沢村忠 真空飛び膝蹴り、キックの鬼、不滅のスーパースター、不屈のサムライスピリット、そして失踪、その伝説に迫る

沢村忠 真空飛び膝蹴り、キックの鬼、不滅のスーパースター、不屈のサムライスピリット、そして失踪、その伝説に迫る

幼い頃からノンコンタクト空手を学び大学で日本チャンピオンになる。「タイ式ボクシング(ムエタイ)こそ地上最強の格闘技だ。」 そう挑発されてムエタイに挑戦。初戦をKO勝ちして自らの「地上最強の格闘技は空手」説を証明。しかし2戦目に16度もダウンさせられ病院送りに。伝説はここからはじまった。


五木ひろしの生みの親

また野口修は親交のあった作詞家:山口洋子のすすめで歌手の三谷謙と契約をしたこともある
三谷は「五木ひろし」へ改名し
『よこはま・たそがれ』が発売され再デビューを果たした

ボクシング界にも大きく貢献

昭和30年代、
ボクシングは人気を集め
フジテレビ、日本テレビ、TBSなど民放各局はボクシングをレギュラー番組として放送した
しかしそのマッチメイクは全て日本人同士の対戦だった
「このままではいずれファンにも飽きられてしまう」
そう感じた野口はNET(現テレビ朝日)に日本人対外国人の試合を提案した
だがこれはあっさり却下された
外国から選手を呼んでギャラを出していては制作費が足りないというのだ
一番組の制作費はだいたい40万円前後が相場だった
「わかりました
では私は25万で引き受けましょう」
そんな金額で出来るわけがないと誰もが思ったが、
いったん口に出した以上引けない
野口は懸命に頭をひねった
試合会場を使用料5万円の後楽園の卓球センターから
1万円で借りられる浅草公会堂へ舞台を移した
浅草公会堂で行われた国際試合は毎回超満員で大変な盛況であった
そのうち他局からも
「選手を貸して欲しい」
と打診が出てくるようになり
野口は選手を貸し出しながら
東南アジアを中心に海外選手の発掘に出かけるようになった

タイ式ボクシング(ムエタイ)との出会い

中でもタイと特に太いラインが確立出来た
タイにはムエタイ(タイ式ボクシング)と呼ばれる格闘技があった
野口はパンチ・キック・膝蹴り・肘打ち、首相撲という幅広い打撃技を含むこの格闘技に興味をそそられた
さっそくボクシングの前座のエキビジョンマッチとしてタイ式ボクシングの試合を浅草公会堂で実現させた
殴るだけのボクシングに蹴るという要素が加わったムエタイが観客の目にどう映るか不安はあったが
観客の反応は悪くはなかった
タイ式ボクシングだけの試合を行ってみたが
こちらも観客は楽しんで見てくれたようで悪い感じはしなかった
手応えをつかんだ野口は、
日本人とムエタイの試合を実現させてみたくなった
日本人でムエタイとかみ合うのはやはり空手であろうか

極真空手家をムエタイにチャレンジさせる

野口は極真空手の大山倍達を訪ね相談を持ちかけてみた
大山はあまり乗り気でない様子だったが野口は熱意で押し切った
そして黒崎健時、中村忠、藤平昭雄の3選手を借り受けた
野口と3人の選手はタイに渡った
ムエタイにはルンピニー(陸軍系)とラジャダムナン(王室系)の2大スタジアムがあり
彼らはバンコクでルンピニーの大物である陸軍大佐の家に1ヶ月滞在してトレーニングを積み試合に臨んだ
国技であるムエタイに日本の空手家が挑むということで
現地の一部では殺伐としたムードも起こった
街に「空手の奴らなど墓場送りにしてやる」などと書かれたポスターも貼られたという
ルンピニースタジアムに1万5000人の観客を集めて空手対ムエタイの試合は始まった
3人の極真空手家は壮絶な覚悟で戦った
黒崎はヒジ打ちを食らって顔面を切って敗れた
しかしその内容は壮絶なものだった
そして中村忠は強烈なパンチでKO勝ち
藤平もKO勝ち
ルンピニースタジアムの観客は3人の日本人の強さを認め賞賛の拍手を送った
翌日の新聞も大きくとり上げた

