ああ、青春の『セント・エルモス・ファイアー』は、こんな映画だった!

人気の“ブラット・パック”俳優たちが共演!80年代を代表する青春映画の名作!
『セント・エルモス・ファイアー』は、80年代に人気を博した“ブラット・パック”と呼ばれる若手俳優が多数出演した1985年に公開された青春映画の名作(日本公開は1986年)。監督は、『バッドマン・フォーエバー』などを手がけたジョエル・シュマッカー。音楽は、当時絶大なる人気を誇っていたデイヴィッド・フォスター。主題歌、メインテーマ(愛のテーマ)はとくに印象的で聴くだけで当時を思い起こさせる名曲でもある。

青春の何かを思い起こさせるデイヴィッド・フォスターによる「愛のテーマ」
メインテーマ「愛のテーマ」はインストゥルメンタルにもかかわらず、全米15位に入った名曲。聴くたびに心の奥の懐かしい甘さやら痛みやらを思い起こさせる。デイヴィッド・フォスターの70年代から80年代のアレンジは、日本のアーチストやアレンジャーたちにも多大な影響を与えていたとか。
<ストーリー>
ワシントンの名門ジョージタウン大学を卒業したばかりの男女7人の仲間たちは、社会には出たものの学生時代からの溜まり場であるバー「セント・エルモ」にことあるごとに集っていた。
定職にも就かない女好きの妻子持ちビリー(ロブ・ロウ)、ウェイターのバイトをしながら弁護士を目指すカービー(エミリオ・エステべス)、政界入りを目論む若き野心家アレック(ジャド・ネルソン)、「生きることの意味」を模索するジャーナリスト志望のケヴィン(アンドリュー・マッカーシー)、「パーティーガール」で国際銀行に勤めるジュールズ(デミー・ムーア)、アレックと同棲しながらも建築の勉強を続けるレズリー(アリー・シーディー)、裕福な家庭の娘でビリーに恋するウェンディ(メア・ウィニンガム)、彼らはそれぞれの生き方で社会との距離を縮めようとしていた。
さまざまな出来事の中で岐路に立たされる7人は、もう学生の頃のようにはいられないと自覚しつつも変わらぬ仲間であることを再認識して、新たなる一歩を踏み出していくのだった…。








次ページはお待たせ、デミー・ムーアのコーナー!
やはり、デミー・ムーアは美しい・・・
23歳のデミー・ムーアは文句なく美しい。『セント・エルモス・ファイアー』に出演した若手俳優のなかで、その後もっとも成功したといえる。1990年公開の『ゴースト/ニューヨークの幻』は世界中で大ヒットし、彼女をトップスターに押し上げた。ほかに、『ア・フュー・グッドメン』『幸福の条件』『GIジェーン』『チャーリーズ・エンジェル フルスロットル』などに出演。






主題歌は全米ナンバー1ヒットに! “元気の出る”青春の名曲!
主題歌「セント・エルモス・ファイアー」は、全米ナンバー1になり、歌っていたジョン・パーは一躍時の人に。しかし、その後目立ったヒット曲はない。この曲はもともと脊髄損傷の認知度を上げるために世界中を車椅子で回っていたカナダ人運動選手のリック・ハンセンのためにデイヴィット・フォスターが書いたもの。それはそうと、大ヒットしたこの曲をジョン・パーのどのアルバムにも入れてないそうだ。どんな大人の事情があるやら。
『セント・エルモス・ファイアー』が日本で公開された1986年ってどんな年だった?
アメリカ公開は1985年だが日本公開は1986年2月。1985年の年初の円ドルルートは1ドル252円50銭で1988年の年初には1ドル121円に上昇。日本公開の1986年はまさにバブル元年だった(1986年12月から1991年2月までの51か月間がバブル景気)。みんなが浮かれ始めたこの時期。1986年はいったいどんなことがあった年だったのか、ちょっとのぞいてみよう!
<日本>
●衆参同日選挙で自民党が圧勝
●イギリスのチャールズ皇太子とダイアナ妃が来日
●上野動物園のジャイアントパンダ、トントンが誕生
●日本初の女性党首、社会党の土井たか子委員長が誕生
●伊豆大島の三原山が209年ぶりに噴火
●人気アイドル、岡田有希子の飛び降り自殺
●三菱銀行有楽町支店で3億3000万円強奪事件
●バブル元年、株価高騰へ!

<世界>
●スペースシャトル「チャレンジャー」号爆発事故
●サッカー、ワールドカップメキシコ大会開催
●チェルノブイリ原子力発電所、大規模な爆発事故
●米ソ首脳会談。レーガン大統領とゴルバチョフ書記長が会談
1986年の洋画ランキングをチェックしよう!
1位 バック・トゥ・ザ・フューチャー 36.9億円
2位 ロッキー4 炎の友情 29.8億円
3位 グーニーズ 19.2億円
4位 コブラ 17.5億円
5位 コーラスライン 14.5億円
6位 エイリアン2 12.2億円
7位 愛と哀しみの果て 11.3億円
8位 コマンドー 11億円
9位 ポリス・ストーリー 香港国際警察 10億円
10位 サンタクロース 10億円
『セント・エルモス・ファイアー』が・・・入ってないんですね・・・はい。
次ページでは1986年の日本のヒットチャートもおさらい!
1986年のヒット曲もおさらいしておこう!
1位 CHA-CHA-CHA 石井明美 53万枚
2位 DESIRE 中森明菜 51.6万枚
3位 仮面舞踏会 少年隊 47.8万枚
4位 BAN BAN BAN Kuwata Band 45.1万枚
5位 My Revolution 渡辺美里 44.2万枚
6位 恋におちて 小林明子 40.6万枚
7位 ジプシー・クイーン 中森明菜 35.8万枚
8位 スキップ・ビート Kuwata Band 35.5万枚
9位 OH!! POPSTAR チェッカーズ 35.4万枚
10位 青いスタシオン 河合その子 34.1万枚
ミドルエッジ世代の桑田さんはすごい! この頃からずっとトップを走り続けてる・・・。
設定酷似の「愛という名のもとに」で『セント・エルモス・ファイアー』が2倍楽しめる!? それでも、みんな保奈美が好きだった!?
トレンディードラマ全盛の1992年、フジテレビで放映された鈴木保奈美主演の『愛という名のもとに』は、設定が『セント・エルモス・ファイアー』に酷似していると言われた。実際、脚本を手がけた野島伸司は『セント・エルモス・ファイアー』をイメージのひとつとして書いたと公言しているらしいのでそれはそれでよしとするか。にしても、1話目はイメージの域を超えているような気がするが・・・。ちなみにこのドラマは平均視聴率24.7%の大ヒット。最終回は32.6%だった。
脚本 : 野島伸司
プロデューサー : 大多亮
出演者 : 鈴木保奈美、唐沢寿明、江口洋介、洞口依子、石橋保、中島宏海、中野英雄
主題歌 : 浜田省吾「悲しみは雪のように」

