー」関係の楽曲との違いに驚きを隠せません。

サタデー・ナイト・フィーバー

そして1977年に公開された映画「サタデー・ナイト・フィーバー」です。
この映画は「小さな恋のメロディ」とは違い全世界で大ヒットを記録しました。日本でもディスコ・ブームの到来を告げる記念すべき映画、そして音楽です。

サタデー・ナイト・フィーバー

この映画は何といっても主人公を演じるジョン・トラボルタのダンスに尽きます。その音楽、メインとなるダンス・ミュージックをビージーズが担当しているわけでが、「小さな恋のメロディ」から180度転換した感じで、とても同じグループが歌っているとは信じられないほどです。

とは言え、ビージーズは1975年にシングル「ジャイヴ・トーキン」、「ブロードウェイの夜」がいち早くディスコ・ブームに乗って全米では大ヒットしていました。
プロデューサーは上手くこの流れに乗せたとということですね。

1977年リリース

【収録曲】
1. ステイン・アライヴ
2. 愛はきらめきの中に
3. 恋のナイト・フィーバー
4. モア・ザン・ア・ウーマン
5. アイ・キャント・ハヴ・ユー
6. 運命 ’76
7. モア・ザン・ア・ウーマン
8. マンハッタン・スカイライン
9. カリプソ・ブレイクダウン
10. 禿山の一夜 ’77
11. 開けゴマ
12. ジャイヴ・トーキン
13. ユー・シュッド・ビー・ダンシング
14. ブギー・シューズ
15. サルセイション
16. 噂の女ケイジー
17. ディスコ・インフェルノ

オリジナル・サウンドトラック サタデー・ナイト・フィーバー

このサウンド・トラックは全世界で1億2000万枚という驚異的な売り上げを記録しています。ビージーズの曲は6曲使われており準オリジナル・アルバムともいえる作品となっています。

このアルバムからシングル・カットされた「愛はきらめきの中に」、「ステイン・アライヴ」、「恋のナイト・フィーバー」をはじめこの時期ビージーズは全米でシングル6枚連続の全米No.1に輝いています。

1983年には、「サタデー・ナイト・フィーバー」の続編にあたる映画「ステイン・アライブ」が公開されこれもヒットしました。

このアルバムに収録されており全米1位となった「愛はきらめきの中に」ですが、この曲を聴くと、あぁ、ビージーズは変わっていないんだと思えます。
美しく流れるようなメロディ、素晴らしいボーカル、これぞビージーズですね。

この時期乗りに乗っていたビージーズは他のアーチストへ楽曲提供も盛んに行っています。
代表的な曲としてはバリー・ギブとロビン・ギブがバーブラ・ストライサンドへ提供し全米1位に輝いた「Woman in Love」でしょう。とても良い曲ですね。

1981年以降はビージーズとしてよりも、各自ソロ活動と他アーティストへの楽曲提供が多くなっていきました。

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