命名「キックボクシング」

帰国後、野口はムエタイを日本はもとより、いずれは世界中に広めたいという構想を持った
だが日本の相撲と同じく国技であるムエタイは少し古風な習慣やルールがあるし
名前もムエタイやタイ式ボクシングではアピール度が弱い
世界に羽ばたく格闘技の名前として何かいいものはない
あれこれ考え
既に国際的に浸透しているボクシングという名称はどうしても使いたい
蹴りのあるボクシング・・・・キックボクシング!!
これなら世界中に通用するし何よりも分かりやすい
こうして日本キックボクシング協会を設立して今後この競技を日本に世界に広めて行こうと思った

だがこの「キックボクシング」の名称はボクシング界から猛反発を食らった
そのようなわけのわからない競技にボクシングという名前を使うのはボクシングに対する冒涜だというのだ
理事会で散々責められることとなった
野口は日本ボクシング協会の常任理事を務めており
何よりもこれまでにボクシング界に多大な貢献をしてきたという自信があった
「キックのあるボクシングだからキックボクシングなんだ
この名前なら海外でも通用する
この名称だけは妥協するわけにはいかない」
と反発した
そのうち
「どうしてもそのような競技をつくるのならボクシング界から除名する」
という意見まで出た
野口も頭に来て
「何が除名だ
戦中戦後のボクシング界の創設には私の父親が多大な貢献をしている
戦後は私が海外に目を向け選手を発掘し、国際試合も実現した
東洋タイトルマッチも行われるようになり選手も世界に挑戦出来るようになったんだ
ではそのパイプ役を努めたのは誰なんだ
俺以外に誰がいるというんだ
俺以上に貢献してきた人間がこの中に1人でもいるというのか」
シーンとなった
実際、野口の言う通りであった
理事会は野口の言い分を認め
野口は常任理事の座を元日本フライ級チャンピオンであり自分の弟でもある恭に譲り
自分はボクシング界から引退とした
そして野口は安藤嘉章を会長に立てて日本キックボクシング協会を設立した
(現在、日本キックボクシング協会は日本キックボクシング連盟に統合される形で解散)

関連する投稿


ロッキー・マルシアーノ 24歳で本格的にボクシングを始めるまで

ロッキー・マルシアーノ 24歳で本格的にボクシングを始めるまで

179㎝、84㎏。スピードも、テクニックもなく、不屈のブルドーザーのように突進するファイトスタイルで49戦49勝43KO、引き分けさえない全勝無敗のパーフェクトレコードを持つ世界ヘビー級チャンピオン。


 内藤大助  イジメに克ち、イジメっ子にリベンジ

内藤大助 イジメに克ち、イジメっ子にリベンジ

日本フライ級、東洋太平洋フライ級、WBC世界フライ級チャンピオン、42戦36勝3敗3分、勝率85.7%、KO率63.9%。恐ろしく強いボクサーなのにオネエを疑われるほど柔和、かつ元イジメられッ子。中学時代に凄絶なイジメに遭い、20歳でジムに入門し、 22歳でプロデビュー。そして24歳で全日本新人王になった後、イジメっ子と再会する。


漫画『はじめの一歩』が「ワンダ モーニングショット」と初コラボ!「ファミリーマートのはじめの一歩缶」が数量限定で発売!!

漫画『はじめの一歩』が「ワンダ モーニングショット」と初コラボ!「ファミリーマートのはじめの一歩缶」が数量限定で発売!!

ファミリーマートにて、講談社「週刊少年マガジン」で連載中の『はじめの一歩』と、アサヒ飲料のロングセラー商品「ワンダ モーニングショット」がコラボした「はじめの一歩×ワンダ モーニングショット ファミリーマートのはじめの一歩缶」が1月28日より全国のファミリーマート約16,200店にて発売されます。


漫画家・森川ジョージの麻雀優勝記念緊急企画!『はじめの一歩』の麻雀回(3話分)が無料公開中!!

漫画家・森川ジョージの麻雀優勝記念緊急企画!『はじめの一歩』の麻雀回(3話分)が無料公開中!!

「週刊少年マガジン」で『はじめの一歩』を連載中の漫画家・森川ジョージが、11月27日に放送された麻雀対局トーナメント『麻雀オールスター Japanext CUP 決勝戦』にて優勝を飾りました。それを記念し、『はじめの一歩』の麻雀回が「マガポケ」にて現在無料公開中となっています。


「CRONOS」より実録やくざ映画の金字塔『仁義なき戦い』とのコラボアイテムが発売決定!!

「CRONOS」より実録やくざ映画の金字塔『仁義なき戦い』とのコラボアイテムが発売決定!!

株式会社ワールドフィットが展開する、ミニマルでありながらスタイリッシュ且つ独創的なデザインが特長の“フィジタル パフォーマンス クロージング(※)”を提案する「CRONOS(クロノス)」より、名匠・深作欣二監督による実録やくざ映画の金字塔『仁義なき戦い』とのコラボレーションアイテムが発売されます。


最新の投稿


阪神優勝の歓喜を永遠に!天然ダイヤ×黄金の記念腕時計など、限定「黄金グッズ」5種が予約開始

阪神優勝の歓喜を永遠に!天然ダイヤ×黄金の記念腕時計など、限定「黄金グッズ」5種が予約開始

阪神タイガースの2025年JERAセ・リーグ優勝を祝し、天然ダイヤモンドと黄金を贅沢に使用した公式記念グッズ5種が登場。世界限定2025本の電波ソーラー腕時計や、血行を改善する磁気ネックレスなど、藤川新監督のもと頂点に立った虎の威容を象徴する逸品揃い。本日より予約開始、2月2日より順次発送です。


芸歴50年・秋吉久美子の名作が蘇る!CS衛星劇場で「秘蔵傑作選」が2・3月放送、本人解説番組も

芸歴50年・秋吉久美子の名作が蘇る!CS衛星劇場で「秘蔵傑作選」が2・3月放送、本人解説番組も

CS放送「衛星劇場」にて、女優・秋吉久美子のデビュー50周年を記念した特集「クミコが選ぶ、とっておきのクミコ ~秋吉久美子秘蔵傑作選~」が2月・3月に放送されます。本人がセレクトした名作映画7本に加え、自身の歩みを振り返る特別番組も登場。日本映画界を彩った彼女の魅力を再発見できる貴重な機会です。


工藤静香、全国7都市を巡るプレミアム・シンフォニック・コンサート開催決定!本日より一般チケット発売

工藤静香、全国7都市を巡るプレミアム・シンフォニック・コンサート開催決定!本日より一般チケット発売

工藤静香のフルオーケストラ共演シリーズ第3弾「PREMIUM SYMPHONIC CONCERT 2026」の開催が決定。2026年3月から全国7都市を巡るツアーに挑みます。栁澤寿男、柴田真郁ら名指揮者と共に、往年のヒット曲から最新曲までを大胆かつ繊細に再構築。本日より一般チケットの販売が開始されました。


シティポップ再評価の決定版!DJシーザー最新作『昭和100年』ベストMIX第2弾が2月に発売

シティポップ再評価の決定版!DJシーザー最新作『昭和100年』ベストMIX第2弾が2月に発売

DJシーザーによる人気MIX CDシリーズ最新作『昭和100年 JAPANESE CITYPOP NON-STOP BEST MIX Vol.2』が2月18日に発売決定。大貫妙子や米米CLUB、ピチカート・ファイヴなど、国内外で愛される珠玉の35曲を極上のノンストップMIXで収録。世代を超えて「都会」のムードを堪能できる、新時代のシティポップ入門編です。


【箱根ホテル小涌園】昭和100年を祝うレトロな100日間!「懐かしのあの頃ドリンクフェア」開催

【箱根ホテル小涌園】昭和100年を祝うレトロな100日間!「懐かしのあの頃ドリンクフェア」開催

2026年の「昭和100年」を記念し、箱根ホテル小涌園の「Bar1959」で期間限定フェアが開催。バイオレットフィズやテレビの砂嵐をイメージしたドリンクなど、昭和を知る世代には懐かしく、若い世代には新鮮なメニューが登場。駄菓子付きのフォトジェニックな体験で、世代を超えた会話が弾む特別な100日間をお届けします。