さて、記念すべき30作目の『男はつらいよ 花も嵐も寅次郎』とは!?
記念すべき30作目である。『男はつらいよ 花も嵐も寅次郎』。マドンナには田中裕子。ゲストには沢田研二と朝丘雪路が登場した。まあ、なんといってもいわくつきの作品ともいえる。この作品がきっかけで沢田研二と田中裕子は仲良くなり、結婚したと言われているのだ(その後の大人の事情はさておき)。
さて、この作品の舞台は大分県の臼杵、別府鉄輪温泉、湯平温泉である。
今更ながら、簡単に「寅さん」システムを説明すると、寅さんと絡むマドンナがいて(たいてい寅さんが恋してふられる)、日本全国のどこかがひとまず舞台となる(観ている人間が一緒に旅した気分になる)。その舞台となった場所は当然、寅さんの撮影で盛り上がったりするのだ。とびっきりのスターがやってきて、大人数の撮影隊がお金を落とし、その土地が全国的にも有名になったりする。良いシステムだと思う。
とはいえ最終的には、物語は葛飾柴又に戻ってくる。それが「寅さん」なのだ。
あらすじ と 解説
マドンナ田中裕子が最高なのだ!!
まさに “ ザ・田中裕子 ” を観ることのできる作品だ。特別、美人というわけではない(と思う)。ただ、美人な女優なんていくらでもいた。もちろん、長い黒髪は素敵だ。色っぽさもあって、可愛さもある。しかし、なんといってもその独特な雰囲気と喉の奥から聞こえるような甘えた声が私たちをとにかく惹きつけるのだ。こんな女優はなかなかいない。
いまじゃ、すっかりおばあちゃん役(朝ドラ「まれ」など)だが、まあとにかく存在感のある “いい女” だった。
そして本作での田中裕子さんと渥美さんのシーン。裕子さんの笑顔がほんといいっす。
スーパースターのジュリーは、2枚目だけど3枚目っぽい役どころだった・・・。
当時、すでにスーパースターだったジュリーこと沢田研二は、顔はいいんだけどなんだか女性には奥手のちょっとさえない感じの青年を演じてました。まあ、多少の違和感はあるけど、悪くない雰囲気でしたね。でも、やっぱり演技は裕子さんに負けてたかなあ。