身長157cmという小柄な体の中にある、誰よりも巨大な才能を持つ殿下ことプリンス

身長157cmという小柄な体の中にある、誰よりも巨大な才能を持つ殿下ことプリンス

眼に見える奇跡というものがあるとすれば、それはプリンスのことでしょう。余りにも巨大で、いつまでも尽きることのない才能の持ち主。その素晴らしさはとても言葉では言い表せません。だからこそ、人はプリンスを天才と呼ぶのでしょう。


概略

1958年6月7日 - 2016年4月21日

プリンス

天才そう言って差支えないでしょう。いえ、むしろ他に呼びようがありません。
音楽界において、唯我独尊、唯一無二、そうした存在がプリンスです。

1958年6月7日、アメリカ合衆国ミネソタ州ミネアポリスの生まれです。出生名をプリンス・ロジャーズ・ネルソン(Prince Rogers Nelson)。そうです。プリンスというのは本名なんです。

因みにマドンナもプリンスと同じく1958年生まれで本名です。同じ時代にプリンスとマドンナが居たというのは何か不思議な因縁のようなものを感じます。
この2人は1989年に発売されたマドンナのアルバム「ライク・ア・プレイヤー」の中の「ラヴ・ソング」という曲で共作&デュエットしています。

プリンスと共演した当時は付き合っていたという噂があったマドンナ。
実際には分かりませんが、晩年のプリンスは、セクシャル路線をやめる。後はマドンナに任せると言っていることからも2人の信頼関係が伺えます。

マドンナ

プリンスはミュージシャンと言えばミュージシャンですが、マルチ・インストゥルメンタリスト、シンガー、作詞家、作曲家、音楽プロデューサーであり、27種類以上の多種多様な楽器を演奏し(レコーディングはほとんど1人で行っている)、ロックンロール、ハード・ロック、ファンク、ソウル、ブルース、ゴスペル、ジャズ、ヒップホップ、ディスコ、サイケデリックなど、ありとあらゆる音楽スタイルをミックスさせ独自の音楽を確立しました。

プリンス

これまでにアルバム・シングルの総売り上げは1億2000万枚を超えており、12枚のプラチナアルバムと30曲の全米トップ40シングルを持っています。

影響を受けたミュージシャンは、ジェームス・ブラウンやスライ・ストーンなどでファンクからの影響は大きいようですが、ギタリストとしてはジョニ・ミッチェルとカルロス・サンタナから影響を受けたそうです。なかなか興味深いはなしですね。

プリンスの誕生

プリンスの父親ジョン・L・ネルソンはプリンス・ロジャーという芸名で1960年代後半までプリンス・ロジャー・トリオというバンドをやっていました。
17歳年下の母親マティは、ジャズ歌手だったそうです。

プリンスはジュニアハイスクール時代に友人や従兄弟らとバンドを結成します。
いくつかのバンドに参加しているうち徐々に頭角を現し、ミネアポリス・サウンド(シンセサイザーを主体としたファンクミュージック)の中心的存在となります。

そして、メジャー・レーベルがプリンス争奪戦を繰り広げる中、1977年にワーナー・ブラザーズと契約。当時19歳の少年としては破格の契約金とセルフ・プロデュースの権利を獲得しています。

しかし、19歳のデビュー前の時点でセルフ・プロデュースの権利を要求するということ自体スゴイですね。

原題: For You
発売日: 1978年4月7日
レーベル: Warner Bros. Records

フォー・ユー

こうして1978年4月に記念すべきデビューアルバム 「フォー・ユー 」が発売されます。
プリンス1人で作り上げたといわれる「フォー・ユー 」は全米163位どまりでしたが、シングルカットされた 「ソフト・アンド・ウェット」はR&Bチャートで12位まで上がっています。

プリンスの栄光

1978年にデビューしてから1981年までのプリンスの作品はヒット・チャートを賑わすことはありませんでしたが、今聞いても素晴らしい曲がいくつもあります。

しかし、プリンスを語るのであれば、やはりバックバンドをザ・レヴォリューションを組んでから、つまり1982年からということになるかと思います。

プリンスは、1982年に2枚組アルバム「1999 」をリリースし、大ブレイクします。

原題: 1999
発売日: 1982年10月27日
レーベル: Warner Bros. Records

1999

そして翌1984年プリンス最大のヒットアルバム「パープル・レイン 」が発表されます。発表初週だけで100万枚を売り上げたこのアルバムは、全米で1300万枚、全世界で1500万枚にも達しました。
アルバムは全米1位、シングルカットされた 「When Doves Cry(1位)」、「Let's Go Crazy(1位)」、「 Purple Rain(2位)」、「I Would Die 4 U(8位)」、「Take Me With U(25位)」の5曲も軒並み大ヒットしています。

原題: Purple Rain [A]
発売日: 1984年6月25日
レーベル: Warner Bros. Records

パープル・レイン

この頃のプリンスは、出す曲、出すアルバムがヒットし、しかも、どれもこれも革新的であるという、まさに奇跡のような時期を迎えます。

そこで忘れてはならないのが、バックメンバーのザ・レヴォリューションです。中でもパーカッションを担当したシーラEでしょう。

1984年に発売した「グラマラス・ライフ」は大ヒットしまいsた。

シーラE

メンバーを若干入れ替えながらザ・レヴォリューションとの関係は1986年まで続きます。

プリンスは独自のレーベル「ペイズリー・パーク・レコード」を設立し、1985年にはアルバム「アラウンド・ザ・ワールド・イン・ア・デイ(Around the World in a Day )」を発表。大ヒットした前作とは全く作風の違うアルバムでしたが全米1位を獲得しました。

原題: Around the World in a Day
発売日: 1985年4月22日
レーベル: Warner Bros. / Paisley Park Records

アラウンド・ザ・ワールド・イン・ア・デイ

"Purple Rain"でコマーシャルな面でも大成功を収めた後発売された、この"Around the World in a Day"こそ、当時のPrince自身が一番音楽で表現したかった事ではなかったのか?と思う。それは、惹き付けた大衆を、まるで冷たく突き放すかのような行為であるように見えるけれども、Princeという多様な表現手法を持つアーティストとして、創作を更なる高みまで持っていく為には、決してその場所で甘んじる事など出来なかったように思う。そして、完成したこの"Around the World in a Day"。よく80年代の"Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band"と例えられる事が多いが、確かにコンセプチュアルであり、前衛的。そして完成度の高さという面で、その表現は非常に正しいように思う。だが、"Sgt. Pepper's〜"と圧倒的に違うのは、外に発信するという方向性よりも、Prince自身の為の楽園を作品の中に創り上げたような、非常に内に篭った表現である事が特徴。それ故、Princeというアーティストを理解する人々以外は拒絶するような、そんな雰囲気さえ感じさせる。

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続いて発売されたアルバムが1986年の「パレード ( Parade)」です。 アルバムは全米3位止まりでしたが、シングルカットされた 「Kiss 」は全米1位に輝いています。
この年にプリンスは来日公演を行っています。ザ・レヴォリューションは、このツアーの最終日である横浜スタジアムでの講演を最後に残念ながら解散してしまいました。

1987年には、アルバム「サイン・オブ・ザ・タイムズ ( Sign "☮" the Times)」 が発売されます。
2枚組という大作でありあがら、「パープル・レイン」に次ぐ売り上げを誇る最高傑作との呼び声も高いアルバムです。

アルバムからは、「ユー・ガット・ザ・ルック(2位)」、「 サイン・オブ・ザ・タイムズ (3位)」、「プレイス・オブ・ユア・マン(10位)」、{ホット・シング(63位)」、「イフ・アイ・ウォズ・ユア・ガールフレンド(67位)」という5曲がシングル・カットされヒットしています。

原題: Sign "☮" the Times
発売日: 1987年3月30日
レーベル: Warner Bros. / Paisley Park Records

サイン・オブ・ザ・タイムズ

この後、プリンスは1988年にアルバム「Lovesexy 」を、1989年に「バットマン」のサウンドトラックを発売して充実の80年代を終えます。
セールス的なことで言えば80年代というのは黄金期ということになるのでしょうが、プリンスの天才を見せつけられるのはむしろ90年代、2000年代といえるかもしれません。

最後の最後まで新たな事にチャレンジし続けたプリンス。その作品と姿勢は、やはり天才と呼ぶにふさわしいものに違いありません。

